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TBSドキュメンタリー映画祭2024舞台挨拶レポート3/23(土)、24(日)@名古屋

ついに3月22日(金)より、名古屋のセンチュリーシネマでも開催がスタート!3月22日(金)〜24日(日)の3日間で『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』、『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』、『私の家族』の舞台挨拶を実施。作品の監督や出演者が登壇し、満席続出の大盛況となった舞台挨拶のレポートをお届けします!


○舞台挨拶レポート3月22日(金)

①『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』

【登壇者】監督:柳瀬晴貴 ゲスト:棈松怜音(出演者)

自分の意志とは関係なく身体を動かしたり、声を出してしまう病気・トゥレット症に悩まされている人たちのリアルな姿を追った作品『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』。舞台挨拶では柳瀬監督がMCを担当し、トゥレット症当事者である棈松氏に撮影当時の感情や自身の体験談について、話を聞く形で進行していきました。
本作の印象的なシーンとして、音声チックが出てしまい街行く人たちから心無い視線や反応を向けられ、棈松氏が抑えていた感情を露わにし、ケンカに発展しそうになったシーンについて、柳瀬監督からその時の感情を聞かれた棈松氏は「視線の多さには普段から慣れてはいるんですが、重なりすぎるとキャパオーバーしてしまって、イライラした感情が前に出てしまうことがあります。(そのシーンは)そんなタイミングで。よけるスペースもないのにわざとぶつかって来た人に向かって、感情を爆発させてしまった。トゥレット症の人が外に出るというのは、それくらい強い気持ちを持たないと難しい。そういうリアルな部分が伝わってくれればと思います」と答え、それを聞いた来場者からは深くうなづいたり、共感を示す声があがりました。
 柳瀬監督は本作の意義について「トゥレット症は原因がわかっていない謎の多い病気。確固たる治療方法がない中で、必要なのは周りの理解だと思っています」と理解周知が広まってくれることだと答え、そんな中で「嬉しかったのは、自治体からトゥレット症の授業をしてほしいと棈松さんに依頼があった際、『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』のような授業を子どもたちにしてほしいと正式に依頼があったことです。番組を通してトゥレット症というものが広がっていることを実感出来ました」と笑顔で話し、舞台挨拶をしめました。

②『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』

【登壇者】監督:津村有紀
ゲスト:古川流唯、中下雄貴、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空

カラフルダイヤモンドの本拠地でもある名古屋での初上映。登壇したメンバーもそれぞれ気合が入っており、一番最初に挨拶した古川さんは「僕たちの拠点でもある名古屋での上映が始まり、とても嬉しく思っております!」と気合十分。リーダーの國村さんも「メンバーも少し緊張気味なんですけれど、ホームの名古屋の温かさに身を任せて、僕たちらしく舞台挨拶できればと思っておりますので、よろしくお願いします!」とファンに向けて笑顔を送りました。加藤さんは「今日の上映を観るために名古屋以外の場所からも来た方もいると思います!ぜひ名古屋を楽しんでいってくださいね!」と名古屋のアピールも欠かしませんでした。
 本作で初めて密着取材を受けることとなったカラフルダイヤモンド。「密着取材が入ることを聞いた瞬間のリアクションを再現してください。では内海さん」というMCのムチャ振りに「俺ですか!?」と困惑しながらも内海さんは当時の状況を「『映画をやります!』と大々的に知らされたのではなく、『明日のスケジュールを送ります』と、いつものようにスケジュールの連絡がきまして、そこに「映画撮影」って書いてあったんですね。『え、なんの映画? 誰か何か出るんかな』と思っていたら、詳細が送られてきて『カラフルダイヤモンドのドキュメンタリー映画をやります』と書いてあって。ちょうどそのときの場所も場所でうぉおおお!と盛り上がれるような場所でもなくて、みんなで唖然としながらコソコソ「え、これなに?」「これ、本当?」「え、連絡来た?」と静かに喜んでいました(笑)」と振り返り、 「なので再現するのであれば、『え……?(キョロキョロ)』。こうなります(笑)」とその時のリアクションを再現してみせ、高垣さんはそのときの気持ちを「え、こんな平民な僕たちで70分も保つ?」と自虐なコメントを口にし、会場のファンを笑わせました。

