自己紹介~何のために麻雀プロになったのか?

初めまして。日本プロ麻雀協会21期前期たっつぁんと申します。研修時に書いたことをまとめつつ広げつつ、自己紹介させていただきます。長いです。

放射線科(画像診断)医とは、放射線技師さんが撮影した患者さんの画像を診断する仕事である。15年間、様々な患者さんの画像を診断し、ご本人と直接お目にかかることは少ないが、癌の広がり具合はどうか、手術してから再発はなさそうだ、肺炎が治ってきた、骨折の治癒が遅れている、などなど、画像とカルテで患者さんの背景を想像しながら、主治医にレポートを書いてきた。余談かつ自慢だが、検査時に造影剤という薬を静脈注射することが多いので、注射の腕前には自信がある。

一方で、麻雀に関しては大学入学時に同僚に教えてもらい、20年以上飽きることなく続けてきた。医師歴よりも長く、協会の同期には僕が麻雀を始めたときには生まれていない人もいる。しかし20年間、趣味の範疇を超えずプロを目指すことはなかった。医師として中途半端でありたくなかったし、そもそもプロは若い人しかなれないと、勝手に決めつけていた。

転帰は起業した時だと思う。もともと自分は行動力があるとは言えない、流れに乗ってうまく生きていこうとするタイプだったが、医局や大きな病院で働くうちに、漠然と、何か違うと思ったのだろう。医療業界の体質はまだまだ古く、偉い人たちの頭の硬さにうんざりしたのかもしれないし、それに従うことしかできない自分を変えたかったのかもしれない。起業してからはまるで違う世界に生きているようにすべてが新しかったし、勤務医としても社会人としても大きく成長したと感じた。2019年、36歳の夏のことだった。

Mリーグは2020年から見始めた。いつも麻雀動画を見るときは、youtubeで役満集とか珍しい役などを見るだけで、もっぱら友達と卓を囲むことが麻雀のすべてだった。そのときの勝ち負けしか関係ないし、強くなることもないだろうがそれで良かった。しかしMリーグを切っ掛けに様々な対戦を、少なくとも半荘単位で見ることが増え、半生をかけてだらだらと築き上げてきた麻雀観は見事に粉砕した。自分にもこのような麻雀が打てるだろうか。それはスタイルではなく対戦者すべてに共通する所作であり知識であり呼吸であり麻雀に対する愛であった。人には何かを極めたいと思うことが少なからずあるであろう、それが僕にとっては2個目となるが、麻雀だった。どこかにプロになりたいという気持ちが芽生えたのは今思えばこの頃だったかもしれない。

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