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TBSドキュメンタリー映画祭2024舞台挨拶レポート3/29(金)~31(日)@福岡

ついに3月29日(金)より、福岡のキノシネマ天神でも開催がスタート!
開催初日から3月31日(日)までの3日間では、『BORDER 戦場記者×イスラム国』、『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』、『リリアンの揺りかご』、『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』、『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』『方舟にのって ~イエスの方舟45年目の真実~』の6作品の舞台挨拶を実施しました。その模様をお届けします!


○舞台挨拶レポート3月29日(金)

①『BORDER 戦場記者×イスラム国』

【登壇者】監督:須賀川拓

福岡市内は前日の雨から打って変わって春を思わせるさわやかな天気で、東京に続いて舞台挨拶に立った須賀川監督が「こんな明るい日にこんな暗い映画を見に来てくださってありがとうございました」と冒頭に話すとお客さんからは笑いが起きました。さらに、「“イスラム国”の一番の犠牲者はイスラム教徒なんです」、と映画にも描かれている“イスラム国”が行ってきた蛮行が本来のイスラム教の教義とは全く違うことを強調しました。お客さんのなかにはTBSテレビ「クレイジー・ジャーニー」のファンも多く、最後の質疑では「これからも命だけは落とさないようにがんばってください」という励ましの言葉が監督にかけられました。

②『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』

【登壇者】ゲスト:佐藤宣子(九州大教授)

舞台挨拶にゲストとして登壇したのは九州の農山村でフィールドワークをしながら、持続的な森林管理のあり方を研究してきた九州大の佐藤宣子教授。取材される側として本作にも登場した佐藤教授ですが、本作を見たのはこの日が初めてということで「映像にすると訴える力がすごいと思った。バランス良く今の森林問題を伝えていた」と評価しました。また、本作でも紹介されている「自伐型林業」については「私も自伐型林業を推しているが、それだけが解決策ではない。選択肢がなくなることはとても危険」と担い手や方法が多様であることが大切だと強調しました。最近では林業に関心をもつ若い人たちも増えているということで、「以前は『農業と林業』の副業が多かったが、最近は『ITと林業』や『スポーツインストラクターと林業』など働き方も多様になっている」と意外な現状も教えてくれました。最後に私たち1人1人ができることとして、「自分が使っている物がどこからきているか、自分が住んでいる場所がどの森や水とつながっているかを意識してほしい。自分がいる場所がどう成り立っているかを知ることが大切」と呼びかけました。 

○舞台挨拶レポート3月30日(土)

①『リリアンの揺りかご』

【登壇者】監督:神戸金史監督 【ゲスト】ジャーナリスト 臼井賢一郎氏(KBC解説委員長)

神戸監督はRKB毎日放送のジャーナリストであるとともに、障害を持つ息子の父親でもあります。作品では相模原事件について描き、さらにはヘイトスピーチや、去年9月1日の関東大震災100年をめぐる混乱など、「不寛容」をキーワードに現代社会の問題が監督の視点で描かれています。今回、登壇トークの中では、「主観的に取材に動いていく自分を客観的にみて作品にしていくことにチャレンジした。放送局のつくるドキュメンタリーに今後も是非期待していただきたい」とコメントしました。今回は、系列の枠を越えてKBC九州朝日放送 臼井賢一郎解説委員長も登壇し、「ドキュメンタリーはニュースの続きであり帰結である。この神戸監督の問題提起作品は、長年の取材の賜物。例えるなら、ジェットコースターのピークのようなものが沢山ある、深い内容である」と話されました。 

②『カラフルダイヤモンド〜君と僕のドリーム~』

【登壇者】監督:津村有紀、【ゲスト】小辻庵(こつじいおり/カラフルダイヤモンド)

舞台挨拶には、カラフルダイヤモンドの福岡出身メンバー小辻庵さん津村有紀監督が登壇。地元の多くのファンや仲間たちが詰めかけ、感極まった小辻さんは「こんなにも地元福岡に多くの人たちが集まってくださり感激です、頑張っているとこんな映画になれるんだよ!とみんなに言いたいです。ありがとうございます」と語りました。
福岡の舞台挨拶の際は明太子を買って欲しいと小辻さんから言われていた津村監督は、劇場までの道に迷って買いそびれてしまったと謝ると、小辻さんは「この後買いにいけますよ!(笑)」と返して、場内は明るい笑いに包まれていました。

○舞台挨拶レポート3月31日(日)

①『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』

【登壇者】監督:大村由紀子 【ゲスト】梅本遼 さん(出演者)、千鶴さん(出演者)

出演者の遼さんは、最近撮った映像を中心に映画を作るのかと思っていたが、こんな映像を撮っていたのかと思うような昔の映像も沢山使われていたことが驚きだったと語りました。また、大村監督は、25年に渡ってRKB報道部で取材を続けてきた記者達がタスキを渡しながら続けてきたからこそ完成に至ったと語りました。遼さんの母、千鶴さんは、来て下さったお客様に涙ながらに感謝の想いを伝えました。    

②『方舟にのって ~イエスの方舟45年目の真実~』

【登壇者】 監督:佐井大紀 【ゲスト】千石まさ子さん(出演者)、千石恵さん(出演者)、千石成美さん(出演者)

満席で熱気に包まれた劇場に佐井大紀監督と、出演者のイエスの方舟の千石まさ子さん、恵さん、成美さんが登壇。千石さん達は、「佐井監督が中立な立場で自分たちのありのままを撮ってくれたことは、嬉しいです。この映画をご覧になった方が観た方ご自身の捉え方で、『イエスの方舟』のあり方を理解してくれれば嬉しい」と語りました。また、佐井監督は、千石さん達が自分たちの生き方を貫いていて力強さや逞しさを感じていたことを明かしました。


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