蒲田行進曲のこと
命題のヒロイン小夏を探せ!
前の記事に書いた通り、この旅は約1年続きました。
つかこうへい作品は基本的に当て書き(役者の個性に合わせて書かれた台詞)されています。
しかも活字に起こして創作するわけじゃなく、口立てという手法を使い稽古場で役者に実際に発語をさせながら創作しています。
小夏でいうと創られたのは約40年前、小夏を演じた根岸季衣さんの身体から発せられた台詞です。
しかも膨大な台詞量、、、
これを扱える女優がはたしているのか。
来る日も来る日も映画やドラマを見漁り、舞台にも足を運び、膨大なインタビュー動画を流してイヤホンで聞きながら移動する日々が続きました。
スケジュールが合わず断られた方、この役はうちの女優にはちょっと、、って方、そもそも門前払いされたり
もし見つからなかったら公演中止にして劇場支配人に土下座だなぁ、その時はもう演劇やめよう、、
そんな毎日を過ごす時に出会ったのが日比美思さんでした。
芝居の瞬発力、インタビュー動画での言葉選びの聡明さ、何より腹の中に秘めている爆弾。
そんな小夏との出会いは、作品が進むスピードを一気に上げてくれました。
稽古するぞ!!
そこからひたすら仲間と稽古場で過ごした時間は宝物なので、すみませんしまっておきます。
蒲田行進曲との出会いは実は10年前に企画として進んでいました。
当時は一座はなく、演出のこぐれさん主導の団体でした。
「蒲田やるぞ!」
の言葉でヤス役を演じた小谷けいと
あの蒲田やれるのか!と、心を踊らせていました。
「小夏はあの子に決まったぞ!」
と、連絡を受けた時
僕らも知っているスターさんと共演ができる!
夢を見ていました。
それから数日後
「蒲田な、、、やれなくなった」
なぜそうなりますか?
みんなに聞いたけど、問題が起きたらやれないのが企画です。
そこから自分に誓いました、蒲田やりたい!
あれから10年後に紀伊國屋ホールにて蒲田行進曲をやれたことに感謝しています。
1つのことを10年やれたら一人前になる
とは芸能を始める時に先輩にいただいた言葉
まだまだ1人前ではありませんが
願えば叶う
これからも色んな企画を企んでみたいなと思いますので、ふと、劇場に現れたらまたお会いしましょう。
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