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決意 人前で話すこと

 昔はこうじゃなかった。
 人と話すことは嫌いじゃなかった。自分の言葉で自分らしく話すことが楽しかった。授業はホームグラウンドだ。専門知識と教材研究によって生徒に楽しんでもらえるような話し方、惹きつけ方を自分はできていたと思う。多分。
 4年ほど授業から遠のいていたこともあり、能力が落ちた。発声、表情、話の組み立て、全てにおいて、あれ?どうしてたっけ?といった感覚で、今の私は新人の頃よりも明らかにスキルが落ちている。

 脳の機能の低下なのか?思ったように言葉が出ない。
 過去、文章を書くことも得意で、小論文や作文はいくらでも書けた。言葉は勝手に流れ出してくる。あっという間に原稿が埋まっていく。
 なにを書いたらいいか分からない・・・なんて言っている人の気持ちが全く分からないほど、自然に息を吐くように文章を紡ぐことができた。

 書けない原因の一つにインプットの不足がある。
 以前は相当本を読んでいた。読書が唯一の趣味だった。
 読んだ文章の全部が頭に取り込まれ、文体や言葉の言い回しをエネルギーにして自分の文章を紡いでいたのかもしれない。
 読書は栄養。そんな感じだった。

 今、自分は知的な事から遠ざかっている。堕落している。
 余暇のほとんどをインターネットで過ごし、情報はネットに流れてくるものばかり。一度離れた方がいいと思うのに、毎日SNSを開いてしまう。
 有益な情報もそれなりに流れては来る。でも大半が消費され流されるための文字だ。分かっている、なのにそこに反応して深追いしてしまう。
 浪費、無駄な時間。そろそろ本気でおしまいにしなければいけない。
 取捨選択が実は苦手であること、情報量の多さによって、思考が散漫になり焦点を失ってしまう傾向があることは自覚した。

 まともに言葉を紡げるようになりたい。そしてそれを説得力のある言葉として伝えられるようになりたい。

 人前で話せるようになるための修行を始めようと思う。

【後日談】
夜鍋して原稿を書き、何度も練習して挑んだのに、生徒の前に立つと緊張してぶっ飛んでしまい、また失敗してしまった。才能もセンスもない自分にほとほと嫌気がさす。こんな自分が校長でいいわけない。
一週間後、教頭先生が避難訓練で見事な講話を話されていた。
まとめる力、伝える力、私にないものばかり。
それが一番必要な職なのに、全くできていない自分に落ち込むばかり。

 

 
 

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