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小説

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#小説

仕事の愚痴

「瑞希ー」  すらっとした長身が店の中から出てくる。私は名前を呼んで手を振った。瑞希も手…

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タウタ
3年前
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ママ、あのね(3)

第一話 第二話 「ママ、あのね」  志保の仕事の愚痴は減っていた。少し前に、新入社員の教…

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タウタ
3年前

ママ、あのね(2)

第一話  彼には、他に好きな人ができたと振られた。一学年上の先輩。私は顔も名前も知らなか…

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タウタ
3年前

ママ、あのね(1)

 電車を降りるとセミの声が吹きつけた。山全体が振動しているみたい。自動改札のない駅に来る…

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タウタ
3年前
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【小説】どうぞ

 鞄からイヤホンを出すために、私は畳んだ傘を腕にかけた。制服のスカートにも脚にも触らない…

タウタ
5年前
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【小説】紅を差す人(2)

 林を見張り続けてまた何日か経った。伊都乃は気づいたらいるし、気づいたらいない。本当に勝…

タウタ
6年前

【小説】紅を差す人(終)

「無理心中ということで片がついた。嫌な思いをさせたな。許せよ」 「いえ……お勤めですから。間に合わなくて、申し訳ありません」 「わしが遅かったのだ。迂遠に過ぎた。そう縮こまるな。もう一つ食え」  仁孝さまは最後の団子をおれにくださった。三つあったから、たぶん伊都乃の分だと思う。伊都乃はいないし、仁孝さまが食えと言ってくれたから、食べる。おいしいけど、なんだか飲み込みにくい。 「仁孝さま、二人は本当に死なねばならなかったのですか?」  伊都乃は林もくのいちも死んで当たり前みたい

【小説】紅を差す人(1)

 太陽が地面に落ちて溶けて広がったみたいだ。重そうに実った稲が風に吹かれて波打っている。…

タウタ
6年前