テニプリのちょっとおかしいキャラソンを紹介する

突然だが、テニスの王子様という作品をご存知だろうか。

中学生の人間離れが頻繁に起こっているテニス漫画である。今は高校生も人間離れが進んでいる。

えらい人気で、アニメ化も複数回されている作品だ。今wikiを確認したところ、TVアニメ放送開始が2001年らしい。18年前？？？？？？
ちなみに連載開始は1999年。現在ジャンプSQで連載中の新テニが始まるまで若干期間が空いたようだが、それを踏まえてもなかなかに息が長い作品だ。

正味20年の連載、かつメディアミックスもあれこれされているので特筆すべきことがめちゃくちゃある。バレンタインに送られてくるチョコの数のえぐさやら、よくわからんけど出てきたTUBEっぽいキャラやら、メニコンコラボ漫画やら、ミュージカルやら。
私自身も中学の時テニミュにハマり、高校時代は日々通学路で友人とテニミュを開催しながら下校したものである。開催するな。

そんなテニプリにおいて、しばしば気になっていることがある。

キャラソン出しすぎじゃない？？？？？？？？

2018年時点で800タイトルを超えているらしい。毎年リリースが恒例となったカバー曲であるバレンタイン・キッスで少々水増しされているかもしれないが、それを差し引いても多すぎる。おまけにキャラによってはソロアルバムも出している。キャラによっては3枚出している奴もいるし、個人だけじゃなくユニットとして出してる奴もその両方もいる。

アイドルものアニメじゃないんだぞお前らは。

わかってるか？スポーツものだぞこれ。むしろソロでフルアルバム出してるアイドルものの方が少ないぞ。

勿論これはめちゃくちゃ多いキャラ数と、そこからグループを無限とも言えるほど組めること、アニメが始まって曲を出すようになってからかなり年月が経っていることにも起因している。それにしても多いだろ。流石は作者が作った歌の歌詞が最終回で載る漫画が原作というだけのことはある。 あるか？

だが、これだけ曲数があると当然かっこいい、あるいはかわいい、ノリが良いというだけの枠には収まらない、所謂ネタ曲も相当数ある。
今回は、個人的にちょっと様子がおかしいぞと思ったテニプリキャラソンを、少しだが紹介していきたい。

1. やれ！Do it!!（日吉若 ゲスト:宍戸亮）

長いテニプリの歴史において、比較的最近投下された狂気。
「日吉若、2年。アグレッシブベースライナー。」から始まり、「好きな言葉は下剋上だ」で終わる例のアレが、テニプリを主戦場とはしていないオタクにも比較的周知されていることだろう。そう、一応彼はプロフィール上は冷静沈着なのである。

そんな彼が2015年に満を持してソロアルバムを発売。アルバムには新曲も多数含まれており、収録曲リストにあったこの「やれ！Do it!!」のタイトルを見た私は、「下剋上目指して努力し続ける的な歌かな～」ぐらいにしか思っていなかった。ジャケット絵のどう見ても長すぎる指の方が不安で、それ以外は特に何も心配していなかった。完全に甘々の甘ちゃんである。

実際の内容は、「日吉が深夜の通販番組で衝動買いしたトレーニング器具で筋トレをしていたところ、限界を超えた辺りで自分の隣で同じように筋トレをしている宍戸の幻覚が見えだし、最終的にその幻覚宍戸と一緒にトレーニングをする」というものである。

何言ってんだ？？？？？？？？？？
書き出すと意味不明さが増す。しかし曲冒頭には台詞があり、通販番組の司会者がテレビ越しに日吉に話しかけてくる一幕があるため、幻覚諸々は疲れて寝落ちしてしまった日吉の見た夢であると解釈することもできる…が、それを差し引いても意味不明さで満ち溢れている。

曲中の日吉は、自分の腹筋が6つに割れていること、割れた腹筋にそれぞれ名前を付けていること、乳酸のことを乳さんと呼んでいることなどを教えてくれる。何？？？おまけに氷帝DANCEや激ダサDANCEとやらで凍らせてくる。冷静沈着とは何だったのか。
一応、日吉自身も自分の置かれた状況の意味不明さに困惑してはいた。

とは言え、曲としては普通に良い曲である。サビではなかなか良いことも言っている。初のアルバムでぶち込む新曲としてはかなり攻めているように思えるが、この曲以外の収録曲もなかなか電波成分が多めである。
日吉は以前にも、特技であるそろばんをフィーチャーした、曲調がネタ寄りの曲を歌っているのでとうとう振り切れた曲を出してきたというだけの話である。
ちなみにライブでは、中の人達が実際にエクササイズっぽい振り付けを踊りながら歌うし、他の氷帝メンバーも巻き込んでいる。

2.チャームポイントは泣きボクロ（跡部景吾）

前項で取り上げた日吉が、目下下剋上を目論んでいる相手である跡部。彼は10年以上前に伝説的なこの曲をリリースしていた。

サビ以外の歌詞は「初デートで彼女の機嫌を損ねてしまったり、思わぬ形でボロを出しそうで焦る跡部」という、あらゆる面が中学生離れした跡部の年相応な一面が垣間見える内容となっている。

