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有料オンラインサロンを閉鎖した話

こんにちは tataです。

昨年の4月にコロナ禍の中スタートした有料のオンラインサロン「Online Music Salon」を半年継続して昨年の10月末に閉鎖しました。現在は、無料のオンラインサロン「オンラインサックス部」に名前を変えて再スタートしたのですが、なぜオンラインサロンを始めたのか、なぜ有料を辞め無料にしたのか、どこに課題があったのかなどを包み隠さず書いていきたいと思います。


なぜオンラインサロンを始めたのか?


僕は上手さや競争ではなく純粋に音楽を楽しみ、大切な人へ音楽を届ける。そんな音楽がしたい。そして、そんな音楽を愛する人を応援したい。という想いで「tataのサックス講座」やレッスンなどの活動を行なってきました。これらのコンセプトを形にするためには、コミュニティーを作る必要があると考えていて、手探りでFacebookグループを立ち上げたのが2015年。なんと構想は6年前からスタートしています。

その後、僕の環境が大きく変わり(映像の世界へ寄り道したり、結婚したり、今は子育てが大忙し)一時期、tataのサックス講座のプロジェクトから離れる時期があったのですが、2019年に再スタート。昨年、念願のオンラインサロンを本格スタートしました。

6年前にコミュニティーの形を模索していたところ、ここ数年でオンラインサロンが一般化したのですが、本質として上下関係から平行関係への移動と、1対1、もしくは1対多数といったモデルからネットワーク化するのが重要だという考えです。

そもそも論として、教材をたくさん売るとかレッスンにたくさんの生徒に来てもらう、といった売上アップだけを目的にしていたとしたら、この活動をしていない訳で実現させたい世界があるというのが土台にあります。

そう考えたときに先生と生徒という様な上下関係のみのコミュニティーよりも、同じコンセプトに共感する「仲間」という平行関係を広げていったほうが目的にあっています。また、レッスンでは1対1、教材販売では1対多数とい`う直線で一方的な関係よりもネットワーク化して参加者それぞれの強みが発揮できるチームの方が世界が広がっていきます。そんな考えがあってコミュニティーの構築に乗り出しのですが、これが難しいのです

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サロンを有料にした理由

昨年、本格的にオンラインサロンを開始した時にサロンを有料にした理由は、2つあります。

・安全対策
・運営費

なんといっても1番気をつけたいのが「安全対策」。オンラインコミュニティーを作る時に1番重要なのが、安全にコミュニケーションを取れる環境を作ることです。

ツイッターがわかりやすいと思うのですが、誰でも匿名で見れて匿名で書き込める媒体って、拡散性はあったりするのですが、炎上したり気軽にアンチコメントを書き込みできます。これはコロナ禍でも見られた自粛警察の流れと同じなのですが、ちゃんと相手の実情も知りもしないのに自分だけの正義を掲げて弾圧する現象があります。アンチのように意図的に貶めるのではなく、コメントする側も自分の正義を掲げているだけあって悪気はないんですね。ただ、ここに重大な問題があって匿名である以上、それらの言葉(コメント)に責任を持てないんです。要はお互いの顔が見えていない(人間関係を構築していない)状態でコミュニケーションが空中分解しているんです。オンラインのデメリットってそこで、ちゃんと相手を尊重してコミュニケーションを図れる環境ではないんですね。

そこで有料にする事の最大のメリットは、そういったヤジを飛ばす輩が入って来れない(入ってくるだけ損する)環境を作ったり、顔や名前もわかっていて人と人が関係性を構築する当たり前の状態のまま、オンラインでコミュニケーションを取れるクローズドな環境を作れるということでした。運営費については、部活でも部費を集めるように集めた会費はサロンの企画や運営に100%使うという事で、有料にすれば企画がやりやすくなるという理由です。しかし、そもそも売上が第一目的ではないし、費用が必要な際は企画ごとに徴収すればいいだけなのでこちらは、そこまで大きな理由ではありません。

失敗した有料サロン

何が失敗したって、単純に人が集まりませんでした(笑)

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サロンを運営していて「参加者が少ないので企画が盛り上がらないーo(`ω´ )oアイディアはあるのに出来ない(T . T)」っていうのが多かったんですね。

そもそもいきなり人数を増やすつもりは当初からなく、十数名ぐらいでスタートできたらいいなと思っていました。まずは小規模で試行錯誤してみて、その中でコミュニティーの文化やルールが成熟してから人数を増やしたいという目論見があったんですね。しかし、スタート時に4人しか集まらず、その後も増える気配もありませんでした。

