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2020年4月19日「風をよむ ~コロナ・ストレス~」

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トイレの中を、荒らし放題にしている、ネズミたちを描いたこの作品。世界が注目するイギリスのアーティスト、バンクシーの最新作です。

世相に対する鋭い風刺が特徴のバンクシー。この絵で、何を訴えかけたのでしょう?

SNSに投稿されたこの画像には、こんな言葉が添えられています。

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バンクシー「妻は、俺の在宅勤務を毛嫌いしている・・・」

今、イギリスで、何が起きているのでしょう。

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DV被害者を支援するレイチェル・ウイリアムズさん
「日本では、そんなこと起きないなんて思わないで下さい。日本でも、同じことが必ず起きますから。イギリスの状況を見て覚悟して下さい」

そう語るのは、イギリスでDV=家庭内暴力の被害者を支援している、ウイリアムズさん。

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支援団体では、新型コロナ予防の為の外出制限が始まってから、DVの相談件数が25%増えたと言います。

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この事態を深刻に受け止めたイギリス政府は、11日、新型コロナ対策の一環として、DV被害者の支援団体に、200万ポンド=およそ2億7000万円の助成金を出すことを決めました。

こうした動きは、イギリスだけではありません。フランスでは・・・

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フランス政府の広報ビデオ 男性「何が面白いんだ」 子ども「痛い」女性「やめて!」 男性「お前は引っ込んでろ!」

男の怒鳴り声、そして子供の悲痛な叫び声。

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新型コロナの影響で、DVの被害報告が3割増加したフランスでは、こうした映像を繰り返し放映し、市民に、児童虐待に関する通報の提供を呼びかけたのです。

生活環境の急変を背景に多発する家庭内暴力。日本も、例外ではありません。

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ツイッターの書き込み「コロナのせいでもう帰ってきている旦那・・ムカつく」「コロナのせいで離婚しそう」

ネット上に、積もり積もったストレスを嘆く声が、あふれる中・・・

7日、妻を平手打ちしてけがをさせた、59歳の夫が逮捕。 倒れた妻は、その後死亡しました。

妻は「コロナのせいで私の収入が減った」と愚痴を漏らしていたといい、

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容疑者の男は「妻から『あなたの稼ぎが少ない』とののしられたのでやった」と、供述しているということです。

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各国で相次ぐ家庭内暴力。

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これをうけ国連も、都市封鎖をしている国での家庭内暴力が世界的に増加しているとする、報告書を提出。対応の必要性を訴えました。

コロナ不安が生み出すストレスが原因と思われる、攻撃的な言動。人々の心に何が起きているのでしょう?社会心理学者の加藤諦三さんは・・・

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社会心理学者 加藤諦三・早大名誉教授 「日常生活の中では、怒りは無意識の方に追いやってそれで普通の顔をして生活をしているが、こういう事態になってきて、本当にささいなことでもって、怒りとか、敵意に火がついてしまう。、相手を攻撃する、差別・偏見という社会問題が、今まで以上に深刻化してしまう。」

エスカレートする、コロナ不安。例えば、オーストラリアでは、

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オーストラリア・トイレットペーパーを巡ってケンカする女性「離してよ、離して」

トイレットペーパーを巡って衝突。            
エスカレートした不安がもたらす、暴力的言動は、日本でも・・・

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学生らの集団感染が判明した京都産業大学。
先月上旬、ヨーロッパ旅行に行った学生らから感染が広がりました。

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ネット上には誹謗中傷が並び、大学には「火をつける」「感染した学生の住所を教えろ」と言った内容の電話やメールが寄せられたのです。

さらに・・・

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郡山開成学園・関口修理事長「制服を着ている高校生に向かって大人が指さして『コロナコロナ』というような言葉を発する。学生・生徒全体に被害が及んでいる」

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先月、教授の感染が確認された郡山女子大学。嫌がらせは、附属高校の生徒にまで及びました。

また、最前線で疲弊する医療関係者にも・・・

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病院の関係者「看護師、医療関係者の子どもは登園しないでほしい、卒園式も、お断りと。濃厚接触者ではないということでおかしいやろと。やっぱりそういう目で見られているのはつらいということで、体育館の外の窓から(卒園式を)見たという保護者が何人かいます」

不安から逃れたい気持ちが、不安の原因ではない相手にむけられ、エスカレートしてしまう、人の心のありよう。加藤さんは・・・

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社会心理学者 加藤諦三・早大名誉教授「不安は常に人を分ける。相手が悪いんだと、責任転嫁している人というのは消極的な解決。積極的な解決というのは、まず不幸を受け入れて、その上で、この困難からなにを学んだらいいのか?っていう発想にならないといけない。困難な時というのは、自分自身を知る機会でもあるんですよね」

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