ユッコが想われる側の君ステ(妄想)


この記事は、cgコンステライブで堀裕子役の鈴木絵理さんが君ステを歌ったことによる振り返りをユッコ鯖(Discord)でする、
ということで、以前から思っていた、ユッコ君のステージ衣装本当はの組み合わせ妄想を文章化したものです。
公式化されていない幼なじみ目線のような妄想が垂れ流されています。



『まだ、全然売れてないし、いつもお笑い枠でみんなの笑いものだし…アイドルなんてやめちゃえばいいじゃん、こっちに帰ってきてみんなで一緒にバカやろうよ』
「………私は………今が…アイドル楽しいから…。」
あのときの、裕子の少し寂しそうな表情が忘れられなかった。

俺は、裕子の幼なじみだった。
家が近所、両親が仲がよかったこともあって、小さい頃から一緒にいることが多かった。
クラスも一緒で、ずっと一緒だった。
だから、裕子のことはずっと近くで見てきた。
あいつは、普段アホなことばかりやってるけど、誰よりもまっすぐで、人想いで、意外と乙女で、かわいい。
俺は知ってた。気づいたら好きになっていた。

あいつが、あまりにもサイキックサイキック暴走するもんだから、裕子の相方とか言われたこともあったかな。
「まったく…何やってのか…」と言いながら裕子のとなりが俺であることがうれしかった。

裕子が唐突にアイドルになった。
気がついたら応募して採用されてた。
あいつは人を幸せにできるってわかる。絶対に有名になる。
初めはただ、「裕子の魅力がみんなに知れるんだな」と思った。
報告してくれたときには喜んだし応援した。

でも。

裕子が隣から居なくなった。
遠くへ行ってしまった。
いままで当たり前のように隣にいた裕子がいなくなった。

応援したい気持ちもあった。
だけど、売れれば売れるほど、余計にそばから離れていってしまう。
相方のポジで居たい。

テストで変な点数をとった裕子に呆れて勉強を教えたり、
突然謎の物を買ってきてみせびらかす裕子に笑ったり、
休日普段着の裕子に会って乙女すぎてドキドキしたり……
そんな日々に戻りたかった。

あの日…

裕子がアイドルソングの争奪戦に負けて、CDデビューできなかった話を聞いた。
「あと一歩だったんだよね……あそこでスプーンを曲げれてれば……!……そう思うと悔しかったかな。」
……………俺は…今しかないと思ってしまった。

『まだ、全然売れてないし、いつもお笑い枠でみんなの笑いものだし…アイドルなんてやめちゃえばいいじゃん、こっちに帰ってきてみんなで一緒にバカやろうよ』

裕子は少し考えて言った。

「………私は…………今が…アイドル楽しいから……」

あのとき、裕子は寂しそうな表情をした気がする。
あんな表情を見たのは初めてだった。
そして、ハッとなり、後悔した。

「………あっ、そろそろ帰らなきゃ、…またね…」

ただ、立ち尽くすしかできなかった。
俺は裕子のことがわかっていたはずだった。
裕子のことを応援していたはずだった。
それが、俺は何もできていなかったのだ。


テレビで裕子を見ると、どうしてもあの表情を思い出してしまう。
嫌われてしまったのではないか。裕子を悩ましてしまったのではないか。
自分は応援していたのか。
…あの日を何度も夢に見てしまう。


程なくして、裕子の魅力が知れ渡り、ファンも増え、ユニットにも参加するようになり、バラエティや音楽、様々な分野で徐々に人気になっていった。
そして、ついに裕子は事務所のアニバーサリーソングを歌うという大仕事をもらった。


そして、相変わらずあいつは突然だった

「やっと見つけたー!!!」
『えっ?』
学校の帰り道に歩いていると、裕子が、突然後ろから声をかけてきた。

「お久しぶり!」
『……お、おう…』
大きな仕事をもらったという報告でこっちに帰ってきたらしい。

…心の準備なんてできているはずがない…。むしろ自分は嫌われたんじゃないかって思っていた。……でも裕子はすごく笑顔で話してきた。
「私ね、すごい仕事もらったんだよ!」
……知ってる。
…ほんとにすごいよ、裕子は。

言わなきゃ…

言わなきゃ…

『前は、変なこと言ってごめん…』
「?」

『アイドルやめちゃえばいいのにって話…』
「あー………あったね!……でもあれは、似合ってないとかそういう意味で言ったんじゃないってわかってたから…」
『そっか…ほんとごめん…。』
えっ…。
なんで…。


『…がんばって。応援してるから』

「うん…ありがとう!」

ほんと、裕子はすごいよ…。
突然心をかき乱して…悩みなんてすぐ解決しちゃう。
一人で勝手に悩んで、カッコつけて少し避けてた自分がバカだった。

懐かしい話をした。アイドルになってからの話もした。
いつのまにか裕子を応援していた自分に戻っていた。

『…そういやこんどライブあるんだっけ…ライブ見に行くよ!』
「ほんと!……うん!見に来てね!私以外にもすごい人がいっぱい居て…すごいよ!………………あ、今のうちにサインとかあげようか!」
『何言い出すんだよ』
「あはは♪」

知ってる裕子の笑顔がそこにあった。

「そろそろ帰らなきゃ、…またね!」

俺はずっと裕子の隣に居たかったけど…
裕子の…ユッコの隣は俺ではいけないんだ。

さよなら…初恋…

アイドルユッコのライブへ行った。
そして、数年の想いは、彼女の歌を聴いた涙とともに水に流した。
裕子への恋は終わった。
………そして、この日から俺はユッコのファンの一人になることを誓った。





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