本作ではメンバーにとっても意外なことを知ることができる機会になったようで、中下さんは「僕は途中から加入したメンバーなので、僕が入る前の活動など、知らなかったことをたくさん知れました。個人的には流唯くん(古川)と二人で話し合う場面で、僕の見ていない世界を見ていたり、僕の知らないことを知っていたり、流唯くんの新しい一面を知ることができたのは、すごくよかった。ぜひ皆さんにもその場面に注目してほしいです」と語りました。

設楽さんは、この映画でないと見られない貴重なシーンとして「メンバーの弱音とか、挫折が見られるのはこの映画ならではだと思いました。今のカラフルダイヤモンドのキラキラアイドル感とは逆の面を含め、まるごとカラフルダイヤモンドを観ていただければなと思います!」と劇中歌として使用されている新曲『まるごとJELLY BE∀NS』にかけたコメントを寄せました。
 
 最後に劇場に集まったファンに向けて内海さんは「僕たちカラフルダイヤモンドは常に全力で取り組んだものをお届けしています。この映画祭は“本気の人間は、面白い”をテーマとしています。この映画をまた観に来ていただいて、本気の僕らを見て、皆さんの明日頑張る糧にしていただければなと思います!」と語り、高垣さんは「名古屋の片隅でもがいていた、小さな存在だった僕たちを映画にしてくれたことに感謝しています。映画を見て、カラフルダイヤモンドの悩む姿を見て『同じ人間なんだな』と感じてもらって、頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいです」と答えました。

○舞台挨拶レポート3月23日(土)

①『私の家族』

【登壇者】監督:久保田智子 ゲスト:奥田初恵(名古屋市里親会こどもピース代表理事)

2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、元TBSアナウンサー・久保田智子監督自身の家族に迫る『私の家族』。舞台挨拶当日は満席でした。
久保田監督をMCに、名古屋市里親会こどもピース代表理事の奥田初恵氏と養子縁組したお子さんを迎えている当事者としての話、家族の話を繰り広げました。
久保田監督は「本作は『真実告知』、つまりルーツについて早い段階から話をするということを一つのテーマにしました。基本的にはどの養子縁組をした家庭でも早い段階から真実告知しようとされています」と話します。ただ現在は自身のお子さんに対して積極的に真実告知をしないようにしているそうで、その理由は「『産みの母』という言葉への反応が、あまりそれを聞きたくないというリアクションに見えて、相談員の方と相談をして今は積極的に言うのはやめて、本人が聞きたくなったり会話の中でいえる時があれば言うようにしようとなった」と、一方的に真実告知をするのではなく、子どもの様子を見ながら伝える、伝えない、どう伝えるか選択をすると語りました。特別養子縁組で家族となった12歳の長男がいる奥田氏は「私の場合は、長男は乳児院にいたので、誕生日などの節目の時には乳児院にいたんだよ、と段階的に話をしていって、こちらから言うというより、長男から出会ったときの話を聞いてくることが少しずつ増えてきて、私が答える形になっています」と自身の体験を伝えました。久保田監督は「おそらく奥田さんの家族の中では何を聞いても大丈夫だという子どもの信頼感が強くあるからこそ、そういった関係性になれているんだと思うんですね。私もそういう風に子どもを育てていくことができればいいなと思います」と奥田氏の経験から感じたことを話しました。
 奥田氏は当事者同士が支え合うという活動をしており、特別養子縁組や里親に興味を持っている方からよく『血のつながりがないのにきちんと育てていけるか』という質問をされると言います。奥田氏は「主人と結婚して家族になったということを考えると、そこに血縁がなくても家族が築けるので、子どもを迎えいれることもそれと同じように考えています」と自身がどう考えているかを話し、久保田監督は「不安が生じる理由は、見えないものに対する不安なのかなと思っています。自分で産んで育てるのであれば見えているのでなんとなく理解できるけど、血のつながりがない家族というのはあまり見えてこないのでどんどん不安になり、『血のつながりがないのに…』という質問に繋がっていくのかな」と質問の理由を解説。それに対し奥田氏も同意するよううなづいていました。
舞台挨拶の後は久保田監督のサイン会を実施。共感された多くの来場者一人一人と笑顔で交流している様子が印象的でした。

②『僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』

【登壇者】監督:柳瀬晴貴 ゲスト:棈松怜音(出演者)

