かたち

地平線に半分体を見せるようにして青い球体が球体ではないふうによそよそしく立ち現れてそれはまるで炙り出されているかのような申し訳なさをこめた日の光の粒であってどうにも心には届きそうもないと心許なく思っていたのだけど幸せは不意であってするりと大気から身を乗り出してぐるりと夜を回したし上も下もない空間にはころりとした寂しさが草露に寄り添っていてかわいいからギャルはどんなものをも寄せ付けない優しさでビルの冷たさによりそったのだしどうにもならないことはどんな方向にも振り切られるのだと思われて軽くなる日々は軽くなる日々で時間は遠くなりゆき時間は遠くなりゆきなりゆきのままになりゆきのままに酸素は回り続けているし山をなぞる虫たちが海との繋がりのうちに空を眺めてどうにも月は暖かくならざるを得ない風に光っているから仕上がりに仕上がっていてその仕上がりに仕上がらせる心の余地がない寂しさが草露の寄り添いであって目を上げたときの遥かさのうちに隙間のともないを憧れて歩くのは足であって続くのはまた足でそれを追いかけるのは足であってそれを愛おしく思うのも足であってどんなものにも見守られているから数えられるだけ数えているけど数なんて心に持っていないからそれはただの絶え間ない解放であって淀まない感触をたたえた指先は絶え間ない滑らかさであって探されている隙間は見て取れるだけの習わしを受け止めるゆえに閉じようとしていて閉められるうちに消えゆく光が命であった。

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