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マスターデータの品質の話

昔、ゲームの企画をやっていたことがある。
今で言うPdMだろうか。

ガンダムのカードゲームで、毎月3-4回キャンペーン(イベントと言われている)を実施していた。新しいカードのデータ、敵のパラメータ、キャンペーンのデータ、ガチャのデータなど、いろいろ設定する必要があった。

当時、これらのデータは、確かエクセルで保存されていた。複雑な数式である程度自動化されつつも、泥臭くデータを作る必要があった。

この仕事、割と単調だったり地味な作業に見えて、実は結構難しくて奥が深く、体験に大きな影響を与える。

例えば、カードの強さを設定するとき、レアリティによる強さの違いはだれでもわかるが、キャラや機体による強さの違いに一貫性を持たせることは難しい。

ここがズレてたりすると、一部のヘビーユーザーが適当に作ってることに気づいて萎えてしまう。一方で、あるべき数値に意見を持っていたり、違和感に気づける人は少ない。

他にも、敵の強さを誤って設定すると、敵が急に強くなったり、弱すぎたりでつまらなくなったりする。

自分も過去に、敵の設定が細かすぎると感じて、どう体験に効いてるのかわかりにくいなーと思って敵の設定をいつもと変えたことがあった。

変えても、開発中は、チームの人も数字がちょっと変わった程度なので誰も気づかない。
QAももちろん気づかない。
すると、そのままリリースされる。

しかし、リリースしたら急に「これは敵の設定がおかしい」と話題になり、インシデント扱いになり、元に戻すことになった。

暗黙的に、あるべき設定というものがあり、それから逸脱すると、拒絶されやすい。それは、なぜそうなっているのかも書いてないことも多い。

もちろんゼロベースで考えたものでもうまく設定できていれば、「いつもと違うけどおもろいね」となった可能性もあるが、なかなかそのクオリティまで持っていくのも難しいな、と当時思った。

上記のような経験もあり、データの品質を担保するのはなかなか難しいな、と感じている。

もしモバイルゲームやオンラインゲームで、設定を誤ったようなキャラ、敵、アイテムが出てきても、優しく見守ってあげてほしいと思っている。

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