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不思議と偶然ばっかりな2人


〇:多分こっち側で合っているはず



極寒の真冬見渡す限り雪しかない、息も白くなり
手足もあんまり思うように動かせない位寒い日の朝



自分はある所に向かっていた




〇:お、多分ここだ



そこは絶景が見れると言われている湖



直ぐに自分はカメラを構えてこの瞬間をカメラのレンズ越しに捉えてシャッターを切る



早朝だからか周りには人はいない、シャッターの音と自分の吐息だけが木霊する



レンズを覗きながら色々な角度で撮っていたら



ドンッ と何かにぶつかってしまう



よく見ると人とぶつかってしまったようだ



〇:すみません!大丈夫ですか?よく見てなくて



?:大丈夫です。こっちこそよく見てなくてすみません



よく見ると、綺麗な女性の人



自分は見入ってしまいつい



「綺麗...」 と無意識に口から出る



?: ...え?



〇:あ、すみませんつい...



?:ふふっ いえ面白い人ですね



〇:あはは...いやぁ嘘ではないんですが...




?:そういえば何故ここに居らしたんですか?



〇:旅行です。ここにすごい絶景が見えるのでカメラに収めようと



?:奇遇ですね私も写真を撮りたくて来たんです。あ、私森田って言います



そう言いカメラを取り出した




〇:そうなんですね 撮れましたか?もし良かったろ写真見せてもらってもいいですか?えっと自分○○って言います!



森:撮れましたけどあんまり上手じゃないですよ?



〇:そんなこと気にしませんよ、それにそれぞれの味がありますから



森:ふふふ 優しいんですね それに敬語じゃなくても良いですよ?多分同い年位ですよね?



〇:え!同い年!?え、失礼ですけどおいくつですか?



森:私22歳です



〇:え!偶然ですね、自分も同い歳なんですよ



森:なら敬語もやめて普通に話しません?はいカメラどうぞ



〇:うん、じゃあそうしようかな ありがとう




彼女からカメラを借り、撮った写真を確認する



〇:ふんふん...



森:どうかな?あんまり上手じゃないよね



〇:いや...そんなことないよコレとか凄い良く撮れてると思う



森:どれどれ...




カメラを覗き込んで確認しようとして顔が近くに来る



〇:あっ、



森:ん?どうしたの?



〇:いや!何でもないよ



そう言い他の写真を見ていると



森:ちょちょちょ、ストップ




そう言いカメラを取られる



〇:あれ、なんか不味かったかな



森:そうじゃな...いやそうかもしれない



〇:まあプライバシーだしなぁ、どんなの入ってても気にしないよ



森:ねぇ、弄ってるでしょ!



〇:痛っ、肩叩かないの!まだ会ったばっかりで叩く?



「お互い様でしょ!とりあえず写真おしまい!   バシバイッ



〇:分かった...分かったから! とりあえず叩くの止めて!





森:うーんじゃあどうしよっか



〇:(まあまあ痛かったぞ) そうだね今何時だ...



時計を見るとまだまだお店が開くには時間がある


スマホを取りだし近くの店を調べてもどれも"時間外"



〇:うん、まだ全然空いてないわ!



森:え〜ならとりあえず歩かない?凄い寒い




よく見ると彼女は手、鼻先まで赤く染ってしまっている



〇:そうね、どこかしらで温まる必要あるね



森:街の方行こ?少しは時間も稼げるし暖まる気がする



〇:そうしようか、てか手袋とかマフラー無いの?



森:カメラ撮る時邪魔になるからホテルに置いてきたの



〇:最近はカメラ用の手袋とかあるけどな、とりあえずはいコレ



自分が身に着けていた手袋とマフラーを差し出す



森:え、いいよいいよ



〇:流石に見てて辛そうだからさ、それにカイロ持ってるんで2個



左右のポッケから取り出して見せる



森:用意周到なのがなんか腹立つけど、ありがとう...



そうして手袋、マフラーを借り身につける



〇:なんか思ったより手袋大きかったか



森:凄いブカブカなんだけど...男の子のってこんなに大きいんだね



そう言い手をバタバタ振り回す




〇:うわ、寒いからやめろぉ!



森:あっははは!面白いコレ




――――――――――


1時間後



〇:やっと街の方着いた...



森:雪のせいで余計時間使ったね



〇:こんなに歩いて着いてもまだ店空いてないね



森:えぇ...



