略語の話

 バイト先のことを「バ先」って言うらしいですよ奥さん。10ぐらい年下の子たちが話しているのを聞いて衝撃を受けた。まだ自分も若手側と思っていたけど言葉の違いは年の差を実感させられる。最近あまり見聞きしないが、多分私たちの世代(の一部)が「こマ?」などと使っているのを見た親世代の衝撃もこんな感じだったのだろう。

 とはいえ世代に関わらず使われている略語の中にもそっち略しちゃったの?と言うものがある。

 携帯とか携帯電話から携帯だ。電話要素どこ行った。同じ文字数でもケイデンとはならなかったのである。

 おそらく固定電話と携帯電話の移行期に区別をつけるために違いの部分だけで話されるようになったのだと思う。固定電話の方はもともと単なる電話と呼ばれていたし、段々数を減らしているので新しく「固定」という言葉が流行ることもなく。

 スーパーもそうだ。よくよく考えたらスーパーはもともと「超」と言う意味しかなかったはず。スーパーサイヤ人のスーパーである。中国語でスーパーマーケットは「超市」だ。

 こちらも昔は八百屋、化粧品店、家具屋など今で言う専門店的なものが一般的な「マーケット」で、いろんなものを売っている店という意味で「スーパーマーケット」なのだろう。で、元の言葉と違う部分だけが残って「スーパー」と。

 それを考えるとバ先はどうだ。言葉の成り立ちは携帯やスーパーとは違うが、「バイト」要素も「先」要素もちゃんと残っている。そう思うとかなり良心的(?)な略語な気がしてきた。



ちなみに

レーザーも略語なんですってよ。

Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)

頭文字をとってLASER。なんと発生原理まで表した言葉だったのでした。

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