見出し画像

杠琴子は本当に傲慢か?~誤解が酷過ぎて泣くので事実証明をする回~

こんにちは。初めましての方は初めまして。
私はこれまで主にムウの考えをまとめた記事を出してきたのですが

こちらの記事で杠琴子(コトコ)に触れることとなりました。

…ただ、この記事だけだとコトコという人物について誤解や偏見を持っている方が本当に多いのでまさかムウが殺してしまった相手のレイとリンクするのも想像がつかないんじゃないのか…?
と後日思いました。

ならば、コトコのこともちゃんと説明しようじゃないか。

という事で今回はコトコに対する私なりの考えを書き記そうと思います。
しかしなぜ「誤解だ」と断言するか…というと
彼女の場合、確定ソースが複数存在するからです。
よっぽどムウよりシンプルです。恐らく囚人中でも最も分かりやすいハズなのですがどうして誤解や偏見が彼女に多いのか…そこも解説をして行こうと思います。


▼MILGRAM(ミルグラム)とは

山中拓也×DECO*27×OTOIRO
による、視聴者参加型音楽プロジェクト。
十人の囚人の「罪」を音楽とMV、そのほかの情報と組み合わせ暴き、赦す/赦さないを投票することで展開が変わるという作品です。

今回この記事で書くのはその囚人の一人「杠琴子(通称コトコ)」

公式Twitterより

彼女の注目するべき点は何より
「看守に交渉を持ち掛け、その結果に応じて実際に制裁行動をした」
ということ。
これの影響か、彼女に対し「傲慢だ」「看守気取りだ」といったヘイトにも近いコメントも多くそして二審ではムウを上回る《赦さない》のパーセントを叩きだしました。

恐れられるのも無理はない…かもしれません。
しかし私は彼女は快楽殺人・自分に酔っているなどの解釈の一切を否定します。なぜそこまで強く言い切るのかというのが今回の主題でもあります。

そもそもですが、
多くの人が誤解をしているのは彼女の性格と思考そのものです。
この記事では具体的時系列などではなく、この部分のみを重点的に説明していきます。

▼「本来」の杠琴子

コトコが本来どのような性格・思考であるか、各種情報から見てみましょう。

▶TLとミニグラムから見るコトコ

内容を補完されてる所があるので、同会話はミニグラムで、ミニグラムにない会話はTLから(テキスト丸写ししても同じ事なのでスクショを使用します)引用していきます。

まずはこちらから。
ハルカはASDと予測されており、特性でこの様な態度になってしまうのですが最初はイライラ…としつつも気づいたら「あ…そういうこと…」になっています。
この時点で「事情が分かれば怒る事はない」と言えます。

そしてその後の一審の審判が決まりつつある時のこの会話をみると、コトコはよくハルカの変化を把握しています。
プロフィールの通り「観察を看守以上にしている」というのは本当でしょうし、この時の変化を素直に褒めています。

そしてこれも、ハルカの提案をしっかり聞いています。
ハルカは申し訳ないですがどうしても特性も邪魔しやすく通常のコミュニケーションが得意とは言えないのですがきちんと話しているしコトコはそれをちゃんと聞いている証拠です。
彼女は話してくれれば基本ちゃんと聞き入れると言えます。
きっとハルカが赦されてない事も把握していますがそれでも良しとしていますよね?

またこの行動内容自体はまだ不明ではありますが

いくら気に食わなかった(実際の所は違う意図のようには思いますが)としても、赦されてる相手には手出ししていないのも事実。
彼女は自分の提案や約束は絶対厳守をしています。
なのでハルカの提案自体は「赦されなかった人に対するもの」なのは予測できます。(ムウ推しのオタク的には本当に怖いけど)

なお一方…

このTLと

こちらのマヒルとの会話ややり取り。
マヒルは二審では大けがをしてしまいこの様な会話がなくなってしまいましたが、コトコにとっては考えが読み取り辛いせいか若干取っつきづらい相手のようです。
その分「この人どう考えてるんだ?」という姿勢なのがうかがえます。
ただ拒否も特にしていません。する理由もないからでしょうか。

そしてこのプロテインの回はTLのバージョンからさらにムウが登場してるのですが、二人がかりで自分の頼んだ飲み物を飲まれてるのに
「今度から3人分頼んでおくから」
と怒るどころか飲みたいのか?と思い二人への配慮提案をしてくる。それで「いやそういうわけでもなくて」というJK特有のそれも別に怒らない。

…あれ?この人優しくない???

