PJSC2024本戦46位使用構築　正統派ガチクレセ

1.はじめに

初めまして。みずきと申します。今回PJCS2024本戦を46位で通過することができたので、使用した構築を紹介したいと思います。尚、構築記事を書くのはこれが初めてなのでご容赦いただけると幸いです。

２.戦績と使用構築

11勝4敗

成績

本戦使用構築

3.構築経緯

PJCS第一回予選まではクマ(アカツキ)キリンを使用していました。最終レート1702。

第一回予選使用構築

初手にチョッキガオガエン+リキキリンを出し、リキキリンを守らせながらバークアウトを押して場を整えてからトリル+とんぼ→ガチグマ着地が強いと思ったところからスタートしています。トリルターンを最大限使わないとトリル中に制圧するのは難しいです。またトリル＋モロバレルで寿司構築にほぼ勝てるのも魅力的でした。しかしコータス+ハバタクカミやチョッキ持ちのバークアウト、トリル封印に徐々に増えていた瞑想ライコなど厳しい相手も多かったです。

第二回予選は試行錯誤した結果上手くいかずあえなく撃沈。
第三回予選ではより安定感を求めてガチクレセを選び、ぎりぎり予選抜けすることができました。

第三回予選使用構築

アカツキガチグマにない原種ガチグマの魅力は、かえんだまで常時やけど状態なので相手のキノコのほうしやあくびを始めとする状態異常技に強いこと、ディンルーや瞑想ライコで止まらないこと、高火力技を連打できることなどです。逆にいかくが痛い点や、相方がリキキリンではなくクレセリアなのでゴーストテラスタルを切らないとねこだましを喰らってしまう、からげんきの一貫性があまりないなどの弱みもあります。
原種ガチグマを採用するうえで雪パや、物理に固い構築を見るためにコータスも採用したいです。
第三回予選から本戦に至るまでは草オーガポンの枠をいろいろ試した結果、水オーガポンに至って完成しました。

4.構築解説

初手にクレセリア+ガオガエン(水オーガポン)を選出して、クレセリアがトリックルームを打つターンにとんぼがえりを押すorこの指で倒れてガチグマ/コータスを安全に着地させ、トリルターン中に制圧することを目指します。
アタッカーが着地したら、みかづきのいのりやふゆうが必要なとき以外はクレセリアも積極的に引っ込めて強い盤面を維持します。
ほぼすべての構築に対してこの選出をするので扱いやすい点が気に入っています。

5.個別解説

クレセリア
持ち物：メンタルハーブ
性格：ずぶとい
実数値：227-x-166-95-152-105
特性：ふゆう
テラスタイプ：ほのお
技：まもる、トリックルーム、みかづきのいのり、れいとうビーム

トリル始動役。技は、前述の通り1ターン目にヘイトが集中しているクレセリアをまもらせて、横のガオガエンがバークアウトを打つことでカミイーユイ等に対してとても有利に立ち回ることができるのでまもるを採用しました。比較的トリル始動役はまもるをもっていないことが多いので、うまく決まる場面は多かったです。
みかづきのいのりも状態異常技に対して汎用的に対策することができて強かったです。ウエポンは化身ランドロスや身代わりトルネロス意識でれいとうビームにしました。
持ち物は挑発がよく飛んでくる環境だったのでメンタルハーブ。
調整はA特化ウーラオスの雨下テラスプレートすいりゅうれんだ耐え。
テラスタイプはほのおを採用しました。フェアリーは読まれやすく、ほのおは相手の高火力ほのお技を半減できるのが偉かったです。

ガオガエン
持ち物：とつげきチョッキ
性格：なまいき
実数値：202-136-110-x-156-58
特性：いかく
テラスタイプ：くさ
技：フレアドライブ、バークアウト、ねこだまし、とんぼがえり

サポート役。初手にクレセリアと並べます。1ターン目はクレセリアを守らせてバークアウトするかトリル+とんぼを押すかを選択します。初めは臆病キラフロルのC+1メテオビーム耐えまで振っていたのですが、控えめキラフロルに飛ばされたことがあったので、余りをAやBに振るよりはDに振り切ることにしました。化身ランドロスの前でも平気で突っ張れて良いです。相手のガオガエンの下からとんぼがえりを打ちたかったのでSは最遅です。ねこだましは終盤のサポート技です。
テラスタイプはみずとくさを半減できるくさタイプにしました。

ガチグマ
持ち物：かえんだま
性格：ゆうかん
実数値：237-211-126-x-100-49
特性：こんじょう
テラスタイプ：ゴースト
技：からげんき、じしん、ぶちかまし、まもる

アタッカー役。とんぼがえりで安全に着地させてこんじょう発動を狙います。技はテンプレ3つ+ぶちかましにしました。つるぎのまいはVSディンラッシャ構築やVS壁構築のときに欲しいのですが、ぶちかましが無いとグラスフィールド下で困る場面が多かったのでぶちかましを採用しました。
調整はHAぶっぱで、トリル下でできるだけ上から攻撃したかったので最遅。
テラスタイプはねこだまし対策のゴースト。かなり読まれますが、相手がねこだましを打たざるを得ない状況も存在するのでゴーストで良かったと思います。

