『やるせないヤルセーヌ 白骨化スマホ編』

私の名はヤルセーヌ・ラパン。
職業は会社員、副業が怪盗である。
軽自動車っぽい名前だと笑われて、いつもやるせない。

今回の標的は「白骨化スマホ」、何とも珍妙な名前じゃないか。
独自のルート(キャバ嬢)から仕入れた情報によると、ある企業が開発した特殊な半導体により朽ち果ててしまったスマホが、まるで白骨化のようだと。

まるで白骨化、という言葉に首を傾げていたらサッカーボールが飛んできて、いい塩梅にドライブがかかったヘディングになった奇跡に、私は興奮して震えている。

決して、軽自動車とドライブをかけていない。

「白骨化スマホ」はどうやら山梨県にあるらしい。
白骨化で山梨県、つまり樹海が怪しい。

さらに独自のルート(横浜スタジアムのビール売り子)で調査を進めたところ、樹海ではなく、ハードオフ河口湖店のジャンクコーナーで見かけた人がいるらしい。

その情報を信じて、私は愛車のN-BOXで高速を駆け抜けた。しっかりと取り置きの連絡をして。

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