ジョイフルキング(36)

何度輪廻が廻ろうと、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いている。



僕はボブ。
誰も信じないけど同じ時間の輪廻を8000回以上繰り返している。
何が一番奇妙かというと、同じ時間の輪廻を8000回以上繰り返していることではなく、同じ時間を8000回以上繰り返して、一度もまともにギターをひけないという事実。


輪廻0回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ14歳。アメリカの田舎に住んでいるギターリストを夢みる少年。
ボブ「俺が世界一のギタリストになって、あの天才ピアニスト、ジョディと組むんだ。俺と同じ歳でもう天才ピアニストとしてアメリカ中を横断してコンサートまで開いて、間違いなく世界一のピアニストになるよジョディは。そして俺は世界一のギターリスト。俺とジョディが組めば最強タッグだ!そして、
いつか、ジョディと……けっ……けっこ……結婚……………きゃあーーーー!」
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギタリストになる!」
ボブは小さい時からずっとジョディに憧れている。ジョディは同じ歳で小さい時から天才ピアニストと称され、ジュニアスクールではピアノコンクールの賞を軒並み取り続け、アメリカの宝とまで称されていたジョディ。少年には楽しみの少ない田舎町で生まれ育ったボブ、憧れるのも無理はない。
ボブ「ジョディ!俺、今ギターの練習してるんだ。俺、絶対世界一のギタリストになるから!そしたら俺と組んでライブしよう!」
ジョディ「やろうやろう!ボブならきっと世界一のギタリストになれるよ!私は絶対世界一のギタリストと組むからね!」


『私は絶対世界一のギタリストと組むからね。』


ボブ「よーし!やるぞー!ジョディと一緒に世界一だ!」
ジョディ「私、昔はピアノが楽しかったのに最近はピアノひいててもちっとも楽しくないの。でもボブとひいたら絶対楽しい!」
ボブは、憧れているジョディ、一緒になりたいジョディ、一緒に世界一になりたいジョディ、寝ててもジョディ、起きてもジョディ、ジョディ、ジョディ、ジョディ、ジョディのことで頭がいっぱいでした。
ボブ「ジョディ!ジョディがこの前ほしいっていってたやつあげる!」
ジョディ「わー!ありがとう!嬉しい!」
ボブとジョディが恋人同士になるのに時間はかかりませんでした。ボブは見栄っ張りなところもあり色んなところにデートしました。結婚も約束もしました。
ジョディはボブと付き合ってからピアノにも向き合い、天才ピアニストがさらに開花させ、16歳でプロのピアニストとしてデビューまで果たし、ピアニスト界のスターとして、名乗りをあげていた。
方やボブは、16歳になってもギターで1曲もまともにひけず、どんなに練習してもひけなかった。
ただ、ジョディがどれだけ売れても、ボブが全然ひけなくても、二人の愛は変わらなかった。
ボブ20歳
ジョディ20歳
ジョディはもう時の人となり、コンサート、テレビに引っ張りだこで忙しい日々になっていました。
ボブは20歳になっても、ギタリストどころか1曲もまともにひけませんでした。
ボブ「なんでひけないんだろう。確かに音感は悪いし、手が右手左手が別々で動かないし、でもこんなに練習してるのに……ジョディごめん……」
海の側を歩いていたボブは溺れている子供をみつけました。
子供「誰か!助けて!」
周りにはボブしかいません。
ボブ「待ってろ!今、助ける!」
ボブは海に飛び込みました。
じゃぽん!
ボブ必死に泳ぎ、子供抱え海岸にたどり着きました。その時でした。ありえないほどの波がボブを襲い、ボブだけ波にさらわれました。
子供「お兄ちゃんー!」
ボブ「そんな!くっ!ヤバい溺れる!助けて!…ジョディ…ごめん…」

子供が助けてを呼びにいきましたが、消防隊や救急隊が着たときすでに遅く、ボブは溺死でした。すぐさまその悲報はコンサート終わりのジョディの耳に届き、
ジョディ「そんな……ボブ……うそ……」

