「勝とうとする」こと

0勝12敗

これは、VC長野トライデンツの、今日時点における対戦成績だ。
VC長野トライデンツは、私が一番応援しているバレーボールチームだ。
長野県の南箕輪村を拠点として、V1リーグで活躍している。

10月の開幕からおよそ1カ月。
私は、ほぼ毎日のようにホームゲームに足を運んだ。
よく、友人にVC長野の話をすることがある。必ずこう聞かれる。
「あんまり強くないの?そのチーム。」

この間のJT戦は、本当に悔しかった。
両者譲らずの状態で迎えた、緊迫の5セット目。
最後の1点を取られた時、あまりの悔しさに涙が出てきた。

涙とともにフラッシュバックするのは、良いプレーばかりで。
下川選手のきれいで俊敏なトスワーク。
どこにボールが落ちたとしても、宙に浮かせてくれる備選手。
外国人選手にもひけをとらない波佐間選手のブロック。
サービスエースをも奪ってしまう、トレント選手の安定したサーブ。
藤原選手のここぞという時のスパイクも、
中村選手のまっすぐ気持ちのいいストレートコースのスパイクも、
中野選手の威力ある攻撃も、とにかく全部が良かった。

全部が良かった、
選手も頑張ってる、
勝ちたいっていう闘志もある、
なのに、なんで報われないのかと思うと、たまらなかったのだ。

「0勝12敗」の数字に驚いた人は、1度でもいいから試合を見に来てほしい。
「12敗」は、「12回負けた」んじゃない。
「12敗」は、「12回勝とうとしている」んだ。

何度悔しくても、どんなに苦しくても、もう一度「勝とうとする」ことは、
たぶん勝つことよりもずっと難しい。
こんなにも「勝とうとする」チームは他にない。
だからこそ私は、「勝とうとする」VC長野を応援したくなる。
こんなにも「勝とうとする」チームは他にない。
だからこそVC長野トライデンツは、強い。

「あんまり強くないの?そのチーム。」
今度聞かれたら、私は自信を持って答えようと思う。
「VC長野は、1番強いんだよ。」って。


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