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Steam Deck OLED 1TB レビュー: 気軽に PC ゲームを楽しむ!

はじめに

Steam Deck OLED を購入し 4 ヶ月ほど遊んでおります。その雑感、レビューをまとめたものです。結論としては非常によいゲーム機です。思ったよりもかなりの数の PC ゲームを遊ぶことができます。私はゲーミング PC を持っているわけではないのでこれのみですが、画質・FPSを気にせずお手軽に PC ゲームを遊びたい、という用途にはうってつけのデバイスです。なお、私は他のポータブルゲーミング PC は所持しておらず、Steam Deck のみを利用しています。

前提

私は、コンソールゲーム機については Nintendo Switch、PS5 を所持、ゲーミング PC は未所持です。また、昨年 Steam Deck LCD 64GB を購入して遊んでおり、今回、Steam Deck OLED 1TB 版に買い換えて遊んでおります。

感想

全体的な所感

  • 個人的に一番便利だと思っている点はスリープ機能です。Steam Deck はこれが非常によくできていまして、PC ゲームでこれが問題なく使えるというのはとてもよい体験です。LCD 版でも十分実用的な機能でしたが、OLED版はスリープ / 復帰のスピードがより速くなっていると思います

  • 仕様上、重量は 640gとなっていますが意外と持てます。また、LCD 版と比較して 20g ほど軽くなっており、LCD 版体験者からするとこの軽量化は結構劇的でした。形状、重量バランスの妙か、数字の印象よりは持ちやすい仕上がりです

  • 画質や FPS を気にしなければかなりのゲームが遊べます。感覚としては、PS4 で遊んでいたようなゲームは全く問題なく、最近の AAA ゲームについても FPS が落ちる、バッテリー持続時間が短くなるといったことはあるもののそこそこ遊べる印象です。バッテリー持ちでいうと例えば、黒神話: 悟空、メタファー : リファンタジオあたりは 3 時間程度遊べます。私が Steam Deck で遊んでいるゲームの例はこちら

    • メタファー : リファンタジオ - 絶賛プレイ中

    • ペルソナ 5R - クリア済み

    • FF ピクセルリマスター - FF3, 4クリア済み。FF5, FF6 はプレイ中

    • ペルソナ 3R- クリア済み

    • 黒神話: 悟空 - クリア済み

    • 聖剣伝説 VoM - 最終盤

    • 真・女神転生 V - プレイ中

    • ドラクエ11 - プレイ中

    • ペルソナ5S - プレイ中

    • グランディア HD リマスター - プレイ中

  • LCD 版との違いの観点では、やはり重量の軽さ、バッテリーの持ち、スリープからの復帰の早さです。全体的に非常に快適になっています

Steam OS の制約

一方、制約もあります。Steam Deck はデフォルトでは Steam OS という Linux ベースの OS で動作します。Steam 上で配信されているゲームは Windows プラットフォームで動作するものが多く、Steam OS 上でこれらのゲームを動かすためには Proton という Windows 互換レイヤーが必要になっています。これがちょっと難しいところで、こうした仕組み上一部動かないゲームがあったりします。Steam を運営している Valve 社も頑張ってくれておりかなりのゲームが動作するのですが、それでも全てではありません。Steam Deck で動作するかどうかは、ProtonDB というサイトがあり、そちらで状況を確認することができます。また、Valve 社が提供している Proton で動作しなくとも、Custom Proton を導入することで動作する場合もあります。こちらの導入方法は後述します。
なお、Steam Deck に Windows をインストールするという手もあるのですが、私は Steam OS の利点を活かしたいと考えてましてこの手は取ってません。私の遊びたいゲームについては、Custom Proton の導入で大概動作するというのもあります。

Custom Proton の導入

Proton は Valve 社が提供している公式のもの以外に、有志の方が開発されているものがいくつかあり、ゲームによっては Valve 謹製の Proton では動作しないが、この有志の方が開発されているものを導入することで動作する場合があります。これらは Custom Proton という俗称で括られています。この Custom Proton を利用するため、私は、ProtonUp-Qt というツールを導入しており、このツールによって複数の Custom Proton の管理を行うことができます。インストール方法は以下の手順です。

  • Steam Deck にてデスクトップモードに切り替え

  • Discover というアプリを起動(通常、左下のツールバーにアイコンがあります)

  • ProtonUp-Qt というアプリを探してインストール

  • インストール後、ProtonUp-Qt を起動し、任意の Custom Proton をインストール

さて、ここで問題になるのはどのゲームがどの Custom Proton で動作するのか、という点です。最も情報を得やすいのは英語のサイトにはなりますが、 ProtonDB だと思います。ProtonDB 上で動作しないゲームを検索すると、Steam Deck でどの Proton を導入するのかについて報告があがっています。そちらを確認してバージョンを特定する、というのがおそらく最も手っ取り早いのではないかと思います。私は以下のゲームで Custom Proton を導入して今のところある程度遊べています。ただし、途中で問題が起きる可能性もあり、自己責任での利用になるかと思います。

