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精神を安定させる

何か時間のかかる仕事をするにあたり一番大事なのは精神を安定させることだ。

なぜなら精神が安定せねば途中で仕事は途絶してしまうからだ。

そういうわけで、精神を安定させること=仕事であるとすら言える。

一方で、精神を安定させず、むしろ精神のバランスを積極的に崩していくことで仕事を進めるという方法もある。

それはいわゆる『火事場の馬鹿力』を利用して仕事を進めるという方式になる。

その方式を愛する者は、意識的、無意識的に、自分の生活に火事場=緊急事態を生み出しさえする。

この火事場の馬鹿力方式の仕事の進め方は、心理的、肉体的な消耗が激しい。しかし短期間で仕事を成し遂げてしまいたい、という場合は有用かもしれない。

だがそうではなく長期的にさまざまな仕事を形にしていきたいぞ、という場合にはやはり、精神を安定させるスキルを高めながらの、安定志向の作業が向いていると思う。

『火事場の馬鹿力方式』と『安定志向方式』、この二種の仕事の進め方では、脳の使い方がまったく変わってくる。そのため、どちらからどちらかへと一瞬で意識を切り替えることは難しい。

火事場の馬鹿力方式で仕事をするスタイルが深く身についている人は、安定志向方式へと仕事のやり方を切り替えるのに多くの時間がかかるかもしれない。

また、その切り替えの際、これまで身につけた自分のパワーが失われていくように感じられるかもしれない。

それもそのはず、精神を安定させるとはつまり、『火事場』なる緊急事態が身の回りと心の中から消えていくことを意味する。

そうすると大切なパワーソースの一つが失われたように感じられるのも、しかたのないことである。

しかし長く安定して価値あるものを出力し続けるためには、安定した精神から仕事を成し遂げるスタイルを身につける必要がある。

それは時間かかることかもしれないが、そのための修練は実りあるものである。

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