甘野充プロデュースの創作に特化した共同運営マガジンです。 共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。 自作の小説、詩、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。 参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。 たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。 参加費は無料です。 参加希望の方はトップ記事へコメントお願いします。 ルールは以下です。 ・投稿内容は、自作の小説、詩、音楽、絵、のみになります。 (エッセイは不可。他者の作品の紹介も不可) ・投稿は自分の記事だけにしてください。 ・投稿は当日投稿の記事のみにしてください。 (過去記事は投稿しないでください) ・タイトル、タイトル画像、説明文は変更しないでください。 甘野充
哲
自作品のお気に入りです。
深い闇にあかりが佇んでいる 暖かさは狼に怯えたカウボーイとvanに包まれた放浪者に 強かさは眠気を噛み殺すトラックに きらめきは星を探す少年に あるいはそれは捕食者の道標 あるいはそれは神力の模造品 彼がまた輝けばあかりなど見えなくなる それまでは、 暗く、暗く、照らす
カラカラと回る扇風機に煽られて 乾いた砂がまきあがった カーテンから漏れ出た西日に 保安官も顔を顰めた 誇りを被ったカウボーイハットから 撃ち抜かれたバッチが地面に落ちて 煙草もウイスキーも辞めた 髭は剃ってしまった そうして時代は変わって、 青春は 白と黒の銀幕の上で 生き生きと、止まったまま
滲んだテールランプは、トンネルの中でパチパチと弾けて消えてしまった 目を瞑っても、架線と鉄輪が雪の結晶に溶けてゆくだけだ 遠く離れた故郷に背を向けているのか、 それすらわからない
蒼と銀 空と地上の 境界線 夢中に追った 贅沢な午後 つかないね 最初のキャンプ 焦る君 揺れる炎に 永遠願った 寒いねと 顔寄せあって 内緒話 慣れ親しんだ 大きなニキビ 吹雪の夜 寝ぼけ眼と 解像度 上がるラジオと 遠のく世界 カゲロウは 子を見ず死んだ 母親の 腹の疼きを 知るや知らずや 最後の短歌だけ季節外れなんですが、吉野弘さんの「I was born」という詩を拝読していたら思いついたので、載せてしまいました。 「I was born」は僕の1番
踊り子の 踊り疲れて 寝る頬に 青葉の雫 一粒こぼれる
凍った朝靄からヒノキが頭を覗かせた 山は真っ赤に燃え 青白い彼は 稽古も付けられずに 舞台に上がる幼児のように小さく見えた 彼は震えながら百本の腕をその身に纏わせる 朝靄は丁寧にその癒着を剥がして 彼の骨をがさがさと貪った 彼があまりに虚しい目でこちらを見るので いたたまれず僕は目を伏せた そうしていると 彼のいくじのなさと その不格好な巨大が目を焼いて 零れた涙を足下のコスモスは静かに飲み込んだ 悲しき涙の熱いことは
ゆらゆらとゆらゆらと おののく焔の蒼く焦げた芯に ぼくは幼子の瞳を覗いて 「狂を見た」 吁、吁、 吹けば消えてしまうのだ 吹けば消えてしまうのだ 吹けば煌めいて、確かに心知っていた 「狂は消えてしまうのだ」 あまりにも純粋である あまりにも透明である あまりにも虚弱である 彼女もまたし折れた日輪の花弁のように 泥を啜って生きてゆくのだ 片減った歯車のように ぎいぎい歌いながら生きてゆくのだ
混じらない交わらない あなたと私の平行線 あなたと私が混じったならば 私は私で無くなるだろう あなたと私が交わったならば あなたと私は離れるだろう あなたがあなたでいるならば 私も私でいるだろう あなたがあなたでなくなったらば 私は少し立ち止まり、また私のままでいるだろう だがどうか、だがどうか その平行線を悲しまないでくれ その混じることなきに その交わることなきに 私は確かにあなたの軌跡のぼんやりとした光に励まされ 私もあなたにとってそうであ
『秋と冬の間にフィドルがあった頃、 金木犀は夜になると赤く光ったとおばあさんが言うので 私はそれは科学的じゃないねと笑った。 そうすると彼女は案外に悲しそうな顔をして、フィドルが弾けなくなって魔法も消えてしまったと小さく呟いた。 ああ、なんて可哀想なおばあさん。 おじいさんが召されたのが、そんなに悲しいのかしら。 私はスープをかき混ぜながら、 彼女の幸福を祈った。』 彼女の棺を見つめながらふと思い出す。 右手には綺麗に磨かれたフィドル。 もう誰もその使い方を知らな
誰も読まずに捨てるのは、あまりに悲しい。 「TOO LATE」 愛の歌が出来上がるのが遅すぎたみたいだ。 「疑問」 チョウチンアンコウは眠る時眩しくないの? 「健康」 健康に悪いので、恋心は起こさないように。 「戦争」 血で染まった川で、血だらけの服を洗った。 とっても素敵な企画をありがとうございました。
掠れた文字を拾おうと手を伸ばすと 彼らは泥に蕩けて私の指に纏わった それを横たえた陽にかざすとたちまち大きな悲鳴が上がって ウイスキイの匂いだけが、四畳半の苫屋を琥珀に染め上げた 彼らは骨だった 枯れたセコイアと主人を失った亡骸だった 鼻たれた小僧の初恋だった 私は彼らの寝顔を、蹴飛ばしたのか 泣こうとしたが、涙は出る度に乾いて私を辱めるだけだった
紫煙のベールの中でする、誓いのくちづけ。
人の心がわかったので、あなたを憎みます。
君の歌を君以外の100万人に掻き鳴らす。
優しさは強さだと言ったからぼくは体を鍛えた 人は見た目じゃないと言ったからぼくはぼろきれを纏った 痛みを分かち合えと言ったからぼくはきみを殴った 人は平等だと言ったからぼくは誰も愛さなかった そうやってぼくは怪物になった
車窓から夢を叫んだ。故郷まで1万マイル。