呼吸の丘/ひかりの素足

胸の向こうに広がる野辺には
骨組みなど見つからなかった
(とても単純な仕組みで
(冬はくる

そこから見渡せる
呼吸の丘の上に
簡単な幾何学模様で
単音の夜が
やってきたとしても
手放すことを
やめないでいるきみは
少しの書物と
やわらかな犬歯を隠している

冬の星を射抜く孤独な射手が
夜明けを引くと
しゃりしゃりと凍るひかりの素足は
純然たる冬を灯す

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