息苦しいな

寝てる時に心臓が止まれば死ぬが、息が止まっても死なない。
睡眠時無呼吸症候群と言うやつだ。これを患って数年経っている。きっかけは昼食後に猛烈に眠くなることだったように思う。妻にそれを話すとイビキも凄いと言う。病院にはよく行くので、睡眠時無呼吸症候群のポスターは目にしており、症状に「昼間に眠気に襲われる」などと書かれていたと記憶している。(全体的に改竄された記憶かもしれないが、誰にも迷惑をかけない改竄なので良かろう。記憶にございませんと言っても迷惑はかけまい。)
簡単に検査ができると言うので病院で検査キットを借り、自宅で一晩寝た後に返す。結果、最長2分間息をしていなかった。息止めを試みても1分いくかいかないかだというのに、勝手に記録更新している。達成感もない。疲労感はある。しかし驚くべきは、これでも中の下くらいの長さだそうだ。恐ろしい。それでも治療は行われる事になった。治療といっても治るものではないらしく、上手く付き合っていくしかないそうだ。はたしてCPAPという機械が貸し出された。箱のようなところにホースを繋ぎ、その先に鼻にあてるアタッチメントが付いている。シリコン製の鼻に被せるタイプや、鼻の穴に突っ込むタイプなどがあり、私は被せるタイプを借りた。寝る時にこれを鼻に着け、ヘッドギアで固定する。ベイダーマスクのようだ。余談だが、間違えてクラッシャーバンバンビガロのようだと書いた。ビガロのビが鼻に変換されたのに惜しかった。
機械からは空気が送られてくる。息が止まると強目に空気が押されてきて、無理矢理気道を広げて空気を身体に送り込んでくれるようだ。ありがたい。けれど顔に装着するので、いずい。死なないためにいずいのは我慢しなくてはならない。一生。これを着けながらメグリズムのホットアイマスクなどを着ける場合もある。CPAPもアイマスクも、どちらも爽快な目覚めを求めてのものなのに、外から見たらとてもそうは見えまい。
寝室がとても寒いので、アタッチメントの中に結露が出来るようになった。起きるとまずそれを拭く作業からはじめる。結露がなくても拭いてはいるけれど、いつもより念入りに拭く。ヘッドギアも一応拭く。器具は劣化する。しかしご安心。貸出元のメーカに連絡をすれば新しいものを送ってくれる。二ヶ月に一回、病院を受診して4千円/月支払わなければならないが、サポートは万全だ。病院が潰れたらどうなるんだろう?医療費控除の申請のために領収書を見ていたらそんなことを思った。控除申請は無事に終わった。受診の順番はまだ回ってこない。

二月某日 激混みの診察待合室にて。

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