香鳴ハノンさんに学ぶファンサービスの在り方

Vtuberはファンとの距離が近い存在です。アイドル的な一面を持ちながら、配信や、TwitterなどのSNSと直接繋がることができる場所が多くあり、まるで友達のように接することができます。

ただ、その距離の近さが災いして、ときにVtuberさんを悩ませることもあります。配信のコメントを拾う頻度、Twitterでリプライを送る頻度などにどうしても差が生まれてしまったり、または本来差がないにも関わらず、ファン側が自分以外の人を優先していると勘違いしてしまうというのがその最たる例ですね。

中にはそんなファンとの距離感に悩んでしまって活動を休止してしまったり、最悪の場合引退してしまう方もいます。それだけ、Vtuberとファンの関係性は難しいものであると言えるでしょう。

そこで今回は、個人的にファンサービスがとても上手で、推しているみんなのことを満足させていると感じるVtuber、香鳴かなるハノンさんのやり方について書いていきたいと思います。もしかしたら、現在進行形で悩んでいるVtuberさんの参考になるかもしれません。

ただし、これはあくまで最近推し始めた新参ハノモニ(香鳴ハノンさんのファンネーム)による目線での話です。きっと、初期から推している方々からすると感じることも変わってくると思いますがご容赦ください。

基本はいいね!

まず香鳴ハノンさんのファンサービスの原点である“いいね”について。香鳴ハノンさん、というよりこれはパレプロ全体で共有された約束事なのかもしれませんが、基本的にTwitterにおけるファンからのリプライなどへの反応は“いいね”のみ。さらにリプライを返すことはありません。これが凄くいいと思います。

個人的に“いいね”は丁度いいラインの対応であると感じていて、ファンにとってみれば何もないよりもちゃんと読んでくれているという感覚を持てますし、Vtuberさんにとってもリプライを返すよりも時間をとられません。ベタベタしすぎることなく、お互いに気持ちよく完結すると思います。

これが、例えばリプライを絶対返すようにしていた場合だと、万が一Twitterを見ることもできないくらいに忙しかったりしたら、「なんで今日はリプライを返してくれないんだ」という不満の種にもなり得ます。また、誰もがツイートした直後にリプライを送るわけではなく、時間差で送る方もいるので、どのくらいのものまで反応するかという線引きも難しいです。結果的にリプライをもらえた方ともらえなかった方が出てきて、「対応に差がある」と感じることになるかもしれません。

その点、“いいね”は先ほども書いた通り時間をとられないため、Vtuberさん側からとってもいくらか気持ちが楽になると思います。リプライのように文量も意識しなくていいため、その点でもいいですね。

そしてこのことは、関係性を再認識させてくれる効果もあるかもしれません。香鳴ハノンさんはすごくフレンドリーな性格で、何をしても許容してくれるイメージがありますが、ここでしっかり線引きが出来ています。

あくまで「配信者」と「ファン」の関係であり、「友達」ではない。だから何でもできるわけではないし、何でも求めてはいけないということを意識させられます。“いいね”で対応することには、そういうメリットもあると言えますね。

個人Vtuberの方などは、特に距離感が近くなりすぎて、ファンが多くを求めすぎることもあるでしょう。それを予防する意味でも、しっかりと線引きをしておくことは重要です。

いいねに暖かさを与えるエゴサ力

“いいね”は丁度いいラインの対応ではありますが、どうしても機械的というか、事務的というか、そんな印象を受けることも事実です。実際がどうかはさておき、リプライで送られてきた文章を読むことなくハートマークを押していくこともできるわけですから。人によっては“いいね”だけでは冷たいと感じる方もいるかもしれません。

で、香鳴ハノンさんがそこをどのように解決しているかと言うと、とにかくエゴサすること。

香鳴ハノンさんの考え方としては、「自分のことを少しでも好きならハノモニさん」であり、ファン歴の長さや、メンバーシップに入っているかどうかなどに関係なく、みんながハノモニさんとして扱われます。それを裏付けるように、割とすぐに香鳴ハノンさんのTwitterにおける監視対象である“ハノモニさんリスト”にリストインされますし、「ハノンちゃん」「ハノン」など、エゴサワードを入れて呟けば、タグがついていなくてもほぼ全てに“いいね”が飛んできます。ときにはエゴサワードが入ってなくても“いいね”されることもあるほどです。