あからさまに嫌な顔をする




〇:とりあえずホテル予約したい...



森:私も予約しないで来ちゃった



〇:まさかお互いホテル取ってないとは



森:ある意味運命だね...



〇:え?



森:ふ、深い意味は無いよ?



〇:分かってるよ...とりあえず1番近いホテルは...



スマホを見て確認する



〇:少し歩くけど近くにあるわ



森:結局歩くのか...



〇:ならここに居てもいいんだよ?



森:む、意地悪...   バシッ



〇:痛ったい!!




――――――――――


10分歩きホテルに到着



〇:あの、今ホテル空き部屋ってあります?




すると1部屋だけあったらしい



森:あった?



〇:良いニュースと悪いニュースがあるけど、どっちから聞きたい?



森:〜じゃあ良いニュースから



〇:部屋はありました



森:おぉ、やったじゃん!で、悪いニュースは?



〇:1部屋しかないって



森:うーん...



〇:どうする?



森:どうするも何も他に行くアテないからこれしかないでしょ?



〇:まあ、そうだけど



森:早く予約しよ、もう疲れたから




結局その部屋を予約することになった



森:あ゙あ゙ぁぁ疲れだぁ〜



〇:どっから声出してるの、怖いわ



森:ちょっとベッドに飛び込んでいい?



〇:子供か、埃舞うからやめてくれ



森:とぉ!!



そう言いベッドに飛び込む



森:あっははは!楽しい



〇:結果やるじゃん!



森: ...これこのまま寝れる



〇:せめてお風呂入って寝なよ



「...えっち」



〇:なんでよ



森:まあいいや、入ってくる



気だるそうに歩きながらシャワーへ向かう



〇: ...暇だな、どうしよ




ベッドに腰かけ部屋を見渡す



〇:カメラ...



ベッドの上に彼女のカメラが置いてある



〇:そういえば見せてくれなった奴気になるなぁ



カメラを見つめては良くないと思い躊躇うが...



〇:いや、見てしまうか



机に置かれたカメラを手に取り起動する



〇:え〜隠すほど下手でもない、むしろ自分より才能があるけど...うん??




最初は風景ばかりだったのが、ある時から人物ばかりに切り替わる


よく見るとそれは自分の顔であった


正直突然のことすぎて頭が混乱し何度もその写真を確認した



ガチャリ


森:ふぅ、サッパリ〜



〇:お、おぉ、おかえり?



森:ただいま...ってなんで疑問形なのよ



〇:いやぁ?なんでだろうな



森:まさか覗い...



〇:それはない、断じて



森:じゃあなんなのよ!...まさかカメラ?



〇:ご、ごめん、朝隠されたのが気になって...



森:じゃああれも見た?



〇: .........見ました



森:そっか...引いた?



〇:いや全然、と言うかなんで撮られたか疑問かな



森:わ、笑わないで聞いてよ?



〇:分かった



森:それは...一目惚れしたから



〇: ...



森:な、なんか言ってよ




少し声のトーンが落ち俯いてしまう



〇:ねえ顔上げてよ




彼女は顔を上げたその時


パシャリ




森:うわっ何で今撮るのよ!



〇:うんうん、いい驚き顔だね



森:いやいや無視しないで?



〇:ああごめん、なに?



森:なんで!写真!撮ったの!



〇:だって綺麗だったから



森:情けはいらないよ...



〇:自分そんな器用な事できると思う?



森:確かに無理だね



〇:そう、だから本音です



森:それって...



〇:好きなんだ君の事



森:ふーん



〇:あれ?何その反応



森:まだ足りないかな



〇:ゴホン えっと、自分と付き合って欲しい



森:うーん




と言いながら近寄ってきて抱きしてきて



森:まあ及第点かな



〇:なら抱きつかないでよ



森:嫌だね



〇:えぇ困ったな、お風呂入ってないし



森:じゃあすぐ行ってきて!




お風呂に入り数十分後



〇:ふ~さっぱりした



森:やっと出てきたぁ!




駆け足でやってきて先ほどと同じ形に戻る



森:暖かいね、それにいい匂い



〇:お風呂入ってたからね、暖かいだろうし



森:今日はさ...一緒に寝ようよ



2人分のシングルベットがあるのに1つのベットに横なる



〇:せっま...



森:ギュッてすればいいじゃん



〇:そうだね、暖かい



森:ふふっ ねぇ明日はどこ行く??



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