しかし打って変わってこのフータとのディベート失敗回なんかは、若干まくし立ててるようにも見えるほど説明をしてきます。
ただ彼女は尋問でも「一番似てて、一番似てない」と回答するフータは結局はインターネット知識で表面的なのに対し、コトコは法学部にいますのでこれは正しい知識なわけです。
人によっては知識マウントに感じるかもしれませんが…

こちらもまた「デリカシーないのか?」と感じそうな話です。
しかし話してる事は実用性や事実に基づいた話で彼女的には「下品な話」とは思っていません。
でもこれをデリカシーがない…とは私は感じないです。というのもアマネへの対応がそれを如実にしているからです。

アマネの反応からしてもコトコは人に教えるの自体は上手いです。
「向上心と意欲のある人間には好感が持てる」とあるように、他の大人のように「すごいね~偉いね~」より先に「これが知りたいのね?」という対応です。

まあ…簡単に言うと人に教えるのが好きなだけです!

「相手は知らないから困ってる?知りたがってる?この話したいの?」
…の結果が、まくし立てにも見えかねない説明口調というわけです。
彼女のこの様な対応は子どもや純粋な子には物凄くありがたいのですが、下手に知恵やプライドを付けた大人には「マウント」と感じやすい。
ここが彼女への偏見が生まれてる原因だ、と私は感じました。

でも、そんなフータに対しても別に馬鹿にする意図はありません。彼からの無茶な発想も「…じゃあどう経営するの?」と馬鹿にせずにちゃんと話を聞いてます。
また「女が男に勝てるかよ!」も一件イチャモンですが「一理ある」と間違って無ければ肯定もします。

こうしたことからコトコという人物は、実際は他者への差別意識や先入観がないという事が分かってきたと思います。

…で、現状コトコに並ぶほど悪イメージを抱かれてる囚人がいますね?

ムウです。このミニグラムはかなり初期のTL会話がベースですが本当に怒らないねこの人!!
よく考えてみてください、ご自身が初見の相手にいきなり「こわい…気まずい…」と自分に対して言って来たらどう思うでしょう?
きっと困惑したりム…とするはずです。
ところがどっこい、コトコはここで即座に「それ口に出さない方が良いんじゃない?」とムウの心配が優先です。

そしてその後のムウはといえば…

(喧嘩してると解釈してる方が多いようですが…)

怖がってたのどこ行った?
そしてTLではありませんがミルグラムコラボイヤホンのセリフでは…

ムウのこと悪い(実害がある)って思ってないねえ?!(心配してる声色なのでぜひ聞いてみてください)

でも考えてみれば自分の良くない発言を馬鹿にしたり怒るなどを先にせず「良くないよ、気を付けて?」と言ってくる相手を怖いと思う理由がありません。(嫌な人もまれにいるでしょうが、私は助かる側)
ムウは「こわい人」が苦手なはずがそれに該当していないのですから、コトコは実際に接してみればそんな怖い人物像じゃないと分かってきます。
またレイの記事でも話していますが、ムウとコトコは実はタイプが同じ理論派であり相手優先なので実は相性が良いです。

ここまで見てどうでしょう?
彼女が傲慢であると感じる要素の方が少ないというのが事実です。
彼女の性格はハッキリ言って真逆で「お節介がすぎる」ぐらいです。他人のことをよく見すぎてるし、下にも見ていない。常に平行で、ラベル(偏見)がありませんよね。

とはいえこの時点では彼女の行動や理念・思考が分かり辛いとは思いますので、更に尋問も見てみましょう。

▶尋問から見るコトコの思考

TL・ミニグラムから見えるのは「彼女の性格」だっと思います。
コトコに対する真っ当な判断を下すには、やはり「どうしてその考えなのか」を知る必要があります。
そこで尋問からそこを見てみましょう。

