三浦俊一のお仕事 その14(シンセサイザーズ)

シンセサイザーズについては書き出すと細かくなりすぎてしまうのでその辺りなるべく我慢しつつ、主要作品中心に紹介します。

有頂天解散後、ロングバケーションで活動していたKERAさんが、ロンバケ活動休止を機に、再びニューウェーヴをという事で結成したのがザ・シンセサイザーズです。バンマスは三浦さん。三浦さんは有頂天を「AISSLE」を最後に脱退しましたが、三浦さんが「AISSLE」を辞めていなかったらというようなコンセプトもありました。

結成は1995年。結成当初は名前は決まっておらずポメラニアンズやアフガンハウンズなど犬の名前でライブを行っていました。三浦さんはギターですが、当時のキーボードはナイロン100℃の三宅弘城さんのため、打ち込み等は三浦さんが担当していました。

ザ・シンセサイザーズ

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1998年4月5日リリースのデビューミニアルバム。このアルバムのみ「ザ・シンセサイザーズ」名義となっています。「1980」という曲は三浦さん作曲の曲。当初のライブでは「三浦リザード」という仮タイトルでした。東京ロッカーズのLIZARDっぽい からでしょう。実はCDリリースまでは歌詞ができておらず、この曲はP-MODELのHEAVENの歌詞そのままで歌われていました。「ハッピー/アンラッキー」は三浦さん作詞・作曲による超名曲。KERAさんのバンドでは通常作詞はほぼKERAさんなんです。それが三浦さん作詞ってだけでもびつくりなのにとてもいい歌詞。必聴です。ベスト盤収録とはバージョンが違います。6曲中4曲が三浦さん作曲で、サウンドプロデュースも三浦さん。「ゴメンナサイ」ではガソリンスタンドが出てきますが、当時三浦さんがガソリンスタンドでバイトしていた話は裏話ではなくて当時のインタビューでも言っていました。

ナイトサーフ

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2005年3月9日発売の2ndミニアルバム。このアルバムよりケラ&ザ・シンセサイザーズ名義になりました。プロデューサーは三浦さん。共作含めて6曲中3曲が三浦さんの作曲。スペセン時代の曲のリメイク「夜のスポーツ」は名曲。

隣の女

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2006年6月21日リリース。全曲女性ボーカルのカバー盤という企画盤。リスペクトが感じられないどころか、悪意も感じてしまうカバーだったりする所がシンセサイザーズ。ドリカムのLOVELOVELOVEは森繁久彌風歌唱でメンバーが気を悪くしたという噂も。またDA・YO・NEにいたってはちゃんと作詞の人の許可を得ているにもかかわらず原曲の歌詞が1行しかのこっていない。帯にも「時間がないからカヴァーでいいか」を赤で消して「大好きな女性ヴォーカル曲だけをカヴァーしました」とわざと書いてるあたり...。プロデューサーは三浦さん。

15ELEPHANTS

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2007年3月28日発売の15曲入りフルアルバム。今回のプロデューサーは三浦さん。三浦さんはギター、シンセだけでなくベースのクレジットもあります。三浦さん作曲はインスト含む3曲。

Body and Song

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2010年12月8日発売8曲入り。今回はプロデューサーはバンド名義になっており、三浦さんはエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされています。三浦さん作曲は3曲。そのうち「ケムリの王様」は名曲です。

ザ・ベスト・オブ・ケラ&ザ・シンセサイザーズ

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2011年10月19日発売のベスト盤19曲入り。ファーストに収録の3曲は権利関係のため新たに録音されたもの。ルースターズの「CASE OF INSANITY」のカバーと三浦さんのユニットMicrochips and Fishでケラさんゲストボーカル曲だった「永遠のつづき」のカバーが今回のアルバム用に新たに収録。ボーナストラックとしてFLOPPYの戸田さんによるリミックス曲も1曲。ブックレットには三浦さんKERAさんの15周年対談を掲載。

BROKEN FLOWER

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2015年6月17日発売の、これを書いている時点での最新アルバム。ここで触れなければならないのはこのアルバムではすでに三浦さんがシンセサイザーズを脱退していること。このアルバムは2014年1月より制作が開始されていましたが、2月26日に突然三浦さんがTwitterにてシンセサイザーズ脱退を表明。メンバーも知らなかった突然の脱退騒動の事はここでは深く触れませんが、ギタリスト不在のため他バンドから各曲異なったギタリストにゲスト参加してもらうという形で完成しました。そのため、すでにレコーディング済みだった三浦さんがギターの曲も1曲収録。全部で3曲三浦さん作曲の曲があります。こんな形で完成したアルバムですがシンセサイザーズの最高傑作といえる超名盤。中でも三浦さん作曲の「シャープさんフラットさん」「BROKEN FLOWERS」の2曲がほんとに名曲なので、三浦さん脱退後のアルバムですが必ず聴いて欲しいです。

あとは「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー2013」という4枚組ライブ盤に、結果的に三浦さん参加のラストライブとなってしまったライブの音源や過去の未発表曲のライブ音源なども入っていますのでチェックしてください。

ソニックスカイなど解散宣言していないバンドもありますが、三浦さんが参加し、継続して活動していたバンドとしては最長となるであろうシンセサイザーズは、最近三浦さんを知った方には是非チェックして欲しいと思います。どのアルバムでも名曲といえる代表トラックはみんな三浦さんの曲なんです。突然の脱退で三浦さんもKERAさんも大好きな自分はそれはもう大事件だったんですが、その後、イベントに呼んだり呼ばれたりもあり、そのまま疎遠にならずに良かったと思っています。いつか別の形ででもまた一緒のバンドで見たいなあとひそかに願ってます。KERAさんは自分ほど三浦さんの事を音楽的に評価してる人はいないというような事も、脱退直後の時言っていましたよ。

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