人数が少ないが故に膝を付け合わせてコミュニケーションを取りながら、実験したり、企画したりしたのは、これまでにない楽しい日々でした。コロナの中でサロンメンバーとリモートアンサンブルやZoomを使ったオンライン座談会、フレージングチャレンジなど、オンラインのみでできる企画を一緒に考えたり、オフラインで交流会や練習会などのイベントもしました。

ただ、いかんせん人数は少なすぎたのが何をするにしてもネックになっていました。人数が集まらないひとつの理由に有料があったと思います。

ここがオンラインサロンを分かりにくくさせているところだと思うのですが、オンラインサロンって、仲良しグループ(コミュニティー)とサービスの中間の性質があって、僕はコミュニティーリーダーであってサービス提供者ではないという方向性です。つまり、本質的にいうと提供されるコンテンツに価値があるのではなく、コミュニケーションに価値があるように設計したいんですね。ただそれだと有料である意味がわかりにくいので(特に入会する時は)、毎月こーゆーことをやりますよ、とか、こーゆーコンテンツを提供しますよ、という立て付けにしていました。それが週2回のコラム投稿であったり毎日のZoom座談会であったりしました。しかし、それが逆に「サービス」という観点で捉えられた部分はあると思います。

ただ、有料サロンが失敗したのは新規の参加者が集まらないという事ではありません。新規参加者がいないのは有料だからではなく新規参加者までの導線をシステム構築できていないのが原因です。おそらく、フロントでの募集活動をスタートすれば有料でも人数は増えていき、安全なコミュニティーが出来ていくとは思います。「失敗した」というのはそこではなく、僕が参加すると思っていたメンバーが参加しなかったことにあります。実はそもそもこのサロンの募集は、基本的に僕が持っていたグループに向けて募集したものだったんです。

無料サロンを始める本当の理由


有料にする理由がコミュニティーの安全対策であったとしても、有料にすると現在サックスや音楽に対してアクティブなメンバーしか集まりません。

それでいいのかっていう話です。

僕は上手さや競争ではなく純粋に音楽を楽しみ、大切な人へ音楽を届ける。そんな音楽がしたい。そして、そんな音楽を愛する人を応援したい。という想いがありそんな世界を実際に作る理想を掲げてサロンを始めました。

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そう考えた時に広い意味で音楽は生きていくのに欠かせないものだけど、日常の中で音楽ライフを構築するのは簡単なことじゃないんだよなーと思う節があります。僕も今、1歳の娘がいて子育てをしているのでわかるのですが、子育てとか仕事が忙しくて余裕がない場合はどうしても音楽をすること自体が難しくなってきます。

そうした場合は有料は重いハードルになると考えました。

仕事が忙しくてサックス自体をお休みしていたり、子育て中で今はとてもじゃないけどサックスどころじゃないとしても、オンラインサロンにとりあえずは参加できるようにしておいて、オフラインのイベントやZoomイベントなどもタイミングや環境が整った時に気軽に参加できる方がいいと思うのです

それにこのコンセプトに共感する人の集まりは、別にサックスや音楽ではない軸で仲良くなってもいいと思うのです。例えば、子育てをしていていつかママさんパパさんでカルテットを組んで、子供向けの演奏会を企画するとか素敵じゃないですか。サックスがきっかけなんだけど子育ての悩みを共有したり相談したり、先輩ママさんやパパさんの意見が聞けたりなどサックス以外にも広がりがあるといいですよね。

子育てを例にしましたが、もっと別のことだっていいのです。音楽と共に生きるライフスタイルを目指している人たちの集まりなので、他のことだって気があうかもしれません。

こういった可能性を探るためには無料の方があっていると思います。

さらに言うと、このサロンが掲げるコンセプトに共感する人が広がりを見せたときに世界に対して大きな影響力を持つと思うのです。

競争ではない音楽
上手さでマウントを取られない人間関係
純粋に音楽を愛し、自由に音楽を奏でる喜び
自分にとってちょうどよい距離感で音楽と共存していくライフスタイル

そんな世界をメンバー全員で創っていきたいのです。

安全対策はどうするのか?

今回、無料版オンラインサロンに移行するにあたってこの問題をどう解決するかを考えました。安全にコミュニケーションができる環境にしなくてはいけないので、参加は無料だけど「関所」を設けることにしました。

LINE公式アカウント内に設置した申込フォームから参加申請をして頂き、個人情報等をお預かりした上で参加して頂くことにします。匿名での参加はNGでオフラインの人間関係と何も変わらないという前提をご理解頂いた上、参加して頂き、不適切な発言や行動があった場合は退会処分にします。コミュニティーはオフライン・オンライン問わず人が集まれば、些細な問題は勃発するものなので、その都度、共有しながらメンバー全員で気持ちが良いルールや文化を作っていきたいところです。このコンセプトに共感している人が生きやすいコミュニティーにしたいです。

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