キルラ

キルラキル

『グレンラガン』のスタッフさん。
2013/10~2014/3放送

※ネタバレあります。

<あらすじ>

主人公の纏流子が意思を持ったセーラー服・鮮血を着て父の死の真相を探るため、生徒会長の鬼龍院皐月を目指す。
鬼龍院皐月が支配する本能寺学園では、極制服という特別な力を持った制服が支給され、生徒の一部は特別な力を持っている。
第三勢力のヌーディスト・ビーチが現れ、極制服や鮮血の謎が明らかになっていく。
黒幕がいることがわかり、流子、皐月、ヌーディスト・ビーチが共闘する。

<舞台設定>

日本で関東地方っぽいんだけど、学園および周囲の街は島。
橋でどこかとつながっているみたいだけど、船も使ってる。
日本が一回滅んでるのかと思ったら関西圏は普通の大阪や京都なので、どういうことかよくわからない。

<キャラクター>

判別はできるんだけど、名前が難しくて覚えられない。
名前がわからなくても、テーマカラーがあったり癖が強かったりするのでついていくことはできる。
分類すると「○○部の部長」「ヌーディスト・ビーチのみきしん、あるいは小西さん」「四天王の青・緑・ピンク・黄色」みたいな感じ。
あとは、流子・皐月・マコがわかれば「流子の父」「マコの弟」「皐月の母の側近」とかでなんとかなる。
半年しか放送してないのに、キャラクターが多すぎる。
個人的には色と声優さんで覚えてる部分がわりと大きかったので、マンガになったらついていける気がしない。

<分解>

構造的にはわかりやすい。

①主人公には目的があり、その達成のためにラスボスを目指して戦っている。主人公には協力者があり、舞台設定などを教えてくれる。
②主人公とラスボス両方と違う思想の第三勢力が出てくる。
③ストーリーが進むにつれ、黒幕がいることが発覚する。
④黒幕を倒すために三つの勢力が共闘する。
⑤最後はみんなの力をひとつに集めてスーパーアイテムを作り、主人公と黒幕が一対一の勝負をする

「実は黒幕がいる」っていうのはベタベタなんだけど、いつの時代も有効。
それで物語が一段深いところに行くし、それまでに張ってた伏線が一気に回収できる
キルラキルの場合は生命繊維とは何か、鮮血は何故意思を持っているのかに理由がつく。
敵との共闘、それまで出てきたキャラが最後終結する様式美。
アニメやマンガだといいけど、小説で最後終結されても扱いきれないから難しい。

小説にするなら、

①順番に出す、あるいは離脱させるような工夫(仲間が集まるんだけどここは俺に任せて先に行け! って一人ずつ消えていくような)
②一か所に集結しなくても、離れたところから援護する(ドラゴンボールの元気玉的な)

バージョン②は場面も視点もバンバン変わるだろうから、読みにくい気がする。
あれはマンガならではの表現なのでは……?
そこまでに上手くエピソードを積ればいけるのかな?

<設定>

人類が進化したのではなく、生命繊維が家畜のように人類を進化させて服を着せたという設定はとても面白い。
ある種の陰謀説。
陰謀説と書いてしまうとさらっとしたものなんだけど、それをうまくひねっているのがキルラキルのすごいところだと思う。
RPGで言うと魔法の剣や杖は攻撃力や魔力が上がるんだけど、服って防御力が上がるだけなんだよね。
服では攻撃しないという思い込みに近いものを打破しに来ている。
発想がすごい。

それをあえて制服でやるのもよかった。
制服を着る=学生=学園もの……の流れでわざわざ説明しなくてもカットできてる部分がある。
これが謎の組織になると、組織構造から説明して四天王とは何かを説明して各部の説明があって……となっていって煩雑すぎる。
学園にすることで生徒会長、生徒会四天王、各部の説明を一気に端折った。
うまい。

セーラー服はいつか脱がなきゃいけないという前提があるから、鮮血がいなくなることに理由がつく。
かつ、それを鮮血が言う。
丁寧。
他の展開雑なのに。

卒暁式の字のうまさに感動した。

<感想>

キャラ多いし展開早いし、視聴者をついてこさせる気が全然ない。
設定がかなり考えられているから、最初は構想段階では一年放送だったんじゃないかと思ってた。
全部観たら、初めから半年スケジュールだったことがわかった。
総集編らしきもので鮮血が「展開が早いのがキルラキル。総集編もすぐ終わる」って言うから、あ、はい、ってなった。

キャラの名前がちょいちょい画面に表示されるんだけど、それは難しいから表示しているんだろうか。
それとも、表示したときにインパクトがあるような名前をつけたかったんだろうか。
意図が読めない。

ダンガンロンパのバターのネタを仕込んできている辺りで、だいぶ厳しく視聴者層を絞っていることがうかがえる。
テニス部回でエースをねらえネタもあったけど、あれは一般常識的な何かだから。
絞り込んだごく一部にだけ受ければいいとなると、ああなるのか……。
好きそうな人間に向けて発信してるわけだから、好き放題はできる。
そして恐らく円盤を買う層である。

頭いいなあ。

個人的には犬牟田くんと伊織くんの文系コンビが好き。
二人とも頭よさそうで、よく絡んで仲良しそう。
チェスとかオセロとかしてほしい。
犬牟田くん単体もだいぶ好き。
あのシュッとした衣装もいいし、しゃべるときだけ襟が開くのも面白い。

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