  • ペルソナ 5 S (GE-Proton9-11 にて動作)

  • グランディア HD リマスター (Proton-tkg 7.6.12.g51472395.release にて動作)

  • ZONE OF THE ENDERS THE 2nd RUNNER : M∀RS / アヌビス ゾーン・オブ・エンダーズ : マーズ (GE-Proton9-7 にて動作)

カスタマイズ: Decky Loader

Steam Deck はデフォルトで十分実用的ですが、より便利に使うために有志の方によるツールが開発されています。その代表的なものに Decky Loader というツールがあり、これをインストールし各種プラグインを利用することで挙動や見た目のカスタマイズが可能です。

Decky Loader のインストール

Decky Loader のインストールはこちらの Wiki の手順に従えば OK です。
Installation  Deckbrew

私が主に利用しているプラグイン

私が主に利用しているプラグインは以下です。

  • ProtonDB Badges

    • ProtonDB のステータスをバッジの形式で表示してくれます。これによって、Steam Deck にてどの程度ゲームが快適に動作するのか、の目安を確認することができます。Gold 以上であればおおよそ問題なく遊べるのではないかと思います

  • MagicPods

    • Steam Deck にペアリングをした AirPods / Beats デバイスの管理が行えるプラグインです。AirPodsを起動した後、このプラグインによって任意のタイミングで Steam Deck と接続させることができます。AirPods もしくは、Beats の Bluetooth イヤホンを所有されている場合は非常に便利なプラグインです

  • ScreenshotUploader

    • Steam Deck でスクリーンショットを撮った際に、自動で Steam にアップロードしてくれます。便利なプラグインです

  • CSS Loader

    • Steam Deck の各種 UI (例えばダウンロード画面など)を変更できるようになります

購入方法

私は、Komodo の公式ウェブサイトで購入しました。ほしい物リストに登録しておくことで入荷時にメールが来るようになります。基本的にすぐに在庫切れになることが多いので、購入を考えている場合はすぐに買うのが吉です。個人的な感覚として、1TB モデルは比較的後からでも買える印象です。
ちなみに、これまで通知が来た日付は以下です。大体 2 週間〜1 ヶ月ぐらいで在庫が補充されている気配です。私は 2024/6/3 の入荷通知で購入しました。

  • 2024/10/9

  • 2024/9/17

  • 2024/8/19

  • 2024/7/29

  • 2024/7/12

  • 2024/7/5

  • 2024/6/3

周辺アクセサリ

Steam Deck は基本的に素で十分なのですが、持ち運びなどを考えるとあったら便利なものもいくつかあります。私は以下のものを導入しています。

  • 持ち運び用ケース

    • 出張などの外出時に持ち出す場合は、ケースがあると便利です。Steam Deck OLED 1TB 版を買うと、付属のケースの内部が小さめのケースとして取り外せるようになっており、私は基本これで持ち運んでいます。1TB 版でない場合は、Amazon などでケースを物色されるのがいいと思います。LCD 版を持ち運んでいた際には、ModCase for Steam Deck LCD & OLED を利用していました

  • モバイルバッテリー

    • OLED 版は電池が持つようになったものの、それでもモバイルバッテリーがあると安心です。私は他 PC やスマートフォンの充電用バッテリーも兼ねて、Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000) を利用しています。大容量で便利です。持ち運ぶにはちょっと重いですが…

まとめ

総じて PC ゲームを遊ぶのに非常に満足して利用しています。家ではもちろんですが、出張などの出先などにも持ち運び、ポータブルゲーミング PC として存分に活躍してくれています。この観点で重要なのがスリープ機能です。これによってちょっとした隙間時間でも起動して PC ゲームをする、という体験が可能になっています。とても素晴らしいですね。
Steam Deck 導入前まではインディーゲームは Switch で主に買っていたのですが、それも全て Steam で買うようになりました。比較的重たいゲームも遊べるので、今の所はこれで十分です。色々落ち着いたらゲーミング PC を整備して、Steam Deck でも、ゲーミング PC でもゲームができるという状況を作れるとより快適にゲームを遊べそうだなという感覚です。が、それはまた追々検討していきたいと思います。AAA ゲームでグラフィックを堪能しようと思うと、やはりゲーミング PC の導入欲が高まりますね。例えば、黒神話: 悟空は Steam Deck でもなんとかクリアするまで遊べたのですが、所々描画が重くなったり落ちたりしたので、ゲーミング PC の導入欲が高まりました。
とはいえそこそこ PC ゲームが遊べるポータブルゲーミング PC として非常にいいデバイスです。気になった方は是非お財布とご相談の上、ご購入を検討してみてはいかがでしょうか。最近ですと家電量販店に実機展示もあるようですので、是非一度触ってみていただければと思います。

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