北へ
初めての青春18きっぷを握りしめて旅をした大学生の冬休み。
予想はしていたものの、電車移動にめちゃくちゃ時間を費やすことになり苦痛に感じてしまった。ただし、移動も旅の醍醐味のひとつ。といっても、誰かと一緒に話すわけでもなく、様変わりする外の風景を見たり向かいの席で携帯をいじる知らないお姉さんとか隣に座る毛むくじゃらのおじさんたちを勝手に見ながら終着駅に着くのを待つ。
「行くぜ、東北。」を「来ちゃったぜ、東北」なんて頭の中で妄想しながら、年末年始を実家で過ごすのか僕の反対側からキャリーケースを引いてやってきた他の乗客たちの流れに逆らうようにして次の電車に乗り換える。
答えは雪に聞いてもわからないし、ぜんぶ雪のせいにするよりも、寒さのせいにしたいと思う年末の東北。
辿り着いたのは以前から行きたかった岩手県の宿、苫屋。電話は通っていないし、インターネットなんてもちろんない。予約の仕方がハガキが手紙でしか対応してないという今時にしては珍しかった古民家の宿。
仙台のゲストハウスで泊まった時にいたドイツ人に苫屋のこと話したら、
「なんと!そんな宿があるのか!?」と予想通りビックリしていた。
10年くらい海外に住んでいたという老夫婦が宿を営んでいるようだったけど人生楽しんでいる雰囲気バンバン伝わってきた。山奥に住んでるから自然に憧れて住み始めたのかと思ったけど、成り行きでなんとなくやってきて結局20年近く宿をやってきたというから驚き。それにお二人は神戸と栃木の出身というから東北にゆかりが無い人たちでこれまた驚き。全く欲の無さそうな人達だった。
やっぱり、テレビなんか知識を得るだけで終わるのではなく「本物」に触れるって大事なことだと思った。本物を見たり感じたりすることによって自分の中で何か気づくことだってあったりすることってあるだろうけど、それは結局人それぞれが感じるところだから良し悪しは関係ないと思う。
刺激的な一日だった。
早朝、苫屋から最寄り駅(山の麓までだから5kmぐらいだったかな?)までのバスに乗れなくてマジで焦ってたら、たまたま犬連れて散歩してたおっちゃんに遭遇して事情を説明したら車で麓まで乗せてってくれることになった。おっちゃんの家に戻って中にいた娘?さんに事情を話して車で乗せてってくれた。
ほんとにありがたかった。
その車中にて、
「さっきの人はお孫さんですか?」
と聞いたら、
「いやいや、わしの嫁さんじゃよ」と。
エッ∑(゚Д゚)
だって2人の年齢差って…(以下ry
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