コータス
持ち物：こだわりメガネ
性格：れいせい
実数値：177-x-160-150-91-22
特性：ひでり
テラスタイプ：ほのお
技：ふんか、ねっぷう、ウェザーボール、だいちのちから

アタッカー役。ガチグマでは対処の難しい雪パや、追い風構築などに選出します。ひでり+超高威力命中安定技という唯一無二の性能をもっているのでとても強かったと思います。タケルライコが苦手なのでスタン構築には選出せず、ライコ入りの追い風構築や雪パに出すときはガチグマと同時に選出していました。
調整はHCぶっぱで最遅。
テラスタイプは一致テラスのほのお。

モロバレル
持ち物：おんみつマント
性格：ずぶとい
実数値：221-x-134-105-101-50
特性：さいせいりょく
テラスタイプ：みず
技：キノコのほうし、いかりのこな、かふんだんご、クリアスモッグ

サポート役。アタッカーの横に並べて、ほうしやかふんだんごでサポートします。クリアスモッグは寿司や積みポケモン意識で採用しました。トリル+バレルは寿司にとても安定するので気に入っています。
持ち物はおんみつマントで、主にVSスタン構築で役に立ちました。
調整はHBぶっぱでSは無補正無振り。これは初手に出てくるコータスに対してこちらも初手に投げて、上からキノコのほうしを通すためにこの調整にしています。トリル下でこのゆびオーガポンをガチグマで落として、後からバレルが動いてほうしを当てることができたりもします。
テラスタイプは無難な水。

オーガポン(いど)
持ち物：いどのめん
性格：わんぱく
実数値：187-140-149-x-117-130
特性：ちょすい
テラスタイプ：みず
技：ツタこんぼう、とんぼがえり、このゆびとまれ、ちょうはつ

サポート役。主にガオガエンが選出しづらいまけんき/かちき/ばんけん入りの構築、雨パなどに対して初手にクレセリアとともに投げます。
調整はガラルサンダーのブレイブバードを耐えてほしかったのでHBぶっぱ(ようきなら高乱数耐え)。
技はトリルのサポートやドレディア意識のこのゆびとまれ、裏のアタッカーに繋げるためのとんぼ、トリルふういんをしてくる相手のイエッサン♀、リキキリン対策の挑発、最低限の打点としてのツタこんぼうにしました。ツタこんぼうの枠はドドゲザンメタのばかぢからにしていたときもありましたが、あまりにも汎用性が損なわれたので戻しました。
ガオガエンでカバーできない部分をうまく補えたのでしっくりきました。

6.選出と立ち回り

・VSスタン
前ガオガエンークレセリア
後ガチグマーモロバレル

初手はねこだましが飛んでくることが多いので、まもる＋バークアウトや
れいとうビーム+バークアウトから入ります。2回目のトリルを狙う展開になることが多いのでうまく調節します。初手VSガエンハバカミやVSガエン化身ランドに対する勝率は高かったのですが、前述の水ウーラオスやサーフゴーの選出が増えてからの勝率は低かったです。

・VS追い風
・トルネ+リキキリン/イエッサン♀
前オーガポンークレセリア
後コータスーガチグマ
・その他
前ガオガエンorオーガポンークレセリア
後コータスーガチグマ

なんとかトリルを張らせまいと動いてくるので、まもる、ちょうはつ、このゆび、バークアウトなどを駆使ししてこちらも応戦します。
トリルを張った後は早期決着することがほとんどです。

・VSトリル
・ドレコー
前オーガポンーガチグマ
後クレセリアーコータス
・ガチクレセコータス+古代活性
前モロバレルorガオガエンーガチグマ
後クレセリアーコータス

水オーガポンを採用してからは一度もドレコーイエブリム系に遭遇しなかったのでシミュレーションだけですが、初手このゆび+ぶちかましでコータスを倒しに行きます。ガチクレセミラーは初手にコータス+ハバタクカミ/ウネルミナモを選出されることが多いです。ガオガエンorモロバレル+ガチグマを選出して、相手の古代活性ポケモンの型を見極めてうまく動かし、相手のコータスを倒してトリル展開を目指します。

・VS雨パ
前オーガポンークレセリア
後ガチグマーモロバレル

水オーガポンのとんぼで相手のタスキを割りつつ裏のガチグマに繋ぎます。クレセリアもすぐにバレルに引っ込めて有利な盤面を維持していきます。

・VS晴れパ
前モロバレルーガチグマ
後クレセリアーコータス

大体先発コータス(脱出パック)+古代活性ポケモンなので初手にモロバレル+ガチグマを選出して、相手の古代活性ポケモンの型を見極めてうまく動かし、コータスを倒してトリル展開を目指します。

