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ソルトウォーター対応バイブレーション(リップレスクランク)その4

 エラやヒレをつける前にボディはをコピーしているので、ボディは3個(本体、内部切り欠き用、ウロコ用)あると思います。3個とも選択して、修正→尺度でそれぞれ7/6、8/6倍にしたものを別名で保存しておきます。のちにワイヤーは内部構造も尺度変更で流用しますので、尺度の起点は原点に統一しておきます。これで6cm、7cm、8cmの3種類が簡単にできます。以降は8cmモデルの作成過程になります。

 修正→ボディの分割で、ボディを二枚に分割しておきます。どちらかの半身を使用して、残りは除去してしまって構いません。
 断面にワイヤーのパスを作成します。ワイヤーのアイの部分は2mmのノックピンに巻き付けてRを作ります。直径0.9mmのワイヤーを使いますのでアイのRは3mmにしておきます。2パターンの泳ぎを楽しみたいので、ラインアイは2か所あります。後方を使用した時の強度は十分ですが、前方アイを使用してリアのフックにかかった場合は強度が不安です。とはいえ、貫通ワイヤーなので魚はとれるはず。

ワイヤーのパス

 構築→パスに沿った平面で、下記の通りワイヤーの端面に平面を作ります。この平面の中心に、直径0.9mmと1.5mmの円を描きます。0.9mmはもちろんワイヤーの太さですが、1.5mmのほうはワイヤーが通る溝になります。水溶性のサポートが使用できない3Dプリンタを使用しているため、浮いている部分の精度はいまいちです。ですので、少し大きめの溝を作る必要があります。

端面に平面を作成

 作成→スイープで、ワイヤーとワイヤー用切り欠きをそれぞれ作成します。デフォルトでは操作が結合になっていて、ボディとワイヤがと一体化してしまいます。操作は新規ボディに変更しておく必要があります。
 次に内部構造をスケッチします。頭側に重量を集中させると泳ぎ出しが良くなります。おなか側に重心を持ってくると泳ぎが安定します。ある程度の質量がないと細かく震えるような泳ぎになりがちです。
 シーバスは頭を下げて泳ぐものを嫌うという話もあります。頭を重くして、でも頭を下げていないような雰囲気で泳がせようとすると、よくあるバイブレーションの形になります。あごの部分が少し下に出ているあの形状です。
 しかし、見た目の美しさを優先させたかったので、今回は小魚っぽい形状にして、頭を下げて泳ぐように頭に重量を集中させます。

内部構造のスケッチ

 口先から口下にかけてがウェイトです。二つに分かれているのは、目の部分が薄くなりすぎるのでちょっと段をつけるためです。
 頭の上とおなかのあたりの空間はラトルルームです。腹側の肉厚が厚いのは、ここに別のウェイトを入れて泳ぎを調整するためです。

 描いたスケッチを押し出しますが、この時、内部構造用のボディーだけを表示しておきます。もしくは、押し出しの設定の中で、切り取るオブジェクトに内部構造用のボディだけを選択します。

押し出した内部構造

  ウェイトになる部分のボディを複製します。そしてウェイト上半分のスケッチを押し出して、複製したボディの1方だけを操作→交差でくりぬきます。同様に下半分ももう一方のボディをくりぬきます。下記の図でウェイト部分が2個に分かれたのが分かります。

分割されたウェイト部分

 面のオフセットでウェイトの上半分を0.5mmほど小さくします。
 微妙な調整ですが、8cmモデルはギリギリ1oz≒28gになるようにしているためです。6cmと7cmは重さにこだわっていないのでこの作業はありません。
 二つに分かれたウェイト部分を修正→結合で一体化させておきます。そして複製します。

目に当たる部分は少し小さく

 修正→結合、操作は切り取りを選択して、メインのボディから内部構造を切り取ります。
 同様に、ワイヤー溝もくりぬいてしまいます。

内部構造をくりぬき
ワイヤー溝をくりぬき

 おなか部分に長さ32mの線をスケッチして、構築→パスに沿った平面で、その線の端面に平面を作ります。作った平面の中心に2.5mmの円を描き、32mm押し出して、腹部ウェイト用の溝を作成します。ここにはウェイトとして1.6mmのヤニなしはんだが収まります。

腹部ウェイトのスケッチ
腹部ウェイトの溝

 ウェイト部分のボディを複製して1個残していたはずですので、ミラーで対称構造にします。非表示にしておいたワイヤーも表示して、中身が完成です。
 修正→物理マテリアルで、ボディはABS、ワイヤーはSUS304など、重り部分は鉛にしておきます。これである程度重さの推測ができます。

内部構造の完成

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