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本間織布


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兵庫県三田市にあるBARNSHELFのさんのお客様の
おじい様が西脇にて営んでいた工場の機械を、お客様の奥さまが引継ぎ、オリジナルで織り上げていただいた特別なヘリンボーンです。
BARNSHELFのオリジナルハットのための生地として作らました。

それを、特別に使わせていただいております。

素材を「語る」つもりで作られたものではなく、とても自然で特別な流れで出来上がった素材です。

そして、僕はこの素材が 本間織布さんが作るその素材が大好きです。

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この素材には、不規則なムラがあります。

「ムラがあります」などというと、不安になられるかもしれませんが、まったく問題ございません。「そうゆうムラ」ではございません。品質に何の問題もございません。

ですが、ムラがあります。それは「間違い」ではなく、「人間味」という事です。

「ムラ」という言葉が、ネガティブなイメージで伝わってしまうかもしれないと思う事からも、やはり「良質」が記号化された基準になってしまい「趣」が伝わらなくなってしまったことは否めません。

例えば・・・「ナンタラ綿を通常の2倍撚りを強くして、旧式の織機でゆっくりと空気を含みながら極限まで詰めて・・・・」などのように

趣は、記号化出来てしまう良さではないので、文字化できにくいことなのです。

当然、創る側が敢えてそうしてやろうとした、「ワザとらしいもの」でもございません。とても一生懸命さが伝わるし、ワザとらしくなく、自然と味わい深く「漂う良さ」があるんです。

そういった趣のあるものに、本当は愛着がわき 長く付き合えるという事になるはずです。


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目の前にある、手に触れられるものよりも、手のひらの 小さな画面の向こうに、確かにある様に見える世界の、記号化された美しさとか良質とか思想にこそ説得されるけれど、「なんか良い」「なんか変」に確信がもてなくなるのかもしれません。

僕は、やはり・・・だからこそ やはり、自分で手を動かし物を作る人のモノが好きです。自分の基準で一生懸命に手を動かしモノを作っていると、こういった文字化できない、曖昧だけれども確かな「良い」を知ることができるし、いかすことができると思います。

人間味こそは迫力であると思います。結局は、着る人も人ですから 自分では真似できないような技や仕事に出会ったときも、ふと垣間見える人間味に触れられるからこそ、愛着が生まれるのだと思うのです。


良質というのは 「ミスもなく人間味もなくわざとらしい」ものではなく、一生懸命から生まれる、ごくごく自然な風合いのモノだと思います。

平らなアスファルトの道路が普通であって、土と草の道が珍しいものとなっているから、そう思うのは難しいかもしれません。

ただ、どちらに触れたいか? 転んで寝そべるならどちらか? 普遍性や本質はどちらか?

そういった事かと思います。

とにかく、僕の大好きな素材です。ごく素朴な風合い。だけれども、芯の強さと深みを感じます。

快く使わせていただいた BARNSHELFさん 本当にありがとうございます。

僕も、手を動かし物を作る人間の端くれとして、その素材の良さを十分に味わっていただける形に仕上がったと思っております。

皆様、是非一度ご体感くださいませ。




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