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2020年8月16日「風をよむ~ 先人たちの声」


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映画「三島由紀夫vs東大全共闘~50年目の真実~」

今年、一本の映画が公開されました…

三島由紀夫氏「僕は戦争中に生まれた人間でね…」

当時の若者らに語りかける作家・三島由紀夫氏。彼は亡くなる9か月前、こう語っていました。

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三島由紀夫氏「僕は憲法9条ってのは全部いけないといっているんじゃないんです。つまり人類が戦争をしないということは立派なことですよ。ですんで(戦力を保持しないという)第2項がいけない。逆解釈して自衛隊を認めているでしょ。そのようなことをやって日本人は、ごまかしごまかし生きていた。ぼく大嫌いなんですよ、そういうことは」 「僕が死んで50年か100年経つと、分かったという人がいるかもしれない…」

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きのう迎えた75回目の「終戦の日」。戦後生まれが、日本人の85%に達するなど、「戦争の現実」を語り継ぐ人々の数は年々減りつつあります。そうした中で、先人たちが残した声に、改めて耳を傾けます。

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野中広務元官房長官「私どもが経験したあの忌まわしい戦争の歴史が、再びわが国で繰り返されないように…」

官房長官や、自民党幹事長などを歴任した野中広務さん。アメリカ軍が沖縄の土地を使い続けられるようにする法律が、沖縄県が反対する中、与野党の圧倒的多数で可決成立した時、こう訴えました。

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野中広務元官房長官「私たち、古い苦しい時代を生きてきた人間は、この論議を通じた国会の審議が『大政翼賛会』のような形ににならないように…」


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副総理、官房長官などを務めた後藤田正晴さんです。

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後藤田正晴元副首相「“歴史”は、どこの国でもありうるが、権力者が作り替えることがある。やはり事実に基礎を置いた正しい歴史認識をする。そして負の歴史について、それを繰り返さない教訓にして生きていく。そういう歴史観を持っていないと、国は永続しない」


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戦火が絶えないアフガニスタンで活動を続けた医師・中村哲さんです。

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中村哲医師「もうあんなことは二度としたくないという、そのシンボル。その意味では憲法9条は、ひとつの民族の理想であり、それと同時に世界の人たちの理想であるわけですね」


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太平洋戦争開戦の年に、医師として働き始めた、日野原重明さんです。

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日野原重明医師 「『命を守る』ということについて、これほどしっかりと作られた憲法は、世の中のどこにもないので、人間の根本にかかわることは、憲法に書かれている。9条は(憲法の条項のうちで)最も中心になっています」


映画化もされた、小説「火垂るの墓」は、14歳で空襲に遭い、妹を栄養失調で亡くした、作家・野坂昭如さんの実体験に基づいています。

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野坂昭如氏「かつて戦争で多くの子どもが、ひどい目にあいました。何の責任もなくひどい目にあったのです。同じような愚を繰り返してしまうのはやめましょう」

野坂さんは、亡くなる数日前の手紙にこう書いています。

野坂昭如氏「戦後の日本は平和国家だというが、たった1日で平和国家に生まれ変わったのだから、同じく、たった1日で、その平和とやらを守るという名目で、軍事国家、つまり、戦争をする事にだってなりかねない。ヒョイとあの時代に戻ってしまいそうな気がしてならない」


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筑紫哲也さんです。

筑紫哲也氏「私たちの国がさらに戦争がしやすい国に憲法を変えていく。そういうことに対してはよほど慎重に考えなければいけない」筑紫「私にとって10歳までの少年時代は戦争に明け暮れていましたが、その後、戦争によって誰も殺さず、殺されていない。これは日本の近代史でも、あるいは今、よその国を見ましても例のないことであります。あの戦争のことを記憶し続けると言うことが、この平和を終わらせないことに繋がっていると私は思います」

「終戦の日」について、書かれた原稿にはこうあります。

筑紫哲也さん「変わらないのは、あの戦争が二度と繰り返してはならない『国家的失敗』『国家的愚行』だという点。同じことを繰り返さないように努カすることができるのも私たちだし、そのために歴史からどんな教訓を汲み取るかも私たち次第なのです…」


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