この5つの回答からわかるのは彼女は「目的主義」であること。
手段は選びません、実際選んでいませんよね。
女性であることも利用できるものと解釈しており、恐らくですが…彼女は実際の所、恋愛には興味がないのでしょう。
そしてその手段の中には「自分自身の感情」すら目的の為なら封じ込めてしまえます
これがまた彼女を怖いと思わせてる原因です。
まるでサイコパスのようだと感じてるユーザーも多いのは私も把握していますが、実際はそんな事ありません。

ディープカバーの冒頭、犯人を殺したすぐのこの表情を見てください。
全く冷静とは真逆です。
サイコパスであれば、殺すことに躊躇などないはずですしこんな焦った表情をするでしょうか?
彼女自身は人殺しや加害はハッキリ「怖い事」なのです。

それでもこの行動をし、私は間違っていないと言うのか。
これには彼女自身の「目的」には必要だったという判断であることと、もう一つある…のですが、これはもう少し後で話しましょう。

▶彼女の生育環境と他の囚人との違い

彼女自身の家庭環境や過去…ミルグラムという作品の性質上、生育環境は注目される所ですが

これらからして、コトコの環境は最も囚人中でも健全だったことがうかがえます。それどころか

休学をしている……ここで言えるのは「それを許してくれる家庭」ということです。休学にもなかなか費用は掛かりますからね。
私からの視点では「真っ当に愛情を受けてきた」という印象です。
ただ気になる点といえば…

祖母はともかく、兄のことがこれまで触れられていません。
今後関係するのかな?となるのはここぐらいでしょうか。

また、こればかりは憶測ですがこのような家庭では上の兄姉からの影響は末っ子はかなり過剰に受ける傾向があります。
彼女のこの正義感が強く疑問があり法学部へ進んだこと、報道機関へ出入りしていたこと、結果的に陰で制裁をする存在を選んだこと…これらが兄に起因してるかもしれないと考えています。
兄を通して「手が届かない歯がゆさ」を知ったとかなら、十分行動理由にはなります。

ただそんな「真っ当な愛情を受けた」と思われるコトコが何故このような性格かというと「自分の当たり前が当たり前じゃない人がいる」ということを強く認識している故でしょう。
彼女は頭が良いですし人間観察を欠かさない、自分と他人の環境の違いや思考の差を考え、すこし行き過ぎた説明はするものの相手を思っての行動…常に他者の為に動いています。

これらから言えるのは「突出した共感力の高さ」「自分自身に余裕があるからこそ」です。

例えば囚人でいうと、ハルカやアマネは家庭環境の劣悪さが顕著です。

この二人は特に「自分」でいっぱいいっぱいだというのは見ての通りです。
だからこそ「誰かに依存」したり「過剰な信仰」で自分を持たせています。

しかし一方で環境だけなら恵まれているムウやシドウはどうでしょうか?
この二人には明らかに金銭面も家庭環境も地位も保証され容姿端麗とこれでもかと恵まれています。
ただし、二人には意外にも「悪い所」の共通点があります。
「他人のイメージに合わせて自分を演じてしまう」というところです。

ムウは看守から「お前はさながら女王蜂」と言われてからこの姿の心象風景が現れました
シドウは「医者」という面が強く、TLやボイスドラマも常に正の立場として振舞っています

恵まれていたにもかかわらず「周囲の目を気にしている」のはその地位の高さ故に定められてる事柄が多い・また周囲に合わせる必要があったからではないでしょうか。
私個人はマヒルやユノ、カズイも、家庭的に無意識に押し付けられていたことがあったように感じます。
一方でフータは憧れはあっても目的意識が薄いゆえに、安易な行動でヒーローを演じ切れず誤った選択をしてしまいました。
それで相手は安心するからと無意識に選んでいたり、演じるのを失敗したり爆発をしてしまったり…
ミコトに至っては行動基準が「家族を安心させたい、普通でいたい」だったが故に自分を守ろうとする多重人格発症に繋がったと考えられます。

