🫘アシュレの日🛶 Aşure Günü 2024/07/17

7月17日(水)より提供する期間限定メニューのお知らせです。

トルコにはヒジュラ暦(イスラム暦)第1月、ムハッラムの10日に食べられるデザートがあります。

《Aşure》アシュレ

われらの命令が来て、かまど(をひっくり返すように大地)の水があふれ出たとき、われらは言いました。(ヌーフよ)すべての生き物の各一対(雌雄)と、あなたの家族――ただし(すでに溺死宣告の)言葉が出された人を除いて――、また信者たちを乗せなさい。でもかれ(ヌーフ)と共に信仰した人はわずかでした。
かれは言いました。これ(方舟)に乗りなさい。アッラーの御名によって。航海においても停泊においても。本当にわたしの主は、よく赦すお方であり、慈悲深いお方なのです。

クルアーン 第11章40-41節

アシュレはこのヌーフの方舟にまつわる伝統的なデザートです。

「ヌーフ?」「すべての生き物?」「方舟?」何か聞き覚えがあるなと思った方、そうです。
旧約聖書においてはノアの方舟とよばれる逸話です。
(このデザートは英語では「Noah's pudding」ノアのプディングともよばれます。)

そしてこう(アッラーから)言われました。大地よ、あなたの水を飲み込め。空よ、(雨を)止めなさい。すると水は引いて、その命令は成し遂げられ、それ(方舟)はジューディー山上に乗り上げました。次いでこう言われました。不正を行なう人びとを追い払いなさい。

クルアーン 第11章44節

ヌーフの方舟が大洪水を免れジュディ山(旧約聖書ではアララト山)に漂着した日、舟に残った食料で作ったのがこのアシュレだと言われています。

さて、方舟がたどり着いたのはクルアーンに記されたジュディ山なのか、それとも旧約聖書に記されたアララト山なのか。
現在のトルコ、アルメニア、イランにまたがる地域にはかつてウラルトゥ王国が存在し、旧約聖書の“アララト山”というのは現在のアララト山やジュディ山を含むこの“ウラルトゥ”のどこかなのでは、…という話を始めると長くなるので、興味のある方はこちらの記事をどうぞ。

どんなスイーツなの?

長い漂流を経た舟に残った食料をかき集めて作ったと言われるだけあり、小麦や大麦、米などの穀物、いんげん豆やひよこ豆などの豆類、デーツやイチジク、レーズンなどのドライフルーツに、さらにはナッツにスパイスといったたくさんの食材を煮たデザートです。
日本の食べ物で言うと、みつ豆やぜんざいのようなものでしょうか。

アシュレという名はアラビア語で「10番目」を意味する「عاشوراء/Ashura」に由来し、新年10日に食べられるということでぴったり10種の食材を使わなければいけないとか、7種だとか、12種だとか、はたまた41種もの食材を使ったり…とレシピは無限にあります。

写真は店主が何年も前に作ったアシュレ

41種もの食材は用意できないかもしれませんが、せっかくならおいしく食べられる一品にしたいと思い、レシピを調整中です。

今年のアシュレの日はグレゴリオ暦で7月17日(水)です。
この週の日曜21日ごろまで提供できればと考えていますが、非常に手間のかかるデザートです。
一度売り切れてしまうとすぐにはご提供できないため、気になる方はInstagramのDMにてご連絡いただければお取り置きいたします。


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