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自動筆記12 ゼロポイントの魂崇拝

途方もない無気力で、それは発泡スチロールが柔らかくて擦れる音も高貴なくらいに異様で、どこからも、自我が迫ってくることに、もう焦ることもなく、有り余るほどの可能性を全部閉ざして愛さえあればよかったし、木になった。無気力と言葉にされた感覚は、どちらにせよ完璧なタイミングで完璧な姿でそこにあった。そのことさえ理解しているというクジラでの、無気力でもあった。抗えなかった、という敗北でも勝利でもあるような、実感が水草の増え方みたいに、いつの間にかそこに、だった。だから現状は木の皮のようなもので、知りたいことはすぐそばにあって、今が最上の悦びで、何に見透かされてるのか、暗い夜が感性で明るく見えた。当たり前のことが異様で、常識が錆みたいになり次第に剥がれ水面に浮かぶのを、当たり前だと眺めていたり、知ることもなかったり、寄せ集めて傘をさして、摂理が知りたい分だけ知れた。あるもの一つに集中して、そのほかは何も見えなかった。どんなものにもなれる選択肢の広がりを全て知っても、拘りはなかった。自然と満足感が増していく選択を選ぶでもなく進んでいて、どこにいても何をしててもゼロポイントエネルギーで、生きる世界を自在に変える事ができた。蟻が僕よりずっと大きく見えるあの頃が懐かしくて、その記憶も睡眠に変わった。

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