「こうであるべき」というラベルが彼らを狂わせた、そう考えられます。

ではコトコは彼らとは何が違うのか。
それは彼女自身は全く偽ることが無いという事。
休学を許していることからも「家庭や周囲からの束縛が無かった」からこそ、自分がハッキリあり自分を繕う必要が一切なかったと言えるのです。

▶彼女が「看守に求めたこと」

先に述べた「自分を繕う必要が一切なかった」ということがMVも顕著に出ています。

特に一審の「HARROW」は記事や行動が全く抽象的ではなくその通り映されています。ここまで鮮明なのは彼女ぐらいでしょう。
この「具体性」は彼女自身が自負する部分であるため「見て判断しろ」とこちらに判断をゆだねたのだと私は考えています。

この回答は文字通りだったわけです。
この「あなたの意志」とは「私がしたことは隠さず見せる。何をするかわかるはずだからそれで判断して。それを貴方の意志として受け取る」という事です。

「私の罪に触れて、赦せないと思うなら赦さなければいい。赦すならば……その時は……」
「そのときはエス、私はあなたの牙になろう」

これが一審での彼女の看守への交渉です。
その後赦された事で、彼女はその「映像通り」の制裁を行いました。
なのに看守は一審で分かったはずのことを理解しないまま彼女を赦していたために、想像していなかった行動に対し強い反感を示しました。

「話を聞け。お前は間違っている」
「……お前は僕に協力するといったよな?それがしたいなら、僕の意図を汲んで動け」

これは私自身もおかしいと思うのではっきり言います。

身勝手なのは明らかに看守の方です。
コトコは最初から偽らず話し「赦したらその通りにする」と赦せと要求したわけでもないにもかかわらず、予測して判断できず思ったような結果にならなかったのをコトコのせいにしている状態です。
赦したのは看守のはずですし、どうやってあの曖昧な返事ばかりのエスの意図をくみ取れというのでしょう?
無茶を言っているのは、エスの方ではありませんか?

ボイスドラマでも尋問でも呆れたり怒りを露にするのは当然のことです。
しかしコトコにも悪い面はあります。
「言葉が不足していた」ということです。

彼女は相手に合わせてる事はハルカへの対応でわかります。だから一方看守に対しては「理解力に期待をしていた」ことも分かります。
しかし残念なことに、その期待通りの理解力ではなかった。(エスは大多数ユーザーのマジョリティ意見の集合体だからしょうがないんですけどね…)

つまり彼女の圧倒的に悪い所は「相手に期待しすぎてる」という事です。
故に…囚人に対しても個人の感情なら「悪」と判断していない、救える要素を常に見出しているのです。

▶コトコにとっての強者と弱者

このような考え方の彼女の思う「守るべき弱者」ってなんなの?
という疑問もあるでしょう。

この回答で、囚人に愛着あるし「弱者はいる」と話します。
そのうえで「弱い心はすぐ悪に転ぶ」ともしています。

コトコの見ている記事をみると、多くの被害者が老人や子供、女性です。
やはり分かりやすく一般的にも定義される弱者が対象か?と考えられますが…彼女の定義はもっと複雑じゃないかと私は考えています。
これは一審MVの情報ですし、彼女的には先ほどの「契約交渉」もあるので分かりやすい部分を提示していると感じます。
それでも複雑と考えている理由…それは
ディープカバーでの囚人に対する言い方や表情から分かります。

▷▶ディープカバーからわかる強者/弱者

【01 ハルカ】
・くだらない 依存関係だ
・くだらない「001 寄生虫」

一番弱者と捉えやすい障がい持ちであり親からのネグレクトがあっただろうハルカ…しかし彼女は彼に対してかなり厳しい言い方です。
寄生虫は宿主を最終的には乗っ取ったり栄養を吸い続けるのですから、とんでもなく悪口です。
彼女からしたらハルカは「弱者」と感じてないのでは?
実際、物理的な力もある程度の理解力もあるからよほど危険性が高いというのはそうですよね…

