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9/28・29・30・10/1 果てしない朝

4日隙間隙間という感じになっちゃった。出来るだけ1日1本にしたいところ。文字少なくなっても、物語がなくなっても、あれだけど。

いつもよりも広く見える空が、浅くて優しい感性で、その説明のなさのうちで、しっとり胸骨の裏側のスクリーンに投影され、仲間内で、ラブリーな心となった。彼女の前の彼氏の写真がアルバムから出てきて、それがかなりイケメンで文化的な身なりで、求められる中でどんどんと隙間は出てきて、入り込むことは電車の窓から速さに伸ばされた植物のように優雅に、滑らかになっていく。小学生の頃のようなゆったりとした1日を過ごした、形のない雲のような意識が身体を経由して、また別の身体と経由して愛し合っている。金木犀の香りとステーキの姿を調和させれるような感性と線の引かない意識によって、透過された名前が雪見だいふくみたいな妖精になって、抱きしめてくる。僕は、モテモテな感覚を疑えないような事実として、地面から陽炎みたく登る愛の空気と、隔たりを作るものたちの視線、上空から身を乗り出して覗き込む無数の心臓たちとの奥行きのうちに捉える。前に彼女が言っていたピンク色の溜息の、その意味や感覚がわかるような溜息が出た。ユニコーンやわたがしが、扇を作るように口から伸びて、それぞれの生涯を始めているようだった。どの生涯も自分のもののように愛しく、物理的な距離を感じさせない何らかの通信で鮮明に個性を感じることができた。一生かけても手に入れられない差異に、美しさを感じた。そんな風に思ってる間に蚊に沢山刺された。家に帰ってお風呂に入る前、鏡の前で裸になって数えてみると、12箇所だった。くるくるしながら自分の身体を見ることが嬉しくて、痒さは痒さのまま嫌がられることなく静かに消えていった。浴室に入って、シャワーの蛇口を捻る。お湯を出そうと思ってるんだけどわざと冷水を出してひゃって言った。笑顔が鏡に映っている。次はさもいつも通りという風に、落ち着いて頭から冷水を被る。鏡に映る洗練された姿に、簡単だと笑う。僕は今すぐに何にでもなれる引き出しを持っている。刺激をイメージすることで反応は自由。どんなことも予想できて、例えば渾身の掻い潜りをされて産まれた予想外にさえ頭を撫でてあげるような柔らかさでいる。まるで永遠に生きることを受け入れているような余裕。僕は濡れたまま、浴室を出て、そのまま布団にダイブをする。普段ならしないような行動をいつも心掛けている。大きな生活の変化は、小さなずらしから始まる。そんなこんなで、僕は別の選択をした無数の自分を胸の中に飼っている。みんな今の僕を羨ましそうに見ているけれど、みんながあっての僕だってことを役割とか相対性とかって概念を通して知ってて、はははって高らかな笑い声を大地に根下ろすように出した。目を瞑ったら、まだ青空が自分の横たわった身体の上に広がっているのが見えて、夢と現実の境がなくなってるなあ、と思った。今体験していることを、そのまま受け止めた。そこには、1日が何億年と感じるスケールが、あった。まだ朝だった。

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