タグなしのツイートというのは、本来スルーされて当然のもの。それに対して“いいね”がくると、ファンからすると「しっかり自分を見てくれているんだな」と感じることができます。これによって“いいね”のみでのコミュニケーションであっても、そこに暖かみが加わることになります。このエゴサの徹底が他のVtuberさんとの違いかなと思います。

たとえ配信はお休みする日があったとしても、Twitterでの活動は休むことなく継続しており、その徹底ぶりは素晴らしいです。

根底にあるのは平等の精神

香鳴ハノンさんの根底にあるのは、ファンを選り好みすることなく平等に扱いたいという精神であると考えます。先ほども書いた通り、ファン歴の長さや、メンバーシップに入っているかどうかなどは関係なく、みんな等しく扱われます。香鳴ハノンさんのことを好きであれば、それに応えてくれるという印象です。

配信でもそれは同じです。香鳴ハノンさんの配信はメンバーシップに加入している方の割合が多く、一見、初見さんからするとちょっと入りにくいように感じます。ただ、それでも、メンバーではない方も思い切ってコメントをすれば普通に拾ってもらえますし、まるでずっと前からそこにいたかのようにスッと馴染むことができます。

ファンの方も初見さんを過剰にもてなすこともせず、かといってないがしろにすることもなく、自分たちと同じように1リスナーとして扱ってくれます。それが凄く気持ちいい。居心地の良い配信を作り出せているのは、香鳴ハノンさんの考え方がファンの方にも浸透しているからこそなのかなと感じますね。

また、内輪ネタを話す際に新規の方へ配慮することも意識している気がします。香鳴ハノンさんはPalette Projectパレットプロジェクトというバーチャルアイドルグループに所属しており、雑談でメンバー同士でのエピソードを話してくれることもあります。そのときに、自分が所属しているグループについてや、どのメンバーについて話しているのかなどを予め説明してくれることも多いです。

そのおかげで、まだPalette Projectパレットプロジェクトについて詳しくない方でも置いてけぼりになることなく話に入ることができ、楽しむことができるのです。

凄く細かいことかもしれませんが、新規の方に「アウェイ感」を感じさせないということは配信者にとって非常に重要なこと。そういった目立たない配慮も、香鳴ハノンさんから学べることの1つだと思います。

まとめ

今回は、香鳴ハノンさんのファンサービスの在り方について書いてきました。ポイントをまとめると

  • 「配信者」と「ファン」という線引きはしっかり

  • リプライではなく“いいね”が基本

  • その分エゴサを徹底して暖かさをプラス

  • 新規の方が置いてけぼりにならないように配慮する

といったところでしょうか。

基本的にファンのことは平等に扱うことを意識するのが重要なようです。その上で、新規の方にはしっかり配慮して、内輪ネタを話す際も「これくらいは知ってて当然だよね」というスタンスではなく、きっちり予備知識を説明していく。それも同じくらい重要です。

香鳴ハノンさんは、そういった部分においてバランス感覚が非常に優れていると感じます。昔からのファンと、新規の方と、どちらも楽しめる雰囲気作りは見事です。このバランス感覚が1年以上活動を続けてきたことで身についたものなのか、それとも元からある資質なのかは分かりませんが、Vtuberとして活動していく上で非常に有用なものであることは間違いないでしょう。

そして香鳴ハノンさんの考え方が間違っていないことは、数字の上でも証明されています。チャンネル登録者数は1万人達成間近であり、配信での同時接続も少しづつ伸びています。

一気にどーんと伸びることはありませんが、一歩ずつ着実に進んでおり、その歩みはしっかりと足跡を刻んでいます。それもまた、香鳴ハノンさんが表では目立たない部分でもファンのことを考えて活動し、「みんなが楽しめるように」と努力している効果です。地道な努力は短期間での成果は控えめですが、長期的に見れば、きちんと成果を示してくれるのです。

新人のVtuberさんには特に、香鳴ハノンさんの考え方を学んでほしいですね。全て同じようにというのは難しいかもしれませんが、参考になる点は多いと思います。また、ファンとの関係性に悩んでいるVtuberさんも、香鳴ハノンさん流のTwitter術などはかなり役に立つのではないでしょうか。

これから、香鳴ハノンさんはどんどん伸びていくと予想されます。新規の方も増えていくでしょう。ただ、その中でも、この考え方をずっと続けていく限り、新規の方も昔からのファンの方も楽しませる存在であり続けると思います。

ファンのことを第一に考えてくれて、ずっと推していて楽しいVtuber香鳴ハノンさん。ぜひ、皆さんも注目してください。

▲香鳴ハノンさんのチャンネル


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