【02 ユノ】
・はしたない 温もりのゴール
・はしたない「002 淫乱嬢」

淫乱って普通に悪口ですが内心「もっと自分大事にしなよ…周囲を見なさいよ…」という心配のニュアンスが若干ありそうです。
ただ悪に転じる弱者とは思ってないと感じます。だから現状キリキリしてるユノとの接触が見えないのでしょうし。

【03 フータ】
・またイキってさ イキってさ ダサいね
うーんわっかりやすい悪口。
ただこれは「本気で生きたら?」の部類なので、ユノと同じくあのさあ…心配になるよ君…みたいな意味が強いと思います。
ある意味弱者寄り、悪に転じやすい方の…

【04 ムウ】
・変わらない 巡るクイーンゲーム
・変わらない「004 偽女王」

偽の女王だという事が強調されていますが、現状癒着状態だろうハルカは依存と言われてるのに彼女はそれに関わる単語がありません。しかも寄生虫…ムウは吸われてる側って事になります。
現状寄生してるハルカが女王(お母さん)扱いして、かつ搾取してるって事に…あれ?

ムウのが弱者ってこと!?!?!?

実はこの監獄中最も搾取されやすいのは他者を疑えないムウです。
立場だけなら強者のはずが、この見方だとコトコにとっては「守るべき弱者」判定です。別記事でも話していますが、現状一番危険にさらされてるのはムウ…そりゃ警告もしますよね…
こんなのムウが搾取されてるって気づかないと分かりません、流石に。

【05 シドウ】
・救えない 値踏みのスティーラー
・救えない「005 解剖兵」

テクニカル悪口。
救えない2連発で「値踏み」に「解剖兵」…滅茶苦茶印象悪い。
しかし彼のボイスドラマのタイトルやバースデーイラストを思い出してください。全て神に関わるものです。
更に思い出してください。トリアージの歌詞には「俺次第なのにな」とあるということを。
そう彼は医者という立場で現状の監獄の命運を握っているし、命の価値を勝手に決めているんです。

コトコ絶対嫌いだ!!!!

なぜ詳細を知っているのかは定かじゃないですが、実はシドウは「法に裁かれない側」じゃない人です。

(こちらの動画の01:50あたりで拘束を受けてる囚人が映るのですが、ここで拘束されているのはいずれも「法的には裁かれない囚人」のみです。シドウはここにいません)

もしかしたら…ニュースになってたのかもしれませんね、医療殺人として…
コトコにとっては「警戒すべき強者」の筆頭だと思います。

【06 マヒル】
・まだ好きってさ 好きってさ キツいね
「もうやめなよ…」が聞こえてくる…悪い人とは思ってないけど、ちょっと呆れてるような気がします。
でも彼女は彼氏さんのためにしたことが愛が重すぎて先立たれてしまったわけですから一方的加害や弱者消費とかそういうのではないので空くと判定する事はないでしょう。
なので、警戒すべき強者とは思ってないでしょう。

【07 カズイ】
・隠していたい 欲張りたい 偽装繁栄
・隠していたい「007 虚言人」

嘘つくの自体は悪いんだけど、それが明確な加害に繋がってるかというとそれは感じません。
雛子さんに打ち明けたのは「隠していたくない相手」と思ったからこそ。
それで精神的ショックを与えてしまって身を投げられて…それをずっと後悔しているのがカズイです。

しかしコトコは彼の武力によって制裁を邪魔されてしまい、無力化を望んでいます。本意は「このまま守る盾にされ続けたらこの人…」というのもあると思います。ディープカバー中でも「どうしたものか…」という表情。
彼女にとってのカズイは恐らく「人を守れる強者だが、消費される側に転じかねない」だと思います。

【08 アマネ】
・止められない 踏み込めない 信仰心
もう悪口っぽい単語一個も無いよ………

LINEスタンプすら無言だったし(当時キレていたオタクさん)
アマネは年齢自体も最年少で幼く、それだけであれば守るべき弱者のはずです。しかし特筆するところがあります。
彼女の信仰心の強固さです。
そしてアマネの信じるものは宗教を通り越した「両親の愛」
両親が良いとしたことを、守るべきことを絶対に覆さないというとてつもない装甲を着てしまっています。
そのようになった子を簡単に救うとか守るとか止めるって、実は出来ないです。彼女は悟っているのでしょう。
「この子は本来守るべき弱者だけど、私には守れない」ということを。

