神の目ゴッドアイ

「フッそのホドドか」
「えっ今なんて」
「お前の技は見切ったと言ったんだ」
「その前になんて言ったって」
「お前はそのホドドかって言ったんだ」
「ちょちょちょ、君それ読み方間違ってない。なにホドドって。
 テイドと違うの。待って待って」
 俺は剣を振り上げた。
「隙アリ!」
 悪食の王はゲラゲラ笑っている。
「待って待って。人を笑わせておいて隙アリもなにもないでしょ。
 それ、ズルくない。ねえ、なに隙アリって。嘘でしょ」
「読めたぜ、お前の能力」
 俺は再び剣を構える。
「待って待って、お腹いたい。能力の前に程度ぐらい読んで。お願い」
 俺は神の眼、ゴッドアイを光らせた。
 ゴッドアイは赤く光る。これで相手の能力と弱点を読む。
「それ花粉症じゃね」
「俺はお前の邪悪を感じた日からゴッドアイを得た。
 その日から備わった能力だ」
「それ、いつから」
「2月すぎたあたりだ」
「花粉症じゃん。かゆみはないの」
「神から得た能力を感じる」
「かゆいんじゃん」
「去年はなかった」
「あ〜今年から発病したのね。今年は去年の倍の飛散量だってね」
「しかし、このゴッドアイでお前の弱点を見極めた。
 お前の弱点は牙だ」
「君、俺が歯医者から出たところ急に襲ってきたからソレ言ったんでしょ。
 皮膚科から出てきたら同じこと言える、ねえ」
「お前の牙を折れば無力」
 俺は大きく跳躍して剣を振った。
 ガキン、ガキン。
「ねえ、ちょっとその前に今のなに。スキップなの」
「跳躍だ」
「チョウヤクって、少しも体飛んでないじゃん。大丈夫。
 君、もしかして逆上がりできずに義務教育終わった人」
 俺は咄嗟に相手を萎縮させる気合いとともに剣を下ろした。
「急に大きなくしゃみしないで」
 悪食の王の牙が折れた。
「じゃあな牙をなくした哀れな化け物」
 四天王もこのホドドじゃ面白くない。
 まったくツッコミにも動じない強すぎるのも人生困りものだぜ。

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