ハイスコアガール ダッシュ 1巻レビュー ネタバレあり
ハイスコアガール完結から2年、ついに続編である『ハイスコアガールダッシュ』の単行本が発売された。
タイトルが”2"ではなく”DASH"であることにニヤニヤしつつ、表紙に映る大人になった日高の姿に、嬉しくもどこか切ない気持ちになった。
2007年、日高はゲーマーではなくなっていた。
すでに28歳、いまだ結婚もせず母校で教師をしている、と言う現実的な状況に悲しい気持ちになった。
社会人になればゲームをする時間など無くなるのだろう、そんなことを考えると私自身大人になるのが嫌になった。
新キャラたちはどこか心に闇を抱えているような問題児が多い。
父子家庭の不良少女、両親を亡くした感情の無いイジメられっ子、引きこもりの息子を抱えるパワハラ校長、今登場人物を書き上げているだけで暗い気持ちになる。
子供の視点からゲームと青春をポップに描いていた前作に対し、大人の視点から日高を描いた今作がこんなにもダークで社会の問題を考えさせる作品になっていることに驚いた。
それと同時に、ミスミソウのような展開になったらどうしよう、と少し思ってしまったが、その心配は終盤の展開で少し払拭された。
終盤、日高が再びゲームセンターに出向き、豪鬼と再会を果たす。
前作を読んでいた人ならば、ここからの展開には胸が熱くなるだろう。
”あの時の情熱は私の中で根強く生きていた"
このセリフにハイスコアガールという作品で作者が伝えたかったことが詰まっていると私は思う。
読み終わった時、「俺の求めてたハイスコアガールだ!」と喜びのあまり涙が出そうになった。
素晴らしかった前作の続編と言うことで、かなり高いハードルではあったが、余裕で超えてきたな、と言うのが1巻の感想だ。
まとめ
子供の頃はゲーマーだったが、最近は時間がなくゲームから離れてしまっている社会人の方も多いだろう。
そんな人にこそ読んで欲しい作品がハイスコアガール、ハイスコアガールダッシュだ。
ここからどのような展開になっていくのか正直言って想像できないが、少しだけ描かれた彼女の現在、いまだ描かれない彼が今どこで何をしているのか、そして日高は幸せになれるのか、まだまだ気になることがたくさんある。
今年の9月に発売される2巻が待ち遠しい。
ハイスコアガール DASH 1巻 表紙 (ビッグガンガンコミックス) より引用
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