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ジム通い雑考 〜ジムに死霊の怨念は宿るか〜

久しぶりの投稿となりました。今日はジム通いについてです。
この頃、トレーニングジム通いを頑張っています。仕事終わりに週2日ほど、1時間ぐらい通っている。通ってやることといえば、マシンで走ったり自転車を漕いだりです。で、無心でトレーニングをしていると、ぼやぼやといろんなことをたくさん考えるので、今日はそんなことなどを書きます(全然無心じゃないですね)。

ジム通い=爽やかマン??

皆さんのように四六時中暇さえあればネットに入り浸っている人間 ジムにあまり行かないという人々にとっては、ジム通いと聞くと、「すごい!」「爽やか」「健康的!」と感じるかもしれません。あるいは「脳みそを筋肉に支配された近寄りがたい陽キャ」などと思うかもしれません。思いませんか? 僕は以前そのように感じていました。就活の説明会などで、担当人事が「趣味は筋トレ! 仕事終わりはジムに通ってます!」など自己紹介し始めたら、「こいつはなんて空虚でつまらない人間なんだ」と感じていました(非常に悪い癖ですね)。それぐらい、ジム通いマンに対しては、自分と違う人種というか、決して仲良くなれない何かを抱いておりました。

ただ、最近ジムに通い始めて、このイメージが崩れています。ジム通い=爽やかマン、とは決して限らず、むしろジムには鬱屈した人間が集まっているのではないかとすら感じています。

皆さんは、漫画『呪術廻戦』を読んだことはありますでしょうか? あるいはジャンプ+の作品などでもよいです。この頃の漫画では、霊や鬼や悪魔など、人間の「負の感情」から派生する何かと戦う作品が非常に多いかと思います。
こうした漫画が多い理由として、舞台を「学校」に設定しやすいことが一つあるのではと考えます。例えば呪術廻戦では、第一話で次のように言っています。「学校や病院のような大勢の思い出に残る場所には呪いが吹き溜まりやすい」「辛酸・後悔・恥辱 人間が記憶を反芻する度、その感情の受け皿となるからな」などなど。確かに僕も高校生時代は恥辱まみれでした。

で、問題はジムですね。学校や病院には、こうした呪霊やらが湧きやすいとして、トレーニングジムはどうなのか? どうなんですか? これについて、あまりジムに通っていないトーシローは、「ジムは健康的な人間のオドで満ちているので、死霊の類は湧かない」と考えるかもしれません。浅はかの極みですね
この頃ジム通いをしていて思うのは、ジムはそんな正のエネルギーで満ちているわけではなく、どちらかというと負の感情でいっぱいなんじゃないかということです。

ジムは負の感情でいっぱい??

なぜジムは負の感情でいっぱいと考えるのか? 理由の一つ目は、端的にジムは苦しいからですね。トレーニングは苦しいです。当たり前だ。みんな肉体的な苦しみに喘いでいます。ので、実際のところ、ジムは全然爽やかではないです。普通に苦痛に満ちている。顔が死にそうな人がたくさんいます。

加えて、ジムは殺風景さも度を超えています。彩りがゼロ。あるとしたらボルダリング用の壁ぐらい。それ以外は全部黒か灰色か、赤錆の生えた鉄色です。まあそれは僕が通っているジムだけかもしれませんが…… これも爽やかさからはほど遠いです。まだ病室とかの方が爽やかかもしれません。

そして何より、ルームランナーにしろエアロバイクにしろ、やっていて何も風景が変わらないんですよね。ずっとただ壁を見ながら肉体を鍛え上げている…… これがツライです。同僚と話した際、「ジムでルームランナー走るなら、公園でランニングするわ」と言っていた人がいましたが、これは本当に何もかもが正しい。絶対外を走った方が楽しいです。もちろん、ルームランナーには色んな機能が付いているので、正確に身体を鍛えたい人にはこっちの方がおすすめかもしれませんが……
ちなみに、YouTubeやNetflixを観ながらやっている人もいますが、これはこれで全く動画に集中できなさそう。同僚Bは、ジム中ずっとNetflixのランキング一位のドラマを倍速で流していると言ってましたが、これはThe・現代人で面白いなと思います。

最後に、ジムには肉体的な苦しさだけでなく、精神的な苦しさも満ち溢れていると感じます。ジムに来る人は少なからず、「今の自分を変えたい」との気持ちを持っているはず。僕の場合は「ぶくぶくと膨れ上がってきている腹をなんとかしたい」という気持ちがあります。これすなわち負の感情です。つまりは、ジムに来る者は何らかの劣等感をこさえているんじゃないかということです。

で、ただでさえ己に負の感情を抱いているのに、いざトレーニングを始めてみると、すぐバテる、続かない、息があがる、体力の衰えを感じる、苦しい、壁を見続けるのが虚無過ぎると、本当にしんどいことばかりです。しかも、サッカーやバスケなら、ゴールを決めた瞬間はテンションアガるなどがありますが、トレーニングマシンは本当にそれがないです。ただモニターに表示された数値(走行距離やら心拍数やら)が上下するのを見続けるだけで、盛り上がる瞬間がないです。「おぉ‼ 心拍数が大台の180を越えた‼‼ うぉおおおおおおおお‼‼‼」などとなることもないです(なってたら危険なのでやめさせましょう)。

つまりは、ジムに通う=爽やかマンとは決して限らず、どちらかというと、行く前は「体重増えた」「医者に運動しろと言われた」「恋人を作るためになんとか、、、」などと悩みつつ、行ったら行ったで「ぐるじぃ…..」「なぜこんなツラいことを……」となるような、負のカルマを背負った人間が多いのではないかということです。僕がそうです。

