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「Qに贈るA」 C101サークル参加情報

 こんにちは、タタミベリ(Twitter: @tatamiberi)です。
 2022年末に開催されるコミックマーケットC101、サークル参加の出し物(KAMITSUBAKI STUDIO 二次創作小説)についてご説明します。

C101サークル参加情報

一日目 12月30日(金) 東1ホール K-06b
サークル名「タタミベリ」
サークル名と名義一致なのは伊東ライフ先生リスペクト

頒布物

表紙画像(本はA5タテです)

KAMITSUBAKI STUDIO 二次創作小説
洋灰ようかいの都うずめし神椿」
A5サイズ 全156ページ イベント頒布価格1000円
※メロンブックス様にも委託します。委託価格は1200円です。

あらすじ

 これは量子通信網が普及した未来の物語。茨城の地には、東京に次ぐ第二の首都があった。物々しい鉄の壁「環状防衛機構・花輪リース」に囲まれた、その都の名は常盤木市。大企業TOKIEDAを始めとする多くの企業が開発に参入し、人々が流入し、今日も国の経済活動の支柱として動き続けている。

 しかし常盤木市は、特殊な問題を抱えていた。それが“不可測獣”だ。不可測獣とは、その名の通り不定不測の存在であり、量子通信網の稼働で揺らいだ現実世界の狭間から現れる、それぞれの個体に共通点の無い怪物達である。物語が始まる何十年も前から、人々は不可測獣に苦しめられてきた。その脅威は、首都である東京ですらも例外ではない。だが、常盤木市が成立してからは、どういうわけか、発生箇所が国土全体から、常盤木市内に限定されるようになったのだ。

 こうして全国どの場所でも、量子通信網が安全に使えるようになったものの、その引き換えとして常盤木市は、日々の経済活動を維持しながら、不可測獣に対処するという難しい課題に晒されることとなる。ときにトラックを軽々と引き倒す化け物達に、並の人間を当たらせるのは危険が過ぎる。

 そこで集められたのが、不可測獣の存在領域……“不可測”に関わる者達だ。観測行為で不可測を選べる者、不可測に半身を浸食された者、代々不可測に関わってきた血筋、あるいは不可測獣そのもの。彼女達は“魔女”と呼ばれ、表向きは公的な組織である“異獣課”に所属して、不可測獣が現れる度に、臆することなく立ち向かってゆくのだった。

 量子技術の全国利用、その量子のゆらぎから生まれる不可測獣。魔女達は、生まれた歪みの埋め合わせに暗躍する。この仕組みは、上手くいくようにも思われたが……。

各章解説

#1 不可測

 高校二年生、岩結いわい詩映しえは校内ぼっちである。彼女は教室の後ろ側に同じくぼっちの少女、森崎もりさき花譜かふを見つけるが、勇気を出して声をかけたところ、不可解な言葉を返され、腹を立てることに。しかし、それが詩映の“観測者”としての役割の始まりだった。

#2 不可逆

 “異獣課”の魔女、理芽は新入り観測者の詩映に状況を説明する。老いたる東京の避雷針、それが常盤木市だという事実。しかし、課の使命を説明すればするほど、理芽自身の心のわだかまりは強まってゆく。何故、不可測獣を殺してはいけないのか。そんな理芽のひび割れに、神谷かみや 依典いのりが忍び寄る。

#3 不可能

 春日家の跡取り、穂乃香ほのかは現在進行形で、お家争いに巻き込まれている。大企業TOKIEDAが絡んだ争いは、“異獣課”の存続にまで関わり、彼女のフラストレーションは溜まる一方だ。そんな中、これまでになく強力な不可測獣が市内に現れる。伝説の“春猿火”は、いつ到来するのか?

#4 不可避

 春日穂乃香とヰ世界情緒は、オフの日に美術館へ行った。国宝の鳥獣戯画を鑑賞するのだ。だが、館内から逃げ惑う人々に、二人は異獣課の使命を思い出さざるを得ない。そうして現れた不可測獣は、意外なものだった。
(Pixivにアップした「カリカチュアの惑い」の再録・修正版です)

#5 不可動

 いつまでも魔女に頼ってはいられない。不可測獣には、システム化された対策が必要である。その一環で作られた花譜そっくりのAI可不は、まだ生まれて間もない状態だ。はたして、可不は目覚めるのだろうか。そして、神谷依典の再びの接近。心の在り方がいま、問われる。

#6 不可識

 ヰ世界情緒は人間に擬態した不可測獣である。故に人間の食べ物では足りず、いつも腹を空かせていた。そんな彼女にしか気が付かない、敵の侵入。過去最大の不可測獣“静かの海”が迫るとき、彼女の過去が繰り返し、フラッシュバックする。それは遠い国の、戦争の記憶だ。

#7 不可侵

 幸祜はジプシーの血を引く魔女であり、呪物で魔法陣を組み、不可測領域を発生させる術を持っていた。そんな幸祜を訪ねる、謎の魔女・シノ。彼女はこの現実リアルとは違う物語フィクションから来たという。幸祜の出自は偽りか。記憶は、来歴は正確か。その問いは、やがて都市に隠された真実に突き当たる。

#8 不可欠

 神谷が追い求める“救済”。
 純粋すぎた、ひとりの男の理想。
 対するは、五人の魔女たち。
 未来を救うのは、誰。

前日譚のnote公開

 物語の前日譚である「笛吹きの預言」をnoteに掲載します。
 2020年花譜弐周年HPに載せた内容を、本作に合わせて修正したものです。
 こちらをお読みになり、冬コミに行くとか行かないとか、やっぱり行くとか、地元の奇祭に参加するとか、色々とご検討頂ければ幸いです。


KAMITSUBAKI STUDIOはライブパフォーマンスや配信で、
私達にQ(問い)を出し続けてきました。
では、A(答え)はあるのか?
……Qとは次の世代への問いかけであり、
あこがれや希望を持つには枯れてしまっている自分が、
答えを出すものではないと考えます。
しかし敢えて。
「本作がQに贈る(個人的な、ひとまずの)Aだ」
と言わせて頂きます。
今できる限りでお届けします。

 ――と、鼻息荒くして語るのは自分だけでいいので、皆様は気軽に弊サークルへお立ち寄りください。立ち読み結構です。消毒はしましょう。
 やっと好きなものに……こういう形でお返しができるようになった。
 それでは当日、お待ちしております。

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