【09 ミコト】
・マジ覚えてない 覚えてない にぶいね
これは「呆れ」が勝っている言い方だと思いました。
というのもミコトに対してはTL上などでも最も強い怒りを出しています。それはおそらくジョンの人格が確実に出てから。
ジョンの行動理由は「僕を守る」…言ってしまえば「自己の為なら人を殺せる」という事になります。
それが別人格だとしても、コトコは容認しないと感じます。

「自己の為に他者を平気で消費する武力強者」として、ミコトを扱っているのでしょう。
あと割と元々ウマが合わなかったのも「普通」を演じるための態度が気に食わなかったのでしょう、多分コトコは素直な人のが好ましいのでしょうね…

【自分自身】
え?自分のこと言ってた?と思った方もいるでしょう…
ただこのシーンと、歌詞をご覧ください。

実はこのタイミングに来るのはコトコ自身の椅子

犯したい 求めてた正義
潰したい 汚れた未来を
馬鹿じゃん 馬鹿じゃん
ねえ頼ってよほら

自分すらも罵倒している…

彼女は自分を強者と見ています。
『力を持ち、余裕も立場もあり、手段を選べる、人を守れる側』
しかし彼女は大きな誤算を起こしました。
「人を殺してしまった」という事です。

***
ここまででどういう判断であるか大体分かったのでまとめると…

彼女の思う強者は大きく二種あります。
・自己のため、他者を消費する強者(悪)
・他者のため、人を守れる強者(善)
そして弱者も大きく二種
・自己を守ることが出来ない消費される弱者(守る対象)
・悪に転じやすい弱者(釘を打つ対象)
なおそれ以外は
・自己を持ち動けるのでノータッチ(見守る対象)

大分化してるだけなので、もっと厳密な理由はありますが大体こんな感じ。

しかしこの区分でいくと彼女は自分自身を
・自己のため、他者を消費する強者(悪)
…と捉えているように思います。

初めから殺すつもりはなかったのではないでしょうか。
なぜそう言えるか、次の項目がそれの理由に当たります。

▶強烈な自己嫌悪

この様な判断をするコトコですが
「人を勝手に判断してる」「たくさん人を殺してしまってるのでは?」「自己顕示欲によるものでは?」
という意見も多いのが現状ですが実際はそうではないと私は考えています。

この明確に、女児への暴行をしていた犯人以外で制裁を行った男は幾度と犯罪を繰り返し指名手配にもなっている確実な「犯罪者」です。
ですが制裁は「行動不能」で留められており死には至っていません。またすぐ現場から去っており自分の容姿も男性と誤認させるようにしています。

何故行動不能にとどめ、誤認する容姿でしたのでしょう?

それは「確実に逮捕させるため」という意図が強いと考えています。彼女は自分自身の力のみで制裁可能とは考えていないのでしょう。
つまりは彼女がしたい事は「キチンと裁かれるように繋ぐこと」で、このような犯罪者が制裁を受けたと噂になれば「犯罪抑止に繋がるから」であって、目立つことや加害そのものが目的ではないと考えられます。

…じゃあ猶更、なぜ殺してしまったんだ?
おそらく、そう感じた方もいると思います。

▷▶もう一つの「彼女の顔」

コトコはこれまでを見てきていて冷静に物を見て、細かく判断しラベルでものを見ない…そして基本は落ち着いています。
しかし、二審でのボイスドラマでは彼女は突然激昂していましたよね。

コトコは普段は自分自身を制御し、疑います。そして目的や相手のためになら「自分の感情すら封じ込める」と先述しました。
故に爆発した時はとんでもないことになる。

実はコトコはかなりの激情型です。

この様な性格の人間は少数派ながらいます。
普段は冷たく感じるが、考えてる事は人より多いし常に周囲を気配っているし目的主義なので先の先を予測して動きます。
逆に言えば現状の自分をおざなりにしやすいという性格です。
そのせいで蓋をした感情が漏れるとそれはもう激昂するので、本人も想定と違う動きをしてしまい混乱してしまうのです。