・VS雪パ
前オーガポンークレセリア
後ガチグマーコータス

大体先発はコータスに強いポケモンが出てくるので、とんぼがえり+トリックルームから入ってガチグマを通していきます。雪に切り替えてきたらコータスを繰り出して戦います。

・VSディンラッシャ
前オーガポンークレセリア
後ガチグマーモロバレル

とんぼ＋トリルからスタートして、ガチグマを着地させます。ディンラッシャのあくびループには捕まらないですが固いので、うまくガチグマとサポートポケモンを動かして戦います。

・VS合体寿司
前ガオガエンークレセリア
後ガチグマorコータスーモロバレル

ガオガエンがキラフロルのメテオビームを耐えるのでまもる＋バークアウトかトリル+とんぼがえりでスタートし、ガチグマを着地させ、寿司が出てきたらモロバレルに交代してクレセ+バレルで嵌めていきます。ゴーストテラス鉢巻ヘイラッシャはテラバーストで拘るので、裏のガチグマ、ガオガエンの耐性を活かしながらモロバレルで弱体化させ、うまくシャリタツを着地狩りしてTODに持ち込みます。そもそも初手にヘイラッシャが出てくるのは怪しいので、まもるで様子見してもいいかもしれませんが、1,2回しか遭遇しなかったので試せませんでした。

・VSホムラ+まけんき
前オーガポンークレセリア
後ガチグマーモロバレルorコータス

とんぼ+トリルから裏のアタッカーを通していきます。
高耐久のポケモンが多く、テラスタルや持ち物で手厚く対策されていると負けてしまいます。

・VS壁
前オーガポンークレセリア
後ガチグマーモロバレルorコータス

相手のエースにも寄りますが、オーガポンは初手は挑発を選ぶことが多かったです。高耐久のポケモンが多く、テラスタルや持ち物、補助技などで手厚く対策されていると負けてしまいます。

・VSガラサン＋ディンルー
前オーガポンークレセリア
後コータスーガチグマorモロバレル

とんぼ+トリルでスタートしてコータスを着地させ制圧していきます。ディンルーが水テラスだと厳しいです。

7.苦手な相手

・スタン構築の先発水ウーラオス
VSスタン構築では2回目のトリルを狙う展開になりやすいので、使い回しのできるガオガエンを初手に選出したいのですが、水ウーラオスと対面するとガオガエンとガチグマがすいりゅうれんだで縛られているので厳しいです。ねこだまし＋トリックルームは極力打ちたくない(サポートポケモンが2匹並んでしまう＆ウーラオスがねこだましに耐性があることも多い)ですが、テラスタルはガチグマに残さないと後の展開が辛くて難しいです。
環境中盤までは初手にガオガエン+ハバタクカミor化身ランドロスのような並びで選出されることが多くて勝てていたのですが、終盤になってくると初手に水ウーラオスが出てくることが多くなってきて辛かったです(おそらくゴーストテラス水ウーラオスを始めとする対面的なスタンの流行が原因)。また水オーガポンを選出できてもパオジアンのつららおとし+ウーラオスのインファを災い込みで耐えないのでどっちにしろ厳しいです。これに回答を用意できなかったのは辛かったですが、スタンが多いわけではない+必ずしもこの出され方をする訳ではないということで乗り切りました。

・サーフゴー
これも主にスタン構築で終盤に増えてきたポケモンだったのですが、初手にガオガエン+サーフゴーを並べられてガオガエン方向にねこだまし+わるだくみをされてるだけで辛かったです。それを読んでガチグマに素交代+トリルを決めるしかないのですが、そこからも択勝負が続くし、そもそも相手のサーフゴーはこちら視点スカーフの可能性も大いにあり、トリックをガエン方向に押されていると即負けだし、相手ガエンがはたきおとすを選択していても即負けなので難しかったです。ただスカーフの場合はガチグマにスカーフを押し付けられない限り対処は比較的楽です。

・ロンゲコノヨ系
ビルドアップ+ほのお技に耐性のあるテラスタルが辛かったです。モロバレルでごまかそうとしてもオーロンゲのミストフィールドや、相手モロバレルの味方なやみのタネなどで対策されていて絶対勝てないと思いました。
数はとても少なかったのが救いでした。

8.感想

本戦前は前述のスタン構築への勝率が低く不安でした。実際本戦でもスタンに4回当たって内2回は一ターン目から大劣勢になって負けてしまいました。しかし、その他の大体の構築に対しては事前に選出と動きを確立できていたので無事勝ち切ることができました。抜けられた要因はそこにあると思っています。ここ一か月は対戦中必ずメモをとって、ひとつずつメジャーな構築への回答を用意していきました。それでもなお数か所苦手な要素を補いきれなかったことだけは心残りでしたが、結果を出せて良かったです。
世界大会に出ることは自分の夢の一つだったので喜びを噛み締めるとともに、次に備えて準備をしたいと思います。
応援してくれた方、ネット予選のアドバイスをくれた方、ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。

最後に誠に恐縮なのですが、渡航費等がとても高いので投げ銭箱を置かせてください。余裕のある方だけで結構です。