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【原神考察?】Ver4.8夏イベは実際のテイワットの歴史を暗喩している?

この記事はver4.8を含む、原神の多大なネタバレを含んでいます。閲覧の際にはご注意ください。


はじめに

 今回の夏イベは、童話の世界「シムランカ」を舞台としたものです。で、これらの童話は実際のテイワットの歴史とリンクしているように思えたので、1日目から見切り発車で考察していきます。イベントが更新されるごとに追記していきますので、よろしくお願いします。



三人の女神

 シムランカは、三人の女神により創られた世界でした。

 三人の女神とは、「創世の女神」「預言の女神」「運命の女神」でした。現実世界において、三人の女神と言えば大体運命を司るイメージがありますが、どうやらシムランカではそうではないようです。


創世の女神

 創世の女神は文字通り世界を創造した女神です。彼女のおかげで生命と大地は形を得たと言います。


預言の女神

 「預言」とは、神が伝える「予言」のことを言います。預言の女神は星と軌跡を司り、世界を動かしたそうです。人々は、彼女の神託を受けて暮らしていました。


運命の女神

 運命の女神は、願望を司ります。この人に関する情報だけやけに表現が抽象的ですが、万物は流転するという法則、すなわち知恵を授けたのではないかなと思います。それでいてなぜ「運命の女神」なのかは分かりませんが…。


キャスト《2024/07/21 追記》

 この童話における三人の女神の配役は、創世の女神が魔女Aことアリス、預言の女神は魔女Bことバーベロス、運命の女神は魔女Mことアンデシュドッテルであることが確認できました。バーベロスとアンデシュドッテルについては、2日目の更新の時点で新谷さんと河原木さんの演技から察した方もいたかもしれませんね。

 このシムランカの世界は、アリスがバーベロスを誘い、アンデシュドッテルの許可を得て創造した世界のようです。曰く、アンデシュドッテルの描く世界観は「自分の足で歩き、自分の目で見てみたいと思うほどのもの」とのことで、アリスの動機はそこにあったようです。
 あるいは、過ちを犯した友人レインドットドゥリンを憐れみ、今は亡き友アンデシュドッテルが願ったことを実現しようとしたのかもしれないなー、と個人的に思いました。




 

悪龍

 シムランカの住民は、預言の女神から啓示を得て暮らしていました。

 そして世界の果てで運命の女神に救いを乞うていたといいます。

 そして、その日常はとある存在により終わりを告げます。

 悪龍なる存在がシムランカに降臨し、大地を踏みにじったと言います。

 と同時に、森のインク酒場は開かれなくなってしまいました。


《2024/07/21 追記》

 悪龍は、レインドットの造物にして500年前にモンドを襲った毒龍ドゥリンがモデルとなっているということが明かされました。

 魔女会のメンバーM、アンデシュドッテルが創った物語上の存在であり、レインドットに見捨てられたドゥリンに幸せな道を歩んでほしいと願ったために生まれたのです。


「童話」の意義 

 今回のイベントで、運命の女神ことアンデシュドッテルが童話の意義について言及しています。

 童話とは多かれ少なかれ事実を含むものであり、単に描写の仕方が子ども用にアレンジされているだけだと言います。設定を単純にし、暗喩をふんだんに活用することで事実を巧妙に隠蔽している歴史書、それが童話なのです。

 魔神任務でもナヒーダが同じ発言をしていました。
 彼女は、世界樹から消えたスカラマシュの情報を復元するため、事前に彼に関する情報を童話として残しておきました。それをもとに放浪者は再び記憶を取り戻したのです。



 ところで、今回の夏イベのタイトルは何だったでしょうか。

 わざわざ著者であるアンデシュドッテルが言及したということは、シムランカの童話全体が何かの暗喩である可能性があります。


シムランカに隠された真実 《2024/07/21 追記》

 では、シムランカに隠された真実とは一体なんなのでしょうか。

 ここで考えたいのが放浪者のケースです。彼の場合は、散兵スカラマシュが「人に見捨てられた子猫」、博士ドットーレが「野狐の皮をかぶった猛獣」、丹羽久秀が「灰色の狐」として喩えられていました。