が、サビではそれまでの流れをかなぐり捨てて、チャームポイントである泣きボクロのことしか歌わなくなる。というかこの曲はサビを曲頭に歌う構成なので、ド頭からトップスピードで泣きボクロのアピールをされる。

おまけにラスサビ前の間奏には跡部以外の氷帝メンバーそれぞれのセリフパートがあり、その部分のやり取りから「跡部がもはやキャラが違いすぎて見ていられないレベルでノリノリで歌い始めてしまったので、収集がつかなくなった」っぽいことが伺える。いいのかそれで。
終いには氷帝メンバーにATOBEコールを要求。渋々付き合っていたメンバーも次第にノってきたのかやけくそになったのか、最後には特大氷帝コールを叫ぶまでになり、ラスサビではアイドルのライブでコールするオタク宜しくﾌｯﾌｩﾌﾜﾌﾜしている。これが部員数200人以上のテニス部のトップにいる人達ですか。
ただ、歌うのもコールするのもめちゃくちゃ楽しいので、カラオケで盛り上がることは受け合いである。

ちなみに、やれ！Do it!!とは作詞者が同じである。

3.MEBACHIKO（忍足侑士）

氷帝おかしい人しかいないのかとか思っちゃダメ。

曲名はそのままメバチコと読む。メバチコとは麦粒腫のこと。麦粒腫が出来てしまったことを歌った曲である。頼むからテニスをしろ。
ちなみにこの曲は忍足侑士の声優を務める木内秀信氏が作詞作曲を担当している。

4. SO・BA・GA・RAだぜ!!（宍戸亮）

氷 帝 レ ギ ュ ラ ー か ら 逃 げ る な

やれ！Do it!!の宍戸は一応幻覚だが、この宍戸は本物である。諦めよう。
曲名である「SO・BA・GA・RAだぜ!!」は、新テニスの王子様のとあるエピソードにおいて枕投げをした際、宍戸が蕎麦殻の枕を投げながら発したセリフである。ただそれだけである。枕投げをしたという事実と、その一言のみから作られた曲である。意味がわからねえと思うが私も意味がわからない。

ちなみに、やれ！Do it!!とは作詞者が同じである。

5.メガネ☆セブン（メガネ☆セブン）

ユニット曲である。メンバーは手塚国光、木手永四郎、柳生比呂士、忍足侑士、金色小春、乾貞治という各校のメガネをかけたキャラに越前リョーマを加えたメンバーである。

新テニスの王子様にて、高校生に「そこのメガネ！」とだけ声を掛けられた際に、自分のことかと思ってメガネをかけた中学生キャラ全員が反応したというエピソードがあり、ユニットデビュー曲であるメガネ☆セブンの歌詞も「おい、そこのメガネ」というフレーズからはじまる。
メンバーの中ではリョーマだけ所謂メガネキャラではないが、先述の場面で他キャラのメガネ（原作では手塚の、アニメでは金色の）を掛けていたので、メンバーに加えられている。

元々は眼鏡'sという手塚、忍足侑士、乾からなるユニットがあり、このメガネ☆セブンは事実上の後継ユニットである。眼鏡'sの頃から作詞は忍足侑士の声優である木内秀信氏が担当している。

5.No muda life～エクスタシー侍のテーマ～（白石蔵ノ介）

いや、エクスタシー侍って何？？？？？

一応ファンブック内に元ネタがあるのだが、どう考えても様子がおかしいので紹介。ちなみに白石はわりと見た目通りのイケメンキャラではあるのだが、健康オタクだったり毒草の知識があったり、飼っているカブトムシについて歌った歌があったり、わりとおかしい人でもある。

6.俺の日本海（柳蓮二）

テニプリキャラソン史上初の演歌である。いくら和っぽいキャラと言えど、テニス部の中三男子に演歌を歌わせる作品って何？？？

歌詞の内容的には特段様子がおかしいわけではないが、これを出したことそのものがおかしい。

余談だが、歌っている柳が通っている立海大附属中は太平洋に面した神奈川県にあるとされており、日本海とはなんら関係がない。

7.青き炎（海堂薫）

海堂のソロアルバムに収録されている。かっこよさげな曲名だが、「試合にラケットを持っていくのを忘れたが試合相手も同じように忘れていて、何故か焼肉に行く曲」である。なので曲名の青き炎とは、焼肉の火のことである。

いや意味がわからんが？？？？？？？？

しかも散々食った癖に所持金が足りず、皿洗いをして足りない分を補う。何なんだ。

ひとまずこんなもんだろう。ネタなら鉄板ソングとかもそうだろうという声が聞こえてきそうだが、彼らはそもそもお笑いテニスを得意としており、キャラソンとしてはあるべき姿なので除外した。

勿論、普通にかっこいい曲も山ほどあるので、興味のある人は是非聞いてみて欲しい。

テニプリっていいな。