コトコはまんまこの通りの人間性をしています。

▷▶彼女自身の「罪」

激情した結果、彼女は極悪犯とはいえ人を殺してしまいました。

ここまで念入りに調査し、徹底的に足をつかせるために裏ルートから父親の情報を得てまでしていたのを思うとやはり殺すことを前提にしてたとは思えません。
なのにいざ本当の犯行現場を目にしてあまりの凄惨さに凄まじい怒りで抑えきれなかったのでしょう。

グロイ話ですが、工具での暴行に加えガムテープ拘束はおそらく性加害もしていたと考えられる犯行です。本当に極悪な所業なのは事実です…

しかしこの時彼女は一瞬「感じてはいけない感情」を抱いてしまった

「HARROW」最後のカットでは、殺しに快感を得ているかのような表情と彼女の内面を表す狼が笑っています。そしてミルグラムではしばし「悪意の色」として使われやすい赤で表現され…

このボイストレーラーでは「気持ちいい…」という発言が。
彼女は一瞬でも「悪人への加害行動に快感を感じてしまった」のでは…?

自分の中に、血に飢えた獣がいる。

「自分も殺しを楽しむ心がある愚かな強者じゃないか!」

コトコは元より自分の判断を疑うようにはしてたでしょうが、自分の中に悍ましいバケモノが住んでいるとこの時気付き怯え切っています。

自分が怖くて嫌いでたまらない。誰より自分を信じれず大嫌いなのは彼女自身です。

改めて、彼女の曲(カバーも含む)を聞いてみてください。
彼女の曲は全て「悪への憎悪」「自己嫌悪」の歌だと分かるはずです。

生まれた HARROW HARROW
嫌っていいでしょう?
失って 失って 何を期待すればいいんだ

おやすみ HARROW HARROW
笑って 私のこと好きになれる

もし眠れたら自分を好きになれる?という意図を感じます

だから私の理由になってよ
赦さないだけ選んでよ
同情は邪魔と言ってよ
悪を悪と憎んでよ

「自分が止まる理由が欲しい、悪である私を憎んで」という懇願にも見えます


でも彼女はこの行動は「正当防衛」と判断され法では裁かれませんでした。コトコ自身も正当防衛を主張したと思います。
己の行動を間違いと言ったら、この子が救われ自分を信じていることを嘘にしてしまうからです。

このスマホに映る記事でそう判断された事が分かる

コトコは一見したイメージとは真逆で「情に厚い」人物だが、自分の中に悍ましいバケモノがいる認識が強いからこそ「自分が大嫌い」

…これが「本来のコトコ」です。


でも自分の真似までしてくるこの子を巻き込みたくないし裏切れない。このままでは自分の事情にも本性の悍ましさでもまたこの子は傷ついてしまう。そう考えた彼女の行動が…

「もう来るな」と突き放す事だった。

きっと突然言われてショックだったのでしょう。あれだけ懐いていたらちょっとした拒絶でも怯えた表情になるのも無理はありません。
しかし彼女は情に厚いからこそ、他者を思い遣れるからこそ「自分と関わるな」という選択がとれるのです。いや、とれてしまう。

本当は孤独になるべきじゃないのに孤独を選んでしまう。
人に頼るのがほんっとに下手な人です。
力も強く頭もよくて人を思い遣れても「自分が大嫌い」だから心はぐちゃぐちゃ。なのに全てを自分一人で背負い込もうとしています。

はっきり言って私は「この人鬱病すぎだ!」と思いました。
何かをしていないと、何かを考えていないと、壊れる寸前。

もう、なってますよ。なんなら最初から。

▼何故「印象操作」をしたのか

でも多くの人は彼女が鬱病だなんて想像していません。
《自信に満ち、傲慢で加害に躊躇が無い人》
それが大多数意見です。

では逆に何故そういう印象になったのでしょう?

