(this is not a)love song

水が秒読みを始めると
五月は病気のようにやってきて
青く
切り取られた胸を
さらけ出す

(書きかけの点描画の中で
(きみは
(きみでは無い泣き方をしていたね

衣擦れの音が耳障りなので
鼓膜を潰した
もうずっと
夏の音を聴いたことがない

(よく転がる器だね
(脚が欠けているからね

ずっと背を向けていたんだけど
そろそろ
血のかよっている何かを
抱きしめていたい

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