30人の壁:経理:最低限の月次決算


月次決算は、給与計算と違って、年次の決算まではやらないならやらなくても何とかなってしまう場合もあるため、忙しい場合には放置されがちだったりします。
ですが、経理業務は経営とも密接に関わるため、数字の把握ができる時期は早ければ早いほどよいと思います。
まずは概算でよいので、「会計は毎月(一旦)締める」業務フローにしておくのがおすすめです。


スケジュールを決める

①締め日を決める

締め日は会社の状況に応じて、いつに決めてもよいと思いますが、どれほど遅くとも翌月末には締められるようにするのがよいと思います。
理想的には翌月10日~15日あたりに締められるようにしておけば、後々楽かなと思います。

外部への報告義務がある場合は、その日をベースに月次決算の締め日を考えます。

②スケジュールを決める

締め日が決まったら、スケジュールを設定します。
経理の場合は、月次と年次の両方のスケジュールを記載した進捗管理表を作成するのがおすすめです。

最初は理想のスケジュールを引いてみます。
進捗管理表に記載する項目はそれほど細かくする必要はありませんが、日数管理ができる程度の粒度にしておくと管理しやすいです。

この過程で、効率のよい作業の順番や締め日までに数字が集まらないものについても見えてくるかと思います。

月次決算の完成度レベルを決める

①最低限把握したい数字を決める

月次の詳細確認まで完了し、次月以降修正不要なレベルまで持っていければ最高ですが、スタートアップ初期には難しい部分もあります。
まずは最低限把握したい数字を決めて、そこをクリアすることから始めると無理がなく現実的かと思います。

売上は多くの会社で必須の数字となるかと思いますが、原価と費用については事業運用上重要な項目が会社によってさまざまだと思いますので、事業展開や資金繰りを視野に入れて、必ず月次で把握したい数字を決めます。

②締め日までに数字が決まるもの、決まらないものを洗い出す

スタートアップ初期の段階だと、取引先の請求書発行スケジュールに合わせていたり、イレギュラーの取引が多かったりと、一定の期日までにほしい数字が集まらない状態になっていることが考えられます。

まずは、締め日までに数字が確実に決まるものとそうでないものに区分し、数字が決まるものについては、月次のスケジュールに組み込み、締め日までに会計への入力が完了ができるようにします。

③数字が決まらないものの整理

数字が決まらないものについては、重要度を整理します。
①で決めた「最低限把握したい数字」に該当するものがあれば早急に把握できるように調整します。
それ以外の数字については重要度に応じて、調整スケジュールを立て、順次整理していくのが無理がないと思います。

「最低限把握したい数字」について、例えば、請求書発行スケジュールの調整が可能な場合などはすぐに是正ができますが、取引相手が大手企業の場合など、状況によってはすぐに調整できない可能性もあります。
その場合は、概算値を算出する方法を考えて仮に計上する方法が有効です。

運用してみる

上記の整理までできたら、まずは進捗管理表にしたがって月次決算を進めてみます。
作業の順番や細かい部分の手順など、気になる部分が出てくると思いますので、随時ブラッシュアップをしながら、まずは期日通りに最低限把握したい数字を網羅した月次決算締めを目指します。

特に必須の数字を概算値で出す方法を採っている場合は、実際の値との乖離が出ていないかをよく確認し、必要に応じて計算方法を修正していきます。

30人の壁:記事一覧



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?