ここまでの自己嫌悪ぶりでも、助けた女の子を裏切ることは絶対出来ないことは分かったと思います。しかし自分を赦すことは全くできない…なのに、法はもう彼女を裁きません。
そこでやってきたのが《法だけで裁かない》ミルグラム……

彼女はこう考えたのではないでしょうか?

自分の中にいるバケモノは赦されていいものじゃない。でもこのミルグラムは内面から見て、法以外で裁いてくれる。

ミルグラムなら私を裁いてくれるんじゃないか?

だからあの女の子を裏切らないため、しかし己を赦してほしくないからこそ尋問でも「間違った事はしていない」と言い続けたのではないでしょうか?

また一審ボイスドラマでは

「法で裁かれない悪人がいるといったでしょ?逆もしかり、不完全な法で裁かれようとしている善人もいる。……あなたはそれを赦す立場でもある訳でしょう」

彼女はこの発言をする前に自分が「正当防衛として法では有罪判決をされなかった」と言っているのです。
「法で裁かれない悪人」は自分のことだ
という意図があると考えられます。

またディープカバーの英語歌詞でも…

『Who don't we want? Give me the verdicts of GUILTY』
「どれがいらないの?」の中に自分が入っています。

MVは心象です。
彼女なりに真実に蓋をせず、なんなら時系列を考察する必要性すらないほど順に全てを見せつつ露悪的に映し、赦さないでほしいから完全な悪人にみせようとしたと感じます。

しかし一審は赦されてしまったから契約通りの対応をした。なのに一方的な反感を受けミルグラムに失望しています。
「だったら最初から赦さないと言って欲しかった」というメッセージにみえて、私個人は本当に心が苦しくなりました。

その気持ちからまろび出たのがこの光景だったのではないか……私個人はそう考えています。

…もしもです。
もしも一審からこの「助けた女の子がコトコを慕って懐いていた」ことが映されてたら、今の二審の判決通りの判断になったのでしょうか?

少なくとも私はならなかったと思います。
彼女の苦しみと守ったものが最初から映されてたら、一審は当然赦されるし彼女を一方的に「悪」と評する声は二審になったとて今より絶対少なかったと思うのです。

自身に怯え焦っても「この子のヒーローでいよう」としたコトコがこんなにもはっきり映されても”赦さない”になる…
それぐらいの印象操作を彼女自身もしているし、そして我々ユーザーも「他の囚人が傷ついた」というインパクトで事実を見ても”赦さない”から揺るがなくなった。

でもきっと現状のコトコは赦されなかったとて、なにも動揺はしてないでしょう。初めから赦してほしくなかったし、これから起こる監獄内のことの方が、ずっと恐ろしいから。

つくづく、ミルグラムの魅せ方に踊らされた…と感じます。

▶まとめ

私は彼女を赦せとは思っていませんが…あまりに偏見のみで彼女を批判する声が多く、通常の考察すら少ないので今回書き出した次第です。
コトコの場合、やったことの事象の時系列そのものはムウほど関係性がありません。純粋にそのまま見ればその通りという構成になっています。

「休学後、調査と制裁行動を自らする」

「最初の制裁を行い、この時は殺していない」

「さらなる極悪犯を張り込みで取り押さえようとしたが、凄惨すぎる光景に激怒し殺してしまう」

「助けた女児にいたく懐かれてしまうが、自分自身にいるバケモノに焦る。しかし裁判では有罪とはならなかった」

「女児を巻き込まないために突き放す。孤独になる」

「その後は大きな行動は起こさず、自暴自棄へ」

大体こんな感じです。

あとこれでなんとな~く分かるかな…と思うのですが「突き放す」という行動パターンが恐らくレイと同一理由だな…と。しかもこれでいくとムウってあのコトコを全く怖がらない女児に一番近いんですよね。
という事でこちらでも今後の行動予想をはっておきます。

さて今回も長々とした記事でしたが…ここまで読んだ方は本当にありがとうございます。

ミルグラムの今後の展開が楽しみ…より、正直怖い…が勝ってきていますが、最後まで食らいついていきたいと思います。
ここまでありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?