ボブの葬儀が終わった数日後、ジョディの葬儀が行われた。ジョディの死は、アメリカの損失などとメディアに大々的に拡散され、ジョディのたくさんのファンが葬儀に参列した。
そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。


輪廻1回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ「……………」
ボブ「……………」
ボブ「……………」
ボブ「……………」
ボブ「……………いやいや、ノリでやっちゃったけど、マジかよ。俺14歳????????ちょっと待てちょっと待てボブ。よく考えろボブ。よーく考えろボブ。俺は…海で…子供を助けた。…だけど自分が溺れて…うげーー」
ボブは溺死の苦しみを思いだし吐いた。
ボブ「いや、ちょっと待て。俺が死んで葬儀して、その後ジョディも!ん?ジョディの葬儀も知ってる!そうだ!ジョディは??」
ボブ「ジョディ!」
ジョディ「どうしたの?ボブ。」
ボブ「俺さ、20歳のときから…………」
ジョディ「20歳????」
こんな話、誰が信じるんだろう。
ボブ「なんか……20歳に死んだ夢みちゃって。あはははははは。」
ジョディ「あはははははは、変なボブ。」
ボブ「そうだ!ジョディ!俺、今ギターの練習してるんだ。俺、絶対世界一のギタリストになるから!そしたら俺と組んでライブしよう!」
ジョディ「やろうやろう!ボブならきっと世界一のギタリストになれるよ!私は絶対世界一のギタリストと組むからね!」

それからのことは前世とほとんど変わりませんでした。ジョディとの日々はたのしかったですから。ボブは2度目の人生でしたが、ギターはほとんどひけませんでした。

ボブ20歳
ジョディ20歳
ボブ「前世はこの時間ここで死んだ。この辺の海に近づかせない。あの子供にも近づかせないようにした。大丈夫。」
子供「誰か!助けて!」
ボブ「うそだろ!あの時と違う子供!そんな。」
周りにはボブしかいません。
ボブ「待ってろ!今、助ける!」
ボブは海に飛び込みました。
じゃぽん!

ジョディ「そんな……ボブ……うそ……」

そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。



輪廻2回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ「……………」
ボブ「違う!違う!2回目だバカヤロー!どうなってんだ……何回繰り返せば終わるんだ…また14歳だ。。。ん?またジョディとの日々……え?考えかたによると、最高?」

ボブ「ねえジョディ。ジョディは転生とか信じる?生まれ変わったらまた自分、なんてね。」
ジョディ「うん!生まれ変わってもまた私に生まれたいし、生まれ変わってもまたボブと付き合いたい!」
人は、簡単にはいいことをいう。夢やポジティブな言葉を。ただ人生は、そこまで甘くない。
楽しい日々は、楽しい日々で、輪廻前と変わりませんでした。ボブはギターがほとんどひけませんでした。

ボブ20歳
ジョディ20歳
ボブ「そもそも海に近づかない。」
ボブは場所が全く違う川を歩いていました。
子供「誰か!助けて!」
子供が溺れていました。前世とはまた違う子供。
ボブ「くっ!またこういう運命……助けにいったら絶対死ぬ。……でも…………ジョディ………ごめん。」
じゃぽん!

ジョディ「そんな……ボブ……うそ……」

そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。



輪廻3回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ「やっちゃった。。。3回目。。。いつもあそこで死ぬ。なんか意味あるんじゃないだろうか。そもそもなんで14歳????考えろボブ!ん?気づくの遅かったけど、俺が死んで転生するんじゃなくて、ジョディの葬式で転生してる!この転生、ジョディが関係してる????」

ボブ20歳
ジョディ20歳
ボブ「そもそも家を出ない。」
その時、大きな地震が起きた。
ボブ「おおっと!でかいな。」
窓の外を見ると、隣の小屋が倒れかかっていた。そこに小さい小鹿が足をひいて歩いていた。
ボブ「危ない!」
ボブはすぐさま外にでて、小鹿を小屋から退かした途端、小屋が倒壊し、ボブはその下敷きになった。
ボブ「こういう…運命…ジョディ…ごめん…」

