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遠い夜明け

『遠い夜明け』は1987年に公開された映画である。

1970年代のアパルトヘイト下の南アフリカ共和国における実話に基づいた作品であり、黒人解放運動家のスティーブ・ビコと、白人記者のドナルド・ウッズの交友がベースに描かれる。

僕が大学生のとき、視聴覚室でこの映画のDVDを見たあと、しばらくその場を立てなかった。2時間半を超える上映時間で疲れたからではない。

そのエンディングが「実話である」ことを受け入れるのが苦しかったからだ。

アフリカの広大な大地をバックに、エンドロールが流れる。

そこには、反アパルトヘイト活動家達の氏名、没年、享年、政府発表死因が延々と記されている。

それが、なぜ、受け入れるのがつらいほどの衝撃かは、ぜひ本編を見て欲しい。

昨年は米国での人種差別がずいぶんフォーカスされた。トランプ前大統領が煽った結果か、それまでも同様にあったのが前大統領をきっかけに表面化しただけか。いずれにせよ、そういった光景をみると、この映画を思い出す。

もし、スティーブ・ビコが生きていたら、どういう演説をするのだろう。

今日も、ニュースから離れられない。

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