 同じように考えるならば、シムランカにおけるアリス・バーベロス・アンデシュドッテル・ドゥリンにもその元となっている存在がいるはずです。

 で、残念ながら(?)それぞれ元ネタと思しき存在がテイワットにそれぞれ存在します。


創世の女神の正体

 創世の女神はすべての生に命を与え、草木と山水を作り出しました。言い換えれば彼女は世界を創造した原初の存在であり、全ての根源は彼女にあります。

 テイワットにおける原初神とは、

【枝を運んだ四十余年】
山と川が生まれ、大海と大洋が反逆者と不従順な者を運ぶ。原初のあの方は、影と共に鳥を創造し、走る獣と魚を創った。花や草、木も一緒に創っていた。そして最後、人間を創った。

日月前事

 「原初のあの方」、ないしパネースです。この人は山川を創り、生命を創り、世界を創りました。というより、この人こそが遥か昔に新しくテイワットを創った存在であり、まさしく創造神なのです。


預言の女神の正体

 預言の女神は星空に軌跡を定め、世界を動かしたといいます。また、シムランカの民は彼女の「神託」を乞い、生活をしています。

 さて、テイワットにおけるこの人とはいったい誰なのか、ここが一番難しいですが、恐らくはかつての文明で空からの啓示を与えていた神その人だと思われます。

話しによると、昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。

火祭りの人/水祭りの人/雷祭りの人/氷祭りの人

 これは魔神戦争が起こるよりもさらに前、秘境や淵下宮などの遺跡が属していた、統一された文明があった時代です。この時代にこの神は人々に神託を行い、テイワットを治めていたと考えられます。


 また、シムランカ(オルビット)の民は、預言の女神からとある「贈り物」を授かったといいます。

 彼らは、預言の女神によって人生の軌道を外れないよう、生まれながらにして運命が決められています。これが上記でいう星空の軌跡であると考えられます。

 ただ、これは人生の一挙手一投足が決められているというわけではないようです。ブレシュは自分には自分の生き方があり、その選択の権利は与えられていると言いました。

 しかし、人々が道を踏み外した際に女神の魔法が発動し、本来の道へ強制的に戻されるようです。

 言い換えるならば、民の安全を守るためのものとも言えます。


 そして、ここが最大のポイントとなりますが、実際のテイワットにおいて、現在でもこの神は存在している可能性が高いです。皆さんは「星空に軌道を描き、運命を決定する」という行為に覚えはないでしょうか。



結局「運命」とは、この世界の現在の主が生命を弄んだに過ぎなかったのだ。(中略)運命という星空のもとに多くの星が互いに紡がれ、目の前に複雑で脆い世界を形成している

ヌヴィレット ストーリー5

 「テイワットの現在の主」は高天の軌跡を定め、星空が示す運命のもとに世界を縛っています


神の目を手にすることは即ち、己のことを世界の「運命」──いわゆる「ヘイマルメネー」に売り渡すことを意味し、正しい道を歩むことができなくなる行為である…

ノート

 そう、神の目命の星座こそが「星空の軌跡と運命」の正体です。そしてそれを与える存在こそがテイワットの現在の主、またの名は天理であり、この物語における預言の女神の正体となります。

《補足》
 「天理」というのは正確には勢力名だと私は推測しています。ですので、ここでいう「天理」とは恐らく天理の調停者ではないかなーと思います。つまり、現在のテイワットを治めているのは天理の調停者であると、私は考えているということです。


運命の女神の正体

 運命の女神は何なのかマジで謎なんですが、不滅の愛と灼熱の憎しみ、希望と死を人々に伝え、そして願望と物語を司るということで、恐らくは人々に感情を与え、また世界の運命そのものを最初に書き上げた存在だと思います。

 あらゆる感情を人々に伝え、また預言の女神が定めた運命に干渉できる存在といえば、

唯一、我々を見捨てなかったのは、「時間の執政」だった。(中略)彼女はすべての欣喜の瞬間であり、すべての憤怒の瞬間であり、すべての渇望の瞬間であり、すべての恍惚の時である。そして、彼女はあらゆる錯乱の瞬間だった。(中略)秘密に包まれた真名を口にすることはできない。だからここで、一回だけ、あえて逆に書こう——「トロタスイ」

日月前事

 もはやこの人しかいないと思います。イスタロトはあらゆる感情をもたらす存在であり、時間すなわち運命を司る存在でもあります。

 彼女のもつ時間の権能の前では、天理の定めた運命も意味をなさず、時を巻き戻すという禁忌によって運命を捻じ曲げることができます。イスタロトが関与したことでお馴染み雷電将軍の伝説任務でも、天理の禁錮を破れると明言されています。


三柱の神

 これら三神、私はそれぞれ順に降臨者じゃないかなと考えています(詳しくは下の記事で述べています)。特筆すべきはイスタロトが既に亡くなっており、その遺骨は神の心になっているのではないかという点です。

 イスタロトに限らず、この三人はシムランカのストーリーと同じく悪龍の到来によってその在り方を変えたのではないかと私はにらんでいます。


悪龍の正体

 童話の悪龍の正体はドゥリンでした。同じくテイワットにおいて、世界の外から襲来した「悪龍」は実在します。


龍王ニーベルンゲン」が世界の外から手に入れた漆黒の力は我らを導き、外来者が定義した秩序に抗う手段になる

草龍アペプ

天上から第二の王座が訪れ、創造の始まりを彷彿させる大戦が起ころうとしていた。

日月前事

 魔神戦争よりも更に前、統一された文明が栄えた時代に、テイワットには龍王が降臨したことがアペプの口から語られています。確定ではないですが、恐らくこれが第二の王座だと考えられます。

 この龍王は漆黒の力、すなわちアビスを用いてテイワットに降臨しました。結果、天地はアビスに侵され、大災害が発生しました。


インク酒場

 これで四者の元ネタ解説が終わりましたが、これ以外にもシムランカには実際のテイワットの歴史をもとにしていそうな場面が各所にあります。

 例えば森のインク酒場です。ここは上記の悪龍の到来によって開かれなくなってしまいました。そしてそれは森の住民にとって大変なことのようです。

 というのも、インク酒場で提供されているのは、住民の命を繋ぐ「魔水」だからのようです。この魔水は創世の女神がもたらしたもののようで、あとから、これはインクであることが判明しました。紙でできている森の住民にとって、体を彩るインクはさぞ大切なものでしょう。

 逆に、魔水を摂らないと色褪せてしまい、多くの出来事を忘れてしまいます。


 現在閉じられているインク酒場の地下には、空洞があったと言います。

 ニィロウはこの空洞を魔水で満たすことを提案しました。その結果、一部の森の住民は記憶を取り戻すことに成功しました。

 途切れ途切れで語られるため分かりにくいですが、要は悪龍が到来したせいでインク酒場が営業停止し、そのせいで住民は記憶を失ってしまった、しかしニィロウが酒場の地下にある空洞を魔水で満たしたために、人々も記憶を取り戻した、ということです。


 この一連の流れが一体なんなのかという話ですが、結論から言うとインク酒場は世界樹の暗喩であると思います。

 画像を用意できなかったのですが、ニィロウと一緒に行う作業の一つに魔水をパイプに通すものがありました。住民曰く、酒場の地下にあるパイプに魔水を通さなければならないとのことです。

 住民が記憶を維持するのに必要な「魔水」をパイプに通す、これは地脈のことを指しているのではないでしょうか。

地脈」はこの世界の記憶を吸収し続け、「世界樹」には古代から現代に至る、世界のあらゆる情報と知恵が詰まっている。

魔神任務第三章第一幕 ティナリ

 ということは、地脈の大元は世界樹であり、魔水のパイプはインク酒場と繋がっているため、「魔水は地脈」、「インク酒場は世界樹」と、それぞれ比喩になっていると考えられます。


 加えて、悪龍が来たあとに人々は記憶を失い、インク酒場の地下に空洞ができたということはつまり、悪龍が来たあと世界樹の情報は一部失われたということになります。


 これをテイワットに当てはめて考えると、龍王が降臨したあと何らかの理由で歴史改変が発生したということになります。テイワットにおいてはパネースとイスタロトに関する記録がことごとく抜け落ちているような描写があるため、もしかするとそれはニーベルンゲンが原因なのかもしれません。


答え合わせ 《2024/07/24 追記》

 一応、後日談で解答に近いものが得られたので追記しておきます。

 シムランカの世界の運命はテイワットを基にしているようです。モナのこの発言は十中八九ドゥリン周りのエピソードのことを言っているのだと思いますが、それだと三女神のエピソードに説明がつかないので、やはりドゥリン以外の意味も込められていると私は思います。

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