更衣室はやばい

すみません、ジムには死霊が湧くか湧かないかという問題を越えてもうひとつ、ジムにはもはや死霊そのものみたいな場所があります。どこでしょうか。それが男子更衣室です。女子更衣室もそうかもしれませんが、僕は見たことがないのでわかりません。見たことがあるという人は教えてください。

これも僕が通っているジムだけかもしれませんが、男子更衣室の何がすごいかというと、まずその汗臭さです。効果音を付けるとしたら「ムンムン」です。最悪ですね。”汗臭さの悪魔”というのがいたら、まさにこの空間がそいつの腹の中だと毎回感じています。

あと、更衣室は基本的にカオスです。一人一人のロッカーが細長く、通路も狭いため、必ずどこかで「お前ジャマだよ」的なやり取りが起きています。あとシャワー室が隣にあるので、全裸でうろついている男が必ずいます。本当に絶対にいる。銭湯でもないのに裸の男がうろついているのは、正直やめてほしいなと思います。たまに裸の男とスペースの取り合いが起きるので、原始の村とかこんな感じだったのかなと考えています。

ジムのよいところなど

そんなわけで、今日言いたいことは、ジムに死霊が湧くか湧かないかと言えば、絶対湧くということでした。それぐらい負の感情がありそうだということです。そんなに爽やかとは限らん!!
ただ、ジムのマイナスな面ばっかり書いたので、よい面も書きたいと思います。

まず先ほど、ジムには精神的な苦痛も満ちているとのところで、「ジムに来る奴は自分に対して何かしら不満を抱いている」ということを言いました。ただ、これはむしろ、「今の自分を変えたい」という前向きな気持ちの表れでもあるかと思います。こんな自分は嫌だと思いつつ、どうしても部屋から出られない人間と、同じ事を思いつつも、とりあえず頑張ってジムに行ってみようという人間では、後者の方が正のエネルギーが強いのではないでしょうか。つまり、負の感情を抱きつつも、それを正のエネルギーに変えようとしているということ。これが反転術式ということ何でしょうか⁉

もうひとつ、最後にジム通いコラムを書きます。トレーニング中は、何かと考え事をすることが多いです(他にすることがないから)。そんな中で最近思うのは、ジムとはまるで我々の社会のようではないかということです。

トレーニングルームというのは、横一列にマシンがずらっと並んで、自分の横で同じ機械で運動している人がいます。で、そうなると、僕は少年ガキの心を持っているので、隣の人間を横目で見つつ、こいつには負けたくねえ!! と思います。先ほども書いたとおり、ジムに来る人間は鬱屈した人間ばかりなので 負けず嫌いな人も多いと思うので、これは意外と誰しもやっているのではないでしょうか。

ただ、ここがポイントですが、隣で走っている人間が、どれほどの運動負荷をかけているのかについてはちらっと見る感じではよく分かりません。運動負荷というのは、例えば「マシンのスピードをどのぐらいにするか」といったことです。スピードの他にも、マシンに斜度を付けたり(坂道を走っているようになる)、エアロバイクであればペダルを思いきり重くしたりと、傍目からは観測しづらい負荷も多々あります。

で、マラソンとかだと、皆で一斉に走るので、誰が速くて誰が遅いかは丸わかりです。中には「Aくんはあんなに遅いから、まるで真剣にやってないんだ」なんて嘯く輩もいるかもしれません。渇ッッ!!!!!  そんな感じで、皆で一斉に同じコースを走っていると、どうしても「出来ないやつ=頑張ってないやつ」と判断されがちだと思います。

ただ、トレーニングルームでは先ほども書いたとおり、隣の人の運動負荷までは分かりません。横のやつは自分よりペースが遅いけれど、その分ペダルを重くしているかもしれないし、自分より後に来た割にすぐやめたけど、その分負荷をかけまくっていたのかもしれない。そのように、表面的に見えている部分だけでは、その人の頑張りは測れないということが、最近ジムで汗かきながら考えていることです。つまりは、ペースが遅くとも、短時間だけでも、ガチ全力でやっているかどうかはその本人のみぞ知る、ということですね。

これは実生活でもそうだなーと思っているところです。「あの人は仕事が遅い」とか「覚えがとにかく悪いな〜」とか、思うこともまああるけれど、でもその人が「全力でやっているかどうか」は、他人が判断してはいけないことですよね。その人がどのような運動負荷を抱えて頑張っているのか、傍からは分からないわけですからね。そういう感じで、「各人が各人の全力を生きているんだ」ということを、学びとしたいと思います。
以上、今週の"ジム通いコラム"でした。もう書くことはないのでこのコラムは打ち切りです。


終わり

ジム通い雑考でした。久しぶりの投稿になりましたが、偏見をぶちまけることができて楽しかったです(本当によくないね)。

もし皆さんの中で、ジム通いは陽キャのイメージがあって億劫だ、という人がいたら、ぜひ「死霊を眺めに行く」という気持ちで行ってみてください。世界の見方が変わるかもしれません。
そして普段からジム通いされている方で、「お前はあまりにもジム通いに偏見を持ちすぎだ」と感じた方は、ぜひ高評価とアカウントフォローのほどよろしくお願いいたします。


*ちなみに、サムネはてきとーにAIに「トレーニングルームに出てくる幽霊の画像を作って」と頼んだもの。洋物ホラー映画では、調子に乗ったマッチョ(アメフト部)がパニックの末に惨殺されたりもしますが、こいつはワンパンでおばけを倒せそうですね。