ジョディ「そんな……ボブ……うそ……」

そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。


輪廻4回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ「なにをしてんだ俺は6年間4回も!まずジョディとの日々が楽しすぎて転生したのすっかり忘れるのがいけない。どうやっても何かを助けて死ぬんですね。なんか意味があるはずだ。考えろボブ。あの最後必ずでてくる花…なんなんだ??」

ジョディ「ボブ、ギター全然うまくならないね。」
ボブ「おかしーなー24年以上練習してるのに。」
ジョディ「24年????」
ボブ「あ!いや、24年並に練習してるってことかな。あはははははは。」

ボブ20歳
ジョディ20歳
ボブ「別な家で閉じ籠る。地震がきたって大丈夫だし、近くに小屋もない。」
すると、窓の側で蟻が外に出たがっていた。ボブは窓を開けて蟻を外に逃がした。すると、大型トレーラーがボブの家に突っ込んできた。ボブは即死だった。

ジョディ「そんな……ボブ……うそ……」

そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。


輪廻5回目
♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャッジャッジャーン♫
ボブ「イエーイ!ギターサイコー!俺は、世界一のギターリストになる!」
ボブ「じゃねー!世界一のギターリストになってねーじゃねーか!5回目!何回繰り返すんだ!あの時間で絶対死ぬんだね俺。ヤバい何回だったか忘れてきそうだからメモっとこう。それに毎回毎回なんだあの花は!」

ボブ「ジョディ。俺ね、ジョディと30年以上一緒にいるんだ。」
ジョディ「……………」
ボブ「ジョディもさ、繰り返してるでしょ?14歳から20歳。しかも今回で5回目。」
ジョディ「………どうしてわかったの?」
ボブ「わかるよ。ずっと一緒にいるんだし、雰囲気とか、言葉のニュアンスでさ。」
ジョディ「………ボブもそうなの?」
ボブ「きっとジョディと同じだよ。ジョディ、一人じゃないよ。」
ジョディ「これ、なんなの?どうしてボブは20歳で死ぬの?私はボブの死に耐えられなくて死ぬの。20歳で死ななきゃいいじゃない!」
ボブ「色々やったんだけど、ダメらしい。きっと僕はあそこで死ぬ運命だ。ジョディ、君は僕が死んでも死なないでほしい。」
ジョディ「そんなの無理よ!!」

そのジョディの葬儀場の側に、同じ時、同じ場所、同じ色、同じ香り、同じ花が咲いていた。


輪廻8回目
ジョディ「ボブ、私達出会わなければこんなことにならないんじゃ……」
ボブ「どうだろうね。色々やってみようか。なんか意味があるはずなんだ。あの花とか。」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが欲しがってた指輪!」
ジョディ「まあ、嬉しい!」




輪廻28回目
ボブ「今回で28回目。普通の人なら気が狂ってるね。でも僕達は楽しい時間だし、二人だからまだ耐えられるようなもんか。でもわかってきた。やっと。俺が世界一のギタリストじゃないからだ。練習しよう。」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが欲しがってた巨大なお城!」
ジョディ「まあ、嬉しい!」





輪廻88回目
ボブ「違う……俺は世界一のギタリストにはなれない。才能とか努力とかいうレベルじゃない。俺がギタリストになれないような運命になってる。もしかしたらジョディに世界一のギタリストに引き合わせることなんじゃないか。」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが気になってた古代遺跡で新たに僕が見つけた古代遺跡の壺!300年ぐらいかかったよ。」
ジョディ「まあ、嬉しい!」





輪廻208回目
ボブ「どこにいるだ世界一のギタリスト……アメリカ中探したがいない……」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが会いたがってた地底人のメガネ!1000年ぐらいかかったよ。」
ジョディ「地底人いたの?」
ボブ「いたよ。メガネもらった。」
ジョディ「まあ、嬉しい!」





輪廻888回目
ボブ「ここまでくると、万物の知識はほとんど得ていて、簡単に金持ちになれる。魔法も使える。空も飛べる。でもこんなものいらないからジョディに世界一のギタリストを出会わせて下さい。それに未だにギターがひけません。」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが気になってた宇宙人からもらったコップ!向こうでは一瞬だったんだけどこっち戻ったら4000年ぐらいかかったよ。」
ジョディ「宇宙人いたの?」
ボブ「いたよ。コップもらった。」
ジョディ「まあ、嬉しい!」




