paint it black

帰り道の星を
踏んづけてしまったので
足の小指が冷たくなった
帰るところが無いから
踏まれても仕方なかったね
帰る場所のないぼくは
もっと、ずっと嫌な奴になった

夜は黒い色を
見せてくれると言っていたのに
いつまで経っても青いままで
夜になると沈んでゆく
五月の予定たちを
黒く塗るしかなかったんだ

(背中に火のついたハツカネズミが
(同じところをぐるぐるしているよ
(手を繋いだ微笑ましい恋人たちが
(同じところをぐるぐるしているよ

月曜日の祈祷師に弱みを握られて
お金を渡してしまった
ぼくの恋人はハツカネズミで
手を繋いだ恋人たちに火をつけて
恋人たちにお金を渡したぼくは
月曜日の祈祷師を
黒く塗って見えなくしたんだ

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