2日目の上映はトゥレット症の方も気軽にご覧いただけるよう声出し上映を実施しました。
舞台挨拶では柳瀬監督がMCを担当。取材を受ける前と後で社会は変わったと思うかという質問に棈松氏は「とても変わったと実感してます。昔はマネされたり罵声を浴びせられることも多かったですが、目に見えて社会からの反応が変わりました。マネしてくる人も減り、逆に応援してるよだとか、若い子たちからTikTokで見ましたと声をかけられることもあるくらい」と実感を伝えました。取材を受ける前までは「配達先のエントランスで夫婦の方とすれ違うんですけど、男性の方から『お前うるせえな』と言われ、いつものように『僕はチックという病気で声が出てしまうんです。すみません』と伝えたら『きもちわりいな。病気なら治療しろよ』と言われてしまったんですね。僕が悔しかったのは言われたこともそうですけど、それを女性の方も一緒に横で笑っていたことも悔しくて。なんでこんな不条理なことをする人たちがいるんだろうと感じて、世の中を変えていきたいなと強く思いましたね」とつらい経験を語りました。だからこそ「僕が目指しているのは、トゥレット症を理解して優しくしてほしいのではなく、まずはトゥレット症を知ってもらいたい」と自分の目標を見つけたのだと話しました。
障害や病気との付き合い方について柳瀬監督から「棈松さんはSNSでトゥレット症あるあるとか、トゥレット症ならではのおもしろエピソードを紹介されているのが印象的です」と話すと、棈松氏の場合は「障害を笑ってはいけない風潮が世の中にはあるんですけど、トゥレット症は面白くてユニークな病気だよねって立ち位置に持っていくのが社会との共存に近いと思っているので、トゥレット症を持っていたがゆえに面白かった話をシェアしてますね」とSNSでの発信を行っている理由を話しました。「例えば、以前とび職をしていたんですが、ビルの上に資材を運ぶためにクレーンを使うんですね。でもクレーンの操作をしている人からは上が見えないので、上からオペレーターが無線で上げ下げを指示するんですけど、その横にいた僕が『やばいよやばいよ』と音声チックを出してしまい、混乱させてしまったことがありましたね(笑)」とSNSで紹介したエピソードを披露し、来場者たちを笑わせました。
作中では棈松氏が夢を語るシーンがあります。「トゥレット症の方でも普通に飲食できて、自由にみんなと同じ経験をすることのできる飲食店を出店したいと考えています。そこでは声を出してもいいし、何をしてもいい。職業体験の一環として働けもする。そんな社会的に意義のあることをしたいと考えています」
考えたお店の名前は『絶叫居酒屋あいよ』。自身の特徴的な音声チック「あいよ」を使ったお店を出すことが夢だと改めて来場者の方にシェアするように話しました。
舞台挨拶後には柳瀬監督と棈松氏によるサイン会を実施。小さな子どもも上映を見に来ており、トゥレット症の認知がますます広まりつつあることが感じられる回となりました。

③『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』

【登壇者】監督:津村有紀
ゲスト:古川流唯、中下雄貴、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空

3月23日(土)当日は雨。それでも多くのファンが来場し、にぎやかな名古屋上映2日目となりました。
作中で様々な自分たちの素顔を見せていることについて、岡さんは「感情をもろに出している姿を皆さんに見ていただくのは少し恥ずかしいけれど、さらけ出してこそ、先に進めるなと思っているので、すごくいいことだったと思います」と真剣に語っていたかと思えば、「でも、そんな風にみんなが真剣な表情になる瞬間、いつもだいたい内海の口が開いてるのが気になりましたね(笑)」と急カーブでのツッコミに内海さんは「ええ!?」と困惑。会場も真剣な空気から一気に柔らかい空気になり、来場したファンたちも笑顔に。國村さんからは「作中で行われた対談では、素の中にある、より奥の僕たちの本当の姿を見てもらえると思います。みんなの前では言わないような弱音だったり、マイナスな発言だったりも話していて、そういうところも知っていただくことによってカラフルダイヤモンドともっと一緒に走りたい!と思ってもらえたら嬉しいです」と語りました。それを受けて関さんは「『私の応援してる人たち、辞めたいとか思ってたの?』って不安にさせちゃうんじゃないかなと思って、マイナスな発言はなかなかできないですよね。でも、作品を作るにあたって本音で話そうと賢くん(設楽)との対談ではたくさん本音を話しました。普段から一人一人のメンバーとは深い話をするんですよね。だから、もしまたこういった機会があるならそういった場面もどんどん出していきたいです」と、もっとファンの方たちに自分たちの本当の姿を知ってもらえる機会を広げていきたいと思いを語りました。

