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すきすきスウィッチ「忘れてもいいよ」の話

今回はすきすきスウィッチの「忘れてもいいよ」の話です。

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すきすきスウィッチは佐藤幸雄さんのバンドで「生産体操」を母体にメンバーが新たに加わり1979年すきすきスウィッチとし活動開始。81年には現world standerdの鈴木惣一朗さんも参加。主に活動していたのは79年から83年のようでメンバーは時期により人数含め変動。今回紹介する「忘れてもいいよ」はサブタイトルに「1979→1982」とありますが79年から81年のライブ音源を編集した作品。すきすきスウィッチとしてはその後86年に数回のライブ。90年のCDリリースの際に再結成ライブ。佐藤さんはその後「絶望の友」というバンドで活動などを行っていましたが92年頃に音楽活動から遠ざかります。しかし、2012年にすきすきスウィッチとして活動を再開し、3枚のアルバム(うち1枚は特典)を発表。現在は佐藤幸雄とわたしたちやソロなどで活動中です。

今回はこの大好きな「忘れてもいいよ」を紹介しますが、変則的に自分が入手順に紹介します。

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はじめて購入したのがこちら。90年にCD化された時のものです。「忘れてもいいよ」はジャケットも大好きで、CD棚の面だししていたせいで色褪せしちゃってます。手に入れたのは数年後だったので再結成ライブがあった事すら知りませんでした。
そして何故購入したのかは覚えていません。こちらを買う前にテレグラフワークスは聴いていたので「水道管」は聴いていたはずですが、その時はそこまで気に入った訳ではなかったと思います。のちに初期有頂天でも勝手にカバーしてたり、その事でケラさんが佐藤さんに怒られた話など知りますが、CD買った時は知りませんでした。(この時の話はカーネーションの35周年記念パンフにのも載っています。カーネーションの直枝さんもすきすきスウィッチの大ファンのひとりです)

ローファイって言葉はちょっと違うと気もしますが、演奏してるうちに笑っちゃってたり、完成されたものとかとは方向性が異なるけれど、ほんとに良い"うた"が沢山入ってる。言葉の数は少ないけど、心に残るフレーズが多い。曲がとってもPOP。一聴するとみんなの歌とかでかかっていてもよさそうな曲が多いようにも聞えてしまいます。

こちらのCDは20曲入り。購入時は知りませんでしたが、ソノシートの音源がすべて入っている訳ではありませんでした。そのかわりソノシートに未収録のテイクも数曲入っています。

自分が買った頃は普通に手に入りましたが、その後しばらくして入手困難となりプレミアがついていました。友人何人にもCD貸したりしていました。

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続いて購入したのが1983年5月15日リリースのオリジナル盤。ソノシート5枚組という変則的な形でリリースされたものです。
中古屋でたまにみかけてましたがプレミアついていたためスルーしていました。しかし、ある時こちらを紹介しているサイトを見たところ、CDに未収録の曲がたくさん入っている事をしり、あわててソノシートを探してなんとか購入する事ができました。
ちょうどCD-Rなどが出ていた頃でしたので、ソノシートは1度だけ再生して自分でCD-R2枚組の完全盤を作って聴いていました。

これ、画像じゃわかりませんが、現物がシルクスクリーン印刷でとっても素晴らしいんです。こちらは大好きなブッグデザイナー祖父江慎さんがはじめて手掛けたジャケット第一号の作品になるようです。意匠としてクレジットされています。

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このように祖父江さんの漫画イラストの見開きジャケットの中にソノシートが収納されています。全てライブを収録したものですが、ソノシートは年代別に順番になっています。

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こちらは2011年に発売の待望の完全版CDです。
2枚組で初CD化の際に未収録だった楽曲含むソノシートの全曲に、初CD化の際にあらたに収録された楽曲。そして1990年の再結成ライブから3曲を収録。3曲のうち、アルバムタイトルと同じ曲名の「忘れてもいいよ」と「気がついて思い出して」は初収録曲。
20世紀のリリース作品が全て聴けるだけでなく、全ライブ記録などブックレットに収録されています。ソノシートと収録順が異なっているのは単にCDの収録時間の関係でしょうか?

「忘れてもいいよ」というタイトルで、ソノシートという保存性の低い媒体であえてリリースされた事から、佐藤さんはライブを大事にしていてソフトを残す事にはあまり積極的ではないという印象を持っていたのですが、後追いで聴くようになった自分にとってはCDリリースはほんと有難かった。
このCDが作られた時佐藤さんは静岡で自宅にPCもなく、図書館のPCでメールをしたりとリモートで制作されたそうです。


実は「忘れてもいいよ」について気になってる事が2つあります。

ひとつめはクレジットの事。オリジナルのソノシートでは1曲ずつ作詞・作曲が誰だか記載されています。最近でもやっているような曲は作詞・作曲が佐藤幸雄さんの曲が多いのですが、インスト曲は佐野由枝さんのものが多かったり、メンバーの共作曲もいくつかあります。
しかし初CD化の際には「毎日が君の誕生日」の後ろに作詞・作曲佐藤幸雄 編曲すきすきスウィッチの表記のみ。
完全版CDの方はいろい詳しく載っているけれど、曲については3曲だけ例外曲の記載はあるものの、作詞・作曲 佐藤幸雄、すきすきスウイッチ 編曲すきすきスウイッチとしてまとめられてしまってます。たんなるブックレットのスペースの問題だったのか、それとも大人の事情があったのか、そのあたりが気になってるんです。


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これは友人が以前SNSに投稿した写真です。まさに、忘れてもいいよのジャケットの"す"の文字でびっくりしました。(なお、ジャケットは祖父江さんですが"す"に丸の文字は佐野由枝さんによるものだそう)
こちらは伊勢神宮にあるお店だそうです。
"す"に丸だけでなく波までついているだなんて、すきすきスウイッチを知っていて作ったマークなのか、ただの偶然なのかが気になってます。

聴いたことがない人の向けに音声のみですが「おみやげ」を貼っておきます。


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