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押出し排煙の仕組みと計画方法ついて

排煙設備は、建物で火災が発生した際、煙、ガスを外部まで排出する、避難活動に欠かせない設備です。

排煙方式には、自然排煙、機械排煙の他、押出し排煙という特殊な方法もあります。

その中から今回は、押出し排煙について解説します。

押出し排煙

押出し排煙は、排煙を行いたい部屋に給気と排気をセットで行うことが特徴です。

給気をすることで区画内の圧力を高めて煙を押出し、その流れで排気を行います。

給気、排気によって空気を循環させる換気と似た様な考え方と言えます。

では押出し排煙は、どのような場所で利用されているのでしょうか。

一例が特別避難階段の付室です。

特別避難階段は、地上15階建て以上の高層建物などに設置義務のある階段のことで、付室とは、特別避難階段とセットで計画される前室部分のことです。

前室を設けることで、階段室に煙の流入を防ぎ、地上への避難をより安全なものとしています。

次に、今回の事例で押出し排煙を採用した理由です。

一番の理由は付室の周囲に部屋があり、窓を利用した自然排煙が取れないことです。

なお、4階から上の付室に関しては、自然排煙を採用していることが後ほど紹介する図に窓が記載されていることからも分かると思います。

また、採用実績なども考慮し、今回は押出し排煙を採用したものとします。

(付室に押出し排煙が採用されるケースは実際にあります。)

以上を踏まえて、押出し排煙について見ていきます。

1.排煙主ダクトの取り扱い

排煙主ダクトとは、上下階を行き来し、煙を外気まで排出する重要な役割を持つ部分をいいます。

下図の排気ダクトを例にどの部分が該当するか確認します。

なお、DSの壁は竪穴区画を形成しているとします。

排煙主ダクトは、このDSの区画壁を貫通した箇所から、DS内を通過し外気へ排気するまでのダクトです。

図では、赤斜線で示しています。

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