そして次に、カラフルダイヤモンドが映画化されるならどんな映画がいいか妄想してみようという質問が投げかけられると、中下さんは「スポーツの弱小クラブがだんだん結束していって、全国大会に出場するみたいな学園ものがやってみたい!野球部設定で主人公は賢(設楽)で、僕は不良役で最初は入部を拒んでいるんだけど、だんだん友情が芽生えていって……みたいな(笑)」と回答。永遠さんは「僕はヒーローが大好きなので、戦隊ものがやりたいですね!11人戦隊で!センターはもちろん俺!」と勢いよく話し、会場を盛り上げました。
 一方、MCが高垣さんに話を振ると「津村監督の前でこんな映画作りたいとか言えないですよ…」とあざとさ全開のコメント。メンバーからは「じゃあ大丈夫!」と総ツッコミが入り、高垣さんは仕方ないという様子を見せながら、「じゃあ、カラフルダイヤモンドのドキュメンタリーで、めっちゃ頑張って東京ドーム公演が開催されるところまで行くんだけど、全部夢オチ」と話し、会場は笑いの渦に包まれました。MCから小辻さんに話が振られると「夢見荘(メンバーが共同生活を送る寮)でBLもの」と妄想を広げ回答。会場からは黄色い声が上がるも、「庵(小辻)がメンバーとチューしたいだけだろ」とメンバーからツッコミが!「あえて挙げるとしたら誰とチューしたいか」という質問には「青空(加藤)!」と即答。会場が揺れるほどの爆笑が巻き起こり、津村監督も乗り気の様子を見せ、さらに笑いを誘いました。
 舞台挨拶の前半では真剣な姿を、後半では楽しい姿を見せ、来場したファンたちも満足げな様子でした。

○舞台挨拶レポート3月24日(日)

『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』

【登壇者】監督:津村有紀 ゲスト:古川流唯、中下雄貴、岡大和、小辻庵、永遠

3日目2回目の上映では、津村監督、カラフルダイヤモンドの6名も観客席で一緒に作品を鑑賞しました。
上映後は観客席からそのまま舞台上へ。ファンからの反響について触れ、永遠さんは「作中のインタビューで、アイドルとは?という質問に答える場面があったんですが、ファンの方がそれを観て、『永遠くんにとってのアイドルがどういったものなのかはじめて知れた』という声をいただいた時はとても嬉しかったです」とドキュメンタリーという形だったからこそ思いがファンに伝わったのだと語りました。
 作中では、レコード大賞新人賞を目標に突き進むカラフルダイヤモンドの姿が描かれ、そこで次にめざす目標は何かという話題へ。小辻さんから「スタンディングオベーションを浴びたい」と目標というよりも願望を口にするとファンに「入場し直すから、スタンディングオベーションしてもらってもいいですか?」とお願いし、ファンの協力を得てこれを実現。ファンからの熱いスタンディングオベーションを浴びながら入場し直し、立ち位置に付くと、この日東京の別の仕事で不在のチームカラフル(内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、関優樹、加藤青空)をいじるように「やっぱりチームダイヤモンドは違うなあ」としみじみと語り、ファンの笑いを誘いました。

あらためてグループとしての目標を「次は武道館で、舞台袖から舞台へ出ていくシーンを撮ってもらって、ドキュメンタリー映画にしてもらおうよ!」と永遠さんが語ると、「レコード大賞新人賞をとった人たちと同じ舞台に立ち、先輩たちがやってきたガイシホールでの単独ライブをして、結果を出していき、レコード大賞新人賞をとった人たちや先輩たちに並び超える面白いグループになろうと以前からメンバーで話し合って目標として掲げているので、これからも応援をよろしくお願いいたします!」と全員でこの日不在だったメンバーの分も力強く目標を語りました。
舞台挨拶の最後の挨拶で津村監督は「映画チラシのメインビジュアルを撮ってくださったフォトグラファーのサトウジュンさんが夫婦で劇場に来て観てくださったんですが、この作品を観て自分も頑張って行こうと思えたとメールをいただきました。こんな風にカラフルダイヤモンドを起点に色んな化学反応が起きてくるといいなと思いますので、これからもよろしくお願いいたします」とカラフルダイヤモンドのファンに向けてメッセージを送り、3日間にわたる舞台挨拶をしめました。

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