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【Compassionate Community 第2回勉強会 2019.4.17】

第1回は3月27日に開催されました。
ゲスト講師:高山恵子(NPO法人 えじそんくらぶ代表)
著書は下記の画像にて共有します。
〜講義内容〜
① 経験された発達障害による生きづらさ
②アメリカの大学院での学び及び帰国後の活動
③発達障害とは
④WHOのICFモデル
⑤パステルゾーン
⑥日本の現状と課題

〜印象に残っている内容〜
 やはり、自身の経験談というのはその分野の専門家に匹敵するというか凌ぐほどの密度の濃い講義内容だったのではないかと思った。
 高山先生がADHDを自覚したきっかけは、処方薬を飲んだ時に効果があった時だそうだ。突発的に動き出したりすることが治ったそうだ。落ち着いている?大人しくしている?という表現が正しいのかわからないが、そういった状態になったのがきっかけ。

 アメリカに渡った当時は、日本にADHDという概念がなかった。アメリカでは日本のように公表しても生きづらさは感じることなく、その人の個性だと考え接してくれたそうだ。
 日本では、幼少期や学生時代は、努力不足だったり、周りと合わせられなかったりと本人の責任であるかのように周りの環境から決められる。
さらに、アメリカにいた時に学んでいた教育学に関する疑問が印象的だった。テストで学力を本当に測れているのだろうか。60分や90分のテストだと、学力というより集中力なのではないか、本当に学力を測りたいのであれば10分くらいのテストを数回に分けて執り行う方がより正確な学力を測定できるのではないか。テストに対してこのように考えたことはなかったから、とても斬新だった。

ここからは、本日の振り返りを交えて記載していこうと思う。
下記の画像を参照。

上記の画像には、「医学モデル」と「社会モデル」の観点が組み合わせられている。
歩けない方という前提で、車椅子乗っているとする。
医学的モデルだと、心身の問題により階段を登れないと考える。
社会モデルだと、車椅子に乗っている方でも生活しやすいように環境が整えられていないと考える。

 2001年、WHOが提唱したICF ( International Classfication Functioning Disabillty and Health)。すべての人を対象とした生活機能、生きること全体を現すもの  としている。ひとを対象とした時の健康における全体像を把握するフレームワークだと思う。
 ICFには、上段の健康についても関わっていて、WHOでは健康とは「ただ疾病や障害がないだけではなく、肉体的、精神的ならびに社会的に完全に快適な状態」とされている。
 上記2枚の写真をもとに例を考えると、「足が動かない、でも車椅子には乗れる、だから外出しよう/遊びに行こう/仕事に行こう」と当事者に思ってもらえるように、そのひとを取り巻く全体を整えられたらいいのだろうけど、なかなか難しい。病院で行えているのは、とてもちっぽけで、左側の「心身機能身体構造」部分を快復に向けて取り組んでいるにすぎないのかなと思う。真ん中の「活動」は回復期リハビリテーションのセラピストの方々が活躍してくれているんだと分けて考えるとそのように思いつつ。最近の就労型のサ高住(銀木犀など)を当てはめて考えると、「活動」「参加」「環境因子」を主に焦点を当てつつ、全体をカバーしてwell beingを高められているのかなと思った。
 授業で配布された印象的な文章は「何らかの機能不全があるから、人は「障害者」なのではありません。理解がない、支援機器がないなど環境が整わないために活動が制限されたり、社会に参加できなくなったりして、初めて人は「障害者になる」のです。つまり、環境因子と個人因子が整い、日常生活で困らなければADHD的症状があっても「障害者」にはならない。それがWHOの考え方。」

 個人的にもう一点印象的だったのは、先天的に遺伝子異常があって、発達障害を発症する可能性がある。けれども、環境因子が良ければ、周りがそのひと受け入れてくれたら発症しないというのは衝撃だった。その要因ってなんだろうなって気になり始めた。

 日本の現状と課題は羅列することにして
・不注意、多動性、衝動性に対するマイナスイメージが大きい。
・二次障害がないと受診しない
・診断の難しさ、、、うつ病と誤診されることもある
などなど
とりわけ、診断がつく前の支援が重要ということでチェックリストを添付してみる。


自分も当てはまる部分はいくつかある気がする。でも、それも個性だと思いたいもんだ。

つまるところ、個人が悪いの?環境が悪いの?って話になってくるのかもしれないが、誰も優越はつけられないし、どういった比率で改善していったらいいのかわからない。でも、現状として障害を持つとマイナスイメージを抱く風土、就労できなかったりする文化などは改善していかないと思うディスカッションだった。

次回以降の勉強会内容として、講義、グループワークだけでなく、当事者研究なども考えつつ自分たちで勉強会内容を決め、どのように成果物を発信していくのかも考えている。学生主体の授業って、遠隔授業ながら今回もスゲー!と思った。


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