見出し画像

2023/09/25 既成市街地における脱炭素を考える。その1

脱炭素・カーボンニュートラルに関する話題がまちづくり文脈において色々な場面で出てくるが、実際脱炭素ってどうしたら良いの?という疑問がある。

新規住宅地で脱炭素は当たり前になりつつありますが・・・

住宅地であればZEHの議論が中心であるが、基本は新築向けにハウスメーカーが頑張ってやっているという感じが強い。拘って戸建てを注文住宅で建てる層にちょうど響く施策という事なのかもしれない。事実断熱性能の優れた住宅は、居住性能もよく、光熱費が安く済む。一方で、後から改修でやろうとすると大変なことから、イニシャルでしっかり対策をしておくことの費用対効果は高い。

既成市街地での脱炭素って・・・

一方で、既成市街地での脱炭素ってどうしたら良いのだろうか?高度成長期に建てられた住宅は、正直断熱性能はペラペラで、今後の更新のタイミングで、ZEHに置き換わることが出来れば、住宅性能は上がり、脱炭素化がすすむと考えられる。
しかし正直、既成市街地の場合、特に個人の高齢者の資産になっている古い住宅地、密集市街地のような場所においては、この建物更新が、市場原理で素直に更新していくとは、到底考えられない。

エリア価値が下がることで。。。

むしろ、エリアの価値が下がることで、地価が低下し、更に安いからと言って、安く家を建てる所得層が、結果的に集積することになる。そして、住民の質の低下し、スラム化とまではいかないが、インナーシティ化していく可能性も否定できない。
実際に、そういうエリアでは、低所得者向けの狭小アパートや戸建てを狙って建設している輩がいて、住宅事業者の風上にも置けない。

個人の裁量が、全体最適になるとは限らない

そういうところに、さらに集まってくる居住者層は言わずもがなと言える。
つまり、成り行きで既成市街地の更新を個人の裁量に任せておくことは、個別最適であっても、全体最適になるとは限らない。

行政の規制誘導だけでは・・・

こういう場所では、行政が規制誘導をかけながら、密集市街地の改善に取り組んでいるが、結局、個人の資産であるので、直接的な効力を発揮することができないため、実行上の効力は限定的と成らざるを得ない。

既成市街地×脱炭素

個人的には、脱炭素という大きな流れの中で、エネルギー問題を含めながら、既成市街地の再生をうまく更新できないかと考えている。

住宅地の課題は、どこで稼ぐか

そして都市における住宅の問題は、住宅地単体ではなく、就業地、産業地との関係であるので、誰が住むのかは、どこで働いて、稼いでいるヒトなのかが非常重要な話である。

臨海工業エリアの課題と併せて解く

そして、今日本の臨海工業エリアはどこも、明治維新以後の殖産興業の重工業が軒並み産業転換が迫られており、大きく変化しようとしている。この時に、世界に先駆けて、既成市街地の転換と産業転換を併せて変革してく取り組みこそ本来の都市経営として取り組むべき問題ではないかと思う。

ここでも行政、業界の縦割りの弊害が・・・

しかし、日本の場合は、産業と住宅地が別々のファクターで構成されているため、管轄する部署も違い、両者がつながるということが少ない感じがある。

バカの壁をどう突破するのか

エネルギー問題やお金の流れに関して言えば、ローカルという概念が通用しないので、本来であれば、その垣根を超えていかなければならないところを、バカの壁がそこにあって、簡単に超えて行けていない。

このバカの壁をどうやって超えていく、突破するのかを今後も考えていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?