学生時代を振り返り、過去の私と向き合って見た話。

正月終わりのこの時期、
箱根駅伝のドキュメント?を
テレビで見かける。

何の気なしに見始めたが、
私よりはるかに年下の彼らが一生懸命
チームとして、ライバルとして、
切磋琢磨している。

「箱根駅伝」という1つの目標に向かって
泣いたり笑ったり
死に物狂いの努力をしている姿が

よれよれと帰宅して力尽き、
さっきまで床で寝落ちしてしまっていた
ぼんくらアラサーの私には
それはそれは眩しくて魅力的に見える。

彼らが若いからというだけでそう見えるのか?


いや、多分それは違くて
私は彼らと同じ年の頃からこのような人達が
羨ましく見えていた。

高校生のころ、
私が夢中になっていた(音楽)は、
心酔すればするほど、ライブをやればやるほど
大人に認められるものではなかった。

勉強が出来ないのに歌を歌っているあの子。
仕事にならないのに歌を歌っているあの子。
そんなに世の中甘くないのに
ずーっと歌を歌っているあの子。

大人だけでなくきっと、
周りの同級生ですら
私の事をそう思っていたと思う。

もちろん私が周りを黙らせるだけの実力と、
実績がなかったのは確かだ。

ただ、私はいつもいつも、
運動部の人たちが
私と同じくらい頭が良くなくても(失礼)

部活を頑張ってさえいれば
大人に褒められ、素晴らしいと評価され、
特別扱いされている事実に
納得がいかなかった。

アスリートだって
仕事になるか分かんないのに。
アスリートだって将来不安定なのに。

歌手になりたいのと、
スポーツ選手になりたいのと、
その差は一体なんだっていうんだ??


運動部が部活をしている間、
私は駅の地下道で歌っていた。

運動部が土日遠征に行っている間、
私は自分でチケットを売りライブに出ていた。

運動部が先生や監督、先輩に
ぺこぺこしている間、
私はお客さんや共演者
ライブハウスのスタッフにぺこぺこしていた。


これの一体
何が違うというんだ!?

この圧倒的な運動部の評価のされ方は
一体なんでなんだろうか!?!?


今思い出しただけで熱くなってしまうくらい
10代の私はそんな周りの状況に
本当に本当に疲弊していた。

学校からもらう進路の紙に
歌手になりたいと
恥ずかしくて書けなかった。

歌手になりたい私の話は
自分の親にすら響かなかった。

そんな周りの声に振り回された私は
うるせー!そんなのわかんねーだろ
ばかどもが!!!っと思ったのに、

結局自分の歌に自信も持てず
言われたまんま専門学生になり、

専門学校に入ってからは
ライブハウスに出ることすら
無くなってしまった。


薄れていく意欲とは裏腹に、
私は歌でしか人から褒められた事が
本当になかったし、歌以外の選択肢が
見当たらなかったため、

今考えると
保育士を辞めたいという理由付けの為だけに、
歌手になれるようにがんばるねー!
ってことで仕事をやめた。

そのあとは事務所のオーディションを受け
カモにされているのも気づかぬふりをして
高いレッスン料を払ってレッスンに通った。

しかも、その時の事務所の方向性で
歌手としてではなくタレントとして。

やりたい歌はきちんと学べず
演技にダンスにトークの隙間に
ボイストレーニングやるくらい。

ほかの俳優科や歌手科のレッスン生に
タレント科はどうせ腰掛けなんだろうと
いくレッスンいくレッスン冷たい目で見られ、
それは先生達の対応も一緒だった。

そりゃそーだ。
それ一本で食っていきたい生徒と、
タレントっていう響きの
何をしたいかわからない生徒なら、
それ一本の生徒を熱心に見るに決まってる。

お金がなく生活はままならず、
レッスンにいけばその調子、
バイト先でも反応は学校と同じだった。
「え?本気でそんなことやってんの?笑」

真剣に応援してくれる風の人は
たくさんいたけれど、きっと絶対この人達も
私の事をバカにしてるんだろうなあと
思うくらいにはやられていた。

皆さんすでにお気づきだろうが、
私は嫌になると
その環境に身を置くことを継続できない。

お父さんに出してもらった
高い入学金も無駄にし、私はレッスンに
行かなくなった。

「挫折したと思われたくない」

この一心から、適当な理由をつけて
やっぱり歌がやりたいから
自分でボイストレーニングにいくわあーって、
何か「やってる風の私」の演出を
つい、2年前まで続けた。


オーディションに行っても
業界人とかいう人が、もう感覚的に合わない。

どの人もその独特のオーラのようなものを
まとっていて、
(私のあった人達が偏っていただけかも
しれないし、まともな業界人?は
いっぱいいると思うけど。)

それに迎合出来ない自分に嫌気がさした。

「本当にやりたいことならそのくらい
我慢できるよね?
みんなはもっと努力してるよ?」

そんなのおめーに言われなくても
分かってんだよくそが!!って思いながらも、
こんな自分がとことんダメなやつに思えた。

一人暮らしをするために
朝から晩までバイトして
生活するだけでヘトヘト。

曲をつくる楽しさもなくて、
歌えば歌うほど分からなくなる。

もう完全に心がボッキリ折れていた。


「向いてない」

とっくの昔に分かっていたのだ。
自分で見ないようにしていた事実。

歌を歌えばいまだに褒めて頂ける事が多い。

ただ、それは、金を稼ぐ手段となるかは
全然別ものだ。

心が骨折したまま、
私はそのあと地元に戻り
なんとなーく結婚した。

東京で知り合った彼は
私と違って、毎日死に物狂いの
アスリートだった。

過去、スポーツだけずるいと思っていた自分は
彼に出会って少し考えが変わった。

「1位にならなきゃダメ。2位ならビリと一緒」
「どれだけいい試合をしても、負けは負け」

そんな事を言うこいつは、
とても極端な奴だなー。と思っていたけど、
たしかにスポーツはそういうものだ。

音楽には、これといった正解はない。

聴く人が好きか嫌いか。
正直、どんな事をやっても正解だし、
どんな事をやっても不正解。

ただ、スポーツは白と黒しかない。
勝ちと負け。それしかない。

ああ、そうか。

だから眩しくて、美しく見えるのか。

なんかの色々過去のモヤモヤが
すとんと落ちた気がした。

だけどわたしはやっぱり、
歌を歌ったり絵を描いたり演技をしたり
文をかいたりとかいう、学生で言うところの
文化部的な生徒達も、もっと光を浴びる機会を増やすべきだし、評価されていいと思う。

コンクールとか大会とかの前には
運動部みたいに壮行会があったって
べつにおかしな事じゃないのになあ。

私演劇部だったけど、大会あれば
何ヶ月も前から脚本、
小道具大道具、衣装にメイクに音響照明を

自分たちで準備するし、
練習だって毎日毎日やっていたし。

いや、いざ壮行会とかしてくれるってなったら
めっちゃ嫌だけど←


さて、これからの私は
どこへ向かえるだろうか。

いつも文の締め方がわからないけど。
そんな深夜でしたとさ。

めでたしめでたし。


おーすーしー!おすしーおすしーおすしー🍣!!