輪廻2888回目
ボブ「ジョディ生きてる?」
ジョディ「ボブこそ。」
ボブ「俺は楽しいから苦じゃないよ。」
ジョディ「私も楽しいから苦じゃないわ。最近では魔法でピアノに触れず名曲がひけるわ。」
ボブ「ここまでくると、人間離れしちゃうよね。輪廻してない人はびっくりするだろうね。ひとつ確実なことは、あの花がない時が終わりの時だよ。」
ジョディ「終わりの時?」
ボブ「そう、この輪廻の終わりの時さ。」
ジョディ「輪廻してない人はなんでって答えを求めるけど、私もボブが言った通りになる気がしてる。」
ボブ「わかるよねー。」
ジョディ「ねー。」
ボブ「俺達もう神様と女神様だ。」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが欲しがってた時が止まる時計。10000年くらいかかった。」
ジョディ「作ったの?」
ボブ「作ったよ。あげる。」
ジョディ「まあ、嬉しい!」





輪廻5888回目
ボブ「なんで輪廻するかも、もうわかる。わかるよそりゃあ。だって5888回×6年間、35328年以上生きてるもん。俺がギターひけないことがヒントだったんだね。答えは、ジョディが俺の死を乗り越えて、世界一のギタリストに会う。それだけ。輪廻前にそんなことジョディが言ってた気がする。これで輪廻が終わる。さあ、いつになるやら………」

ボブ「はい!ジョディプレゼント!」
ジョディ「なーに?」
ボブ「ジョディが欲しがってたタイムマシン。30000年くらいかかった。」
ジョディ「作ったの?」
ボブ「宇宙中を探したら見つけたよ。」
ジョディ「宇宙広いでしょう。」
ボブ「いや、宇宙なんて狭いよ。都心の1Kぐらいだ。」
ジョディ「そうなの?」

ボブはこの頃から度々、不思議な夢をみるようになった。






輪廻8888回目
ボブ「!!!!!!!!!!!花がない。とうとうきたか。」
ジョディ「!!!!!!!!輪廻、終わるの?」
ボブ「終わる。間違いない。」
ジョディ「ボブ、死ぬの?」
ボブ「ああ死ぬ。というか8888回死んでるけどもう生き返らない。そしてジョディは生きる。そして世界一のギタリストに会うんだ。」
ジョディ「どうして私達こういう輪廻の運命になったの?」
ボブ「簡単さ。これはね、ジョディが世界一のギタリストに会う物語なんだよ。会わなかったらずーと輪廻が続くだけなんだよ。」
ジョディ「今回で、世界一のギタリストに会うの?」
ボブ「会う。」
ボブは曇り無き眼でジョディをみた。
ボブ「あの花はね、ジョイフルキングって花なんだ。」
ジョディ「ジョイフルキング?そんなの図鑑にないわ。」
ボブ「だって僕がつけたんだもん。あの花がジョディを呼んでたんじゃないかな。」
ジョディ「私を?」
ボブ「………………さあ!そんなことより最後のデートだ!楽しもう!」

ボブ20歳
ジョディ20歳
ボブ「愛してるよジョディ。」
ジョディ「愛してるわボブ。」
ボブ「出会った頃と変わらない。どんなに輪廻を繰り返しても変わらない。」
ジョディ「私も出会った頃と変わらない。どんなに輪廻を繰り返しても変わらない。」
ボブ「8888回輪廻繰り返してももっとデートしたかった。」
ジョディ「8888回輪廻繰り返してももっともっともっともっとデートしたかった。」
その時、ジョディにだけ突風が吹き、ジョディは体勢を崩し海に落ちた。
ジョディ「ボブ!」
ボブ「最後はジョディを助けて終わりか。ジョディを助けないわけないよね。今いくジョディ!」
じゃぽん!
ジョディ「私を助けてボブは逝くのね。」
ボブ「ジョディ…よく聞いて。俺が死んだら絶対に悲しまないこと。そしてすぐ日本に飛ぶんだ。」
ジョディ「日本?行ったこともないし興味もないわ!」
ボブ「ジョディ…日本の大手音楽事務所に17か18の同級生の男女に廻り会う。その女がボーカルで、男がギタリストだ。その男が世界一のギタリストだ。その男女とドラムとジョディでジョイフルキングとかいうバンドを組むことになる。」
ジョディ「ボブ何言ってるの?」
ボブ「ジョディ…もうわかってるだろ?俺たちがなぜ8888回も輪廻してきたのか。8888回輪廻したってことは、8888回夢みてきたんだよ。夢にでてきたよ、そのジョイフルキングってバンド。世界を席巻し、瞬く間に世界のジョイフルキングになる夢。そこに、ジョディ…君がいたんだ。」
ジョディ「ボブ……ボブが世界一のギタリストじゃないの?」
ボブ「僕は未だにギターがひけない。ジョディ、来世でまた会おう。来世なんてすぐだよ。だって俺たち53328年以上生きたんだもん。あっという間に来世だよ。」
ジョディ「きっとだよ、きっと。」
ボブ「きっと。さよならジョディ。」
高波がボブを連れ去った。
ジョディ「ボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ジョディ!俺、今ギターの練習してるんだ。俺、絶対世界一のギタリストになるから!そしたら俺と組んでライブしよう!」
「やろうやろう!ボブならきっと世界一のギタリストになれるよ!私は絶対世界一のギタリストと組むからね!」
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「もうすぐ頂上だよジョディ。綺麗だ。」
「はあっはあっ待ってボブ、本当綺麗。」
「こんなに美しいんだね。綺麗なんだね。生きてるも悪くないね。ジョディとみれて幸せだ。」
「私も。」
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「ジョディ、海に夕日が沈むよ。綺麗だ。」
「本当、綺麗。」
「こんなに美しいんだね。綺麗なんだね。生きてるってこんなにいいことあるんだね。」
「ほんとに素敵。」
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「ジョディ、これびっくりするほど美味しいんだけど、初めて食べたよ。」
「本当、なにこれ、こんな美味しいものあったんだ。」
「輪廻してなかったら絶対食べれなかったよ。生きてればこんないいことあるんだねジョディ。」
「本当に美味しい。」
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「キャー冷たいよボブ!やったなーえい!」
「わージョディ冷たい!やったなーそれ!」
「キャーえい!」
「わーーえい!」
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「出会った頃と変わらない。どんなに輪廻を繰り返しても変わらない。」
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「8888回輪廻繰り返してももっとデートしたかった。」
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「愛してるよジョディ。」
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ジョディ「ボーーーーーーーブ!」
ギタリスト「ん?どうしたジョディ?ボブ?誰?」
ジョイフルキングコンサート舞台袖。アキが割って間に入ってきた。
アキ「いくわよ。」
マイキー「普段しゃべらないジョディがボブだって?恋人かい?くっくっくっ。」
ギタリスト「そうか。俺を恋人と間違ったのか。って俺ボブじゃねーし!」
アキ「しゃべってないでいくわよ!」
ギタリスト「ジョディ。いこう。」
この人がボブが8888回輪廻繰り返してまで会わせてくれた世界一のギタリスト。
ジョディ「行キマショ。世界一のギタリスト。」
ギタリスト「世界一???俺が???なわけねーじゃん。いつも思ってたけどジョディって楽譜も歌詞もみないのに1発で弾けるし、手を動かしてないのに鍵盤動いてるよね?なんで?」
ジョディ「魔法デ。」
ギタリスト「ふーん。」
ジョディ「さすが世界一のギタリスト。」
ギタリスト「じゃあジョディは世界一のピアニストだね。」


ボブへ
私ジョディは、ジョイフルキングのピアニストになりました。ボブが言ったとおり世界一のギタリストがいました。彼の曲は神がかっていました。神様はボブなのに。
もう少しここにいます。ボブが愛したこの素敵な世界に。このジョイフルキングを私が世界一にさせます。ボブが願ったこの物語をもう少し歩みます。もう少し待っててね。では来世で。
ジョディ













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