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ミニマム開業日記  【エリア選定】

割引あり

はじめに

お疲れ様です。流浪医たつまると申します。
これまでドロップアウトした医者でも、なんと生きていけるよ、という発信をしてきました。
その主張自体は特に変わっていないのですが、
自分のライフスタイルや気質、生活事情を考慮して
この度、開業することになりました。

この執筆時点では開業直後になるのですが、半年かけて準備してきた時点で得た知識や考え方を共有できればと思い、ぼちぼち長くなりそうなのでnoteにしています。

今回はエリア選定編です。

未だ見られる重装開業

さて、開業医というと廃業率が極めて低い、ということは知られた話かと思います。

企業の信用調査機関である帝国データバンクの調査によると、診療所の年間倒産数は2000年から2019年の平均で15.3件/年です。2019年時点の診療所の数は約10.2万なので、倒産したのは全診療所のわずか0.015%です。同年の一般企業の倒産発生率0.25%と比べると開業医の倒産は極めて低いと言えます。裏を返せば、それだけ開業医の成功率は高いことになります。

PHCメディコム ホームページより

この事実を持って開業コンサルタントや各業者は、「先生なら大丈夫ですよ!」と甘い声で囁いてきます。

彼らは非常に口が達者ですので、多くの医師は「これだけ廃業率も低いし、開業医の知り合いは皆何やかんや良い暮らししてるし、自分も大丈夫だろう!」とタカを括りがちです。

その結果、キラキラした一等地に開業したり、MRIまで導入した重装開業などをいとも簡単に行ってしまいます。
また、多忙な勤務医としての生活の中で、細かい計画を考えるのが面倒くさいということもあるかもしれません。

いずれにせよ、自身に都合のいい情報と甘い皮算用をベースに、非常に重たいスタートを切る方が多いという印象です。

開業する場所で勝負は決まる

今回は「エリア選定」に関しての話なので、設備に関しては割愛しますが、前述のようにキラキラした場所で開業したくて、
要は「自分が暮らしたい土地」に開業するケースが見られます。

私が開業医の教科書としてマークしているスラリソ先生の主張でも同様です。(元は蓮池林太郎先生のお言葉ですが、、、)

「開業するまで家買うな!」

これは家を買ってしまうと、その場所に縛られて開業エリアも自ずと限られてしまい、勝てる土地で開業できない、ということです。

また、私が個人的に師事している開業医の先輩の言葉ですが

「天の時、地の利、人の和」って言葉があるけど
開業の時に重要なのは前半2つ、人の和は走りながら軌道修正するものだからね。
そして天の時より地の利が重要なんだよ。開業時に勝てるか土地かどうか、「地の利」を一番に考えなさい。

尊敬する先輩開業医の言葉

というものがありました。
「地の利」というと難しいですが、要は
・人が多く住んでいる
・競合が少ない 
・家賃が高くない

という部分を満たせるか、ということです。

冒険か 安定か

とはいえ開業するというのは、安定した勤務医の立場を捨てて、借金もして、まさに人生をかけた大勝負

こういうとき、医者自体の悪い癖なのですが、アドレナリンが出てしまいついつい冒険心が出てしまいます。

せっかく開業チャレンジするんだから、がつんといったれ的な

冒険もありだと思いますが、「勇気と無謀は違う」といいますので、しっかりとした事業計画は持っておきましょう。


『キングダム』より

都心?田舎?

また開業するにしても都心にするか、田舎にするか、というのは迷う部分です。
ここまでの流れから、都心は競合も多く、田舎がいいよという流れにもっていこうとする流れは見えたかもしれませんが、田舎もいいことばかりではありません。

都市部に構えるデメリットは
・家賃など固定費がバカ高い
・人件費も高い
・競合が多い
といった部分です。

なので、多くの開業医の先輩方は、
『都市部に住んで、開業は田舎で』が最強

とおっしゃります。確かに理にかなっていますが、実際に田舎生まれ田舎育ちで、地元である田舎で開業した僕の感想を述べておきます。

(ここから先は非常に個人的な感想で、かつネガティブなこともあるので、有料とさせていただきます)

田舎の現状は?

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