故・河合隼雄 臨床心理 秘話
故・河合隼雄先生の実際のカウンセリングの秘話。
河合先生は、日本人として初めてユング研究所にてユング派分析家の資格を取得し、日本における分析心理学の普及・実践に貢献した。また、箱庭療法を日本へ初めて導入した。臨床心理学・分析心理学の立場から1988年に日本臨床心理士資格認定協会を設立し、臨床心理士の資格整備にも貢献した。
統合失調症のクライアント様がひどい幻聴に悩んでご相談に見えた。
精神科医に、きちんと治ることはないと言われ、最近流行ってるカウンセリングではどうだろうかとお越しになったクライアント様です。
言うまでもないが、統合失調症をカウンセリングで治すことはできない。
そこで「どうしても」と言われるのでこれは死ぬ覚悟でお受けしようと。。。
次のカウンセリングで、「どうしてもやりますか」と聞くと「やります」
と言われた。
そこで用意してあった
耳栓を差し出し、耳栓をしてもらった。
カウンセリングの残りの時間、そのままで過ごしてもらい
終了の時間がきて、このクライアント様はこのように言った。
「治療はもういいです」
「何も聞こえないより、幻聴でも何か聞こえるほうがいいです」
この言葉に、河合先生は一言、
「幻聴と一生仲良くつきあうのもいいかもしれませんよ」
と言ったそうだ。こして、クライアント様は、自分の悩みを自己解決してお帰りになった。
この秘話には多くを学ぶことができる。みなさんも自